技術内容

受精卵エレクトロポレーション法(GEEP 法)とは、Cas9 タンパク質及びgRNA といったゲノム編集ツールをエレクトロポレーションによって受精卵に導入する方法です。このGEEP法ではCRISPR/Cas9 ゲノム編集ツールをハイスループット・低コストかつ、ダメージの少ないかたちで受精卵に導入することができるため、例えば、遺伝子改変マウスの作製が非常に簡便になり、安価に提供することができます。従来、遺伝子改変マウスを作製する目的には、マイクロインジェクション法が主に用いられます。マイクロインジェクション法は、ガラスキャピラリーという非常に細いガラス管を用いて、顕微鏡下でCRISPR/Cas9 ゲノム編集ツールを受精卵一つ一つに注入する方法で、操作技術が求められるほか、専用の設備が必要です。これに比べてGEEP法では、必要な技術は受精卵を電極に並べることのみです。加えて、受精卵を一つ一つ操作する煩雑な作業を介すことなく、複数個(20 個~ 200 個)の受精卵へ同時にゲノム編集ツールを導入することができます。このような新たな技術を活用することで、人工受精後の卵が新鮮なうちに、短時間で均一な条件下で、低侵襲にゲノム編集を行えるというメリットを産み出し、高効率でゲノム編集生物を得ることが期待できます。また、マウスのみならずブタへのGEEP法の応用も可能となりました。

比較表

セツロテック 他社
ゲノム編集マウス作製法 受精卵エレクトロポレーション法 (GEEP法)
受精卵エレクトロポレーション法(GEEP法)
マイクロインジェクション法
マイクロインジェクション法
100コの受精卵の取扱時間 15分以内 120分以上
ゲノム編集生物の発生率 高い 中程度
ノックアウトマウス
ノックインマウス テスト テスト
多因子疾患モデル生物
ゲノム編集受精卵での納品
F0解析
ブタなど他の哺乳類のゲノム編集
コスト 安い 高い

100個の受精卵を操作した時の比較

セツロテックの技術 /受精卵エレクトロポレーション法

ステップが少なく単純

他社(従来)の技術 /マイクロインジェクション法

ステップが多く複雑

デザインポリシー

  • 1. 設計はお客様のご要望を伺い、弊社テクニカルサポートよりデザインをご提案いたします。弊社では、目的遺伝子全体を欠損するための情報が無い場合がございます。そのため、お客様と話し合いを重ね、お客様にデザイン承認を得て実際の作業を進めさせていただきたく存じます。

  • 2. 遺伝子欠損受精卵/遺伝子欠損マウスに関して
    ・弊社では、お客様と合意のあった場所にデザインを行います。
    ・お客様の希望される設計場所が全くない場合弊社からいくつかのご提案をさせて頂きます(例a~d))。随時お客様のご要望をお聞きし、デザインを決定致します。

    a) 目的遺伝子の開始コドンを含むエクソンをターゲットに選ばせて頂きます。
    b) 目的遺伝子が遺伝子ファミリーの場合、保存領域をターゲットに選ばせて頂きます
    c) スプライシングバリアントが報告されている場合は、スプライスされないエクソンをターゲットに選ばせて頂きます(スプライシングバリアントがある場合、お客様の期待するノックアウトマウスにならない場合がございます。ご容赦頂きますようお願い致します。)
    d) 参考文献がある場合、それをもとにターゲットを選ばせて頂きます。
    ・遺伝子欠損の場合のデザイン設計は、目的の上流と下流に、両方の切断部位を(場合により片方)エクソン内に設計します。仮に、切断効率が悪い場合でもindelによりフレームシフトが期待できるためです。ただ、フレームシフトを誘導できるかどうかはお約束できかねます。ご容赦頂きますようお願い致します。
    ・遺伝子欠損マウス作製では、ジェノタイピング(PCR/シークエンス解析)結果をマウス搬出時にマウス個体解析結果報告書としてお客様にお返しします。(繁忙期は搬出時に速報でお知らせします。後に、マウス個体解析結果報告書をお返しする場合があります。ご容赦頂きますようお願い致します。)
    ・ジェノタイピング解析により欠失/indelによるフレームシフトを確認しますが、これらの結果はタンパク質の欠損を保証するものではありません。お客様ご自身にてウエスタンブロット解析等を行って頂きますようお願い致します。
    ・予備実験(オプションサービス)をお申し込み頂いたお客様には、目的遺伝子切断のために上流と下流に2か所ずつデザインを設計します。(ブラストシスト解析結果より、本実験に使用するcrRNAを決定して頂きます。4本のcrRNAを設計しますが、実験に使用するのは2本となります。)
    ・予備実験(オプションサービス)を申し込まれたお客様には、ブラストシスト解析結果をお返しする際に成功率をお知らせいたします。しかし、予備実験をお申し込み頂かなかったお客様には、成功率は保証できかねます。ご容赦頂きますようお願い致します。

  • 3. 遺伝子置換/遺伝子置換マウスの作製に関して
    ・弊社では、お客様と合意のあった場所にデザインを行います。
    ・お客様の希望される場所が限定的であった場合、crRNAの設計が難しい場合があります。難しい場合とは、a) in silicoで設計が可能かどうか確認しますが、b) 切断効率が悪い場合です。このような場合であってもご要望により実施が可能です。
    ・お客様からご要望があれば、同時に制限酵素サイトの共導入も検討いたします。ただ、ご希望に添えない場合もございます。ご容赦頂きますようお願い致します。

  • 4. コンディショナルマウスの作製に関して
    ・弊社では、お客様と合意のあった場所にデザインを行います。
    ・上流側(下流側)の挿入実験を行い、挿入が確認出来たマウス(F0マウス)の仔(F1マウス)の受精卵を用いて下流側(上流側)の挿入実験を行います。両側に挿入が確認された仔(F2マウス)の納品または、その仔(F3マウス)の納品をします。
    ・作製にお時間を頂くため、段階を経るごとに、簡単でございますがご報告差し上げます。
    ・作製にお時間を頂くため、お申込みが無くとも、予備実験を行わせて頂きます
    ・作製に段階を踏むため、場合により当初設計したcrRNAの切断が悪い場合があり使えない場合がございます。その場合は、弊社からご連絡なくデザインを新しく設計し、使用する場合がございます。ご連絡が前後する場合がございます。ご容赦頂きますようお願い致します。

受精卵グレード表

弊社で作製したゲノム編集マウス受精卵は、2細胞期での形態によってグレード付けを行い、お届けするゲノム編集マウス受精卵を選別しております。また、ゲノム編集マウス作製時も、同様の評価を行い、グレード1~3の受精卵のみを移植しております。

ゲノム編集マウス受精卵(2細胞期) 自社グレード表
採卵・媒精後 22~24時間後 2細胞期

お届けするゲノム編集受精卵 処分
グレード1 グレード2 グレード3 グレード4 グレード5

★★★

★★


×

××
卵割球
均等
卵割球
均等
卵割球
不均等
卵割球
均等/不均等
卵割球
均等/不均等
フラグメンテーション
なし
フラグメンテーション
10%以下
フラグメンテーション
なし/10%以下
フラグメンテーション
10-50%未満
フラグメンテーション
50%以上

* フラグメンテーション:細胞がくずくずに壊れてしまっているような状態
(ヒト胚 Veeckの分類を参考にしています)

受精卵エレクトロポレーション法(GEEP法)

受精卵エレクトロポレーション法(GEEP 法)とは、Cas9 タンパク質及びgRNA といったゲノム編集ツールをエレクトロポレーションによって受精卵に導入する方法です。このGEEP法ではCRISPR/Cas9ゲノム編集ツールを高効率で、そして少ないコスト・少ないダメージで受精卵に導入することができます。そのため、遺伝子改変マウスの作製が非常に簡便となり、安価に提供することができます。GEEP法では、必要な技術は受精卵を電極に並べることのみです。加えて、受精卵を一つ一つ操作する煩雑な作業を介すことなく、複数個(20 個~ 100 個)の受精卵へ同時にゲノム編集ツールを導入することができます。このような新たな技術を活用することで、体外受精後の卵が受精後の卵割が進む前に、短時間で均一な条件下で、低侵襲にゲノム編集を行えるというメリットを産み出し高効率でゲノム編集生物を得ることが期待できます。そのうえ、モザイク率も低くなり、受託サービスとして提供しやすい形となっております。また、マウスのみならずブタへのGEEP法の応用も可能となりました。

ゲノム編集受精卵作製サービスの流れ

ゲノム編集受精卵作製サービスの流れ