TiDとは?

CRISPRシステムは、獲得免疫の応答に働くCasタンパク質の多様性から、6タイプ33種以上のサブタイプに分類されています。
徳島大学:刑部博士は微生物メタゲノムより、TypeI-D(TiD) をゲノム編集ツールとして同定しました。
TiDは、他のCas因子よりgRNAが長く(35 ~ 36塩基)、標的特異性が高いという特徴から、CRISPR/Cas9で懸念されることの多いオフターゲット候補総数を大幅に減少させることができる他、標的配列の上流・下流方向に数kb以上の長鎖欠失を引き起こすことも、小規模なindel変異を誘導することも可能となっています。

TiDは商用利用が可能!

これまで、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集を行う場合、商用利用の際には特許関係が煩雑でした。TiDは徳島大学が単独で特許を出願しております。*
*特願2017-158876

本特許の動物分野における独占的実施権を保有している、大塚製薬工場様と別途契約する事で商用利用が可能です。

セツロテックでできること

セツロテックでは、以下のようなサービスを展開予定です!

 

*ゲノム編集用のTiDベクターの作製
* TiDを用いたゲノム編集用gRNAの作製
* TiDを用いたノックアウト細胞の作製
* TiDを用いたノックアウト細胞の作製+CROサービス
例:発現解析サービス(Western Blot等)、細胞増殖解析 等

詳細は弊社担当営業までお問い合わせくださいませ。

他のCas因子との比較

Cas9
(class2,type-II)
Cas3
(class1,typeI-E)
TiD
(class1, typeI-D)
Cas9(class2,type-II) Cas3(class1,typeI-E) TiD(class1, typeI-D)
ヌクレアーゼ Cas9
(endonuclease)
Cas3e
(helicase and nuclease)
Cas10d
(helicase, nuclease)
gRNA 20塩基 32塩基 35-36塩基
PAM NGG AAG, AGG GTA, GTC, GTT
変異 短い塩基欠失/挿入 標的5’側の長鎖欠失 短い塩基欠失/挿入
+双方向の長鎖欠失
オフターゲット効果* ある程度はある Cas9よりは少ない かなり少ない

*任意のOn-targetに対するoff-targe部位を網羅的にin-silico抽出し、0塩基-5塩基ミスマッチのoff-taget候補総数を比較の結果

(画像は徳島大学 刑部博士よりご提供)

ご用意いただく情報・サンプル

遺伝子情報 NCBIなどのアクセッションナンバーノックイン情報など
細胞種 HEK293F、HaCaT、Jurkatなどゲノム編集を行いたい細胞のご送付
細胞の培養環境 培地をご送付頂くことがございます

ゲノム編集培養細胞作製の流れ

ゲノム編集培養細胞作製の流れ

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