ゲノム編集マウス作製(受精卵納品)について
- ゲノム編集受精卵作製に使用するマウスの情報を教えて下さい。
- 弊社では、SLC、日本クレア、日本チャールズリバーから導入したマウス系統を使用してゲノム編集受精卵作製に使用しています。ブリーダーの指定がある場合は、別途お問い合わせください。
受精卵作製に使用するマウスの数については、例えばC57BL/6系統のゲノム編集受精卵100個を作製する場合は、メスマウス4週齢を5匹、オスマウスを1匹使用しております。その他の系統のマウスについては、サイズや性成熟の時期により、柔軟に対応しています。仮親マウスは原則としてICRマウスを使用しています。 - ゲノム編集マウス受精卵は、冷蔵胚と凍結胚のどちらで、納品可能でしょうか?
- 弊社では、凍結胚での納品を推奨しております。ご要望があれば、冷蔵胚での納品も対応可能です。それぞれのメリット・デメリットは、下記の通りになります。冷蔵胚の場合は、受け入れ施設側での調整が必要になりますので、ご留意ください。
【凍結胚】
□ メリット
・移植作業のスケジュールを立てやすい
・用意できた偽妊娠マウスの数に応じ、凍結胚を融解させて移植すればよい
・納品後そのまま凍結保管することが可能
■ デメリット
・融解技術が必要(手技の熟練度の影響あり)
【冷蔵胚】
□ メリット
・融解技術を必要としない
・融解の手間が省ける
・特別な試薬を必要としない
■ デメリット
・移植可能な時間が限られている
(冷蔵開始後72時間以内・目安として到着日あるいは到着翌日(午前)まで)
・移植に必要な数の偽妊娠マウスを、事前に準備しておかなければならない - 胚の冷蔵保存はどのような方法で行っていますか?
- 弊社では、熊本大学CARD(Center for Animal Resources and Development)のプロトコルに則って実施しています。詳しくは以下よりご確認ください。
熊本大学 マウス生殖工学マニュアル - ゲノム編集受精卵作製サービスでは、どの程度の数の受精卵が納品されますか?
- 通常プランの場合は100個、ゴールドプランの場合は150個の納品となります。納品数増加をご希望の場合は、別途有償での対応となります。
- ゴールドプランと通常プランはどこが違いますか?
- 通常プランの場合はゲノム編集受精卵100個の納品ですが、ゴールドプランの場合は150個の納品となります。また、ゴールドプランの場合は、ガイドRNAのDNA切断検証、産仔の遺伝子配列解析(10匹まで)、ゲノム編集受精卵の再作製保証(1回)がついています。
- 納品される胚のステージを教えてください。
- 冷蔵胚、冷凍胚ともに2細胞期胚をお送りしております。
- 仮親マウスに胚移植するとき、受精卵をいくつ移植すればいいですか。
- 片腹に8-12個ずつ移植することが一般的ではございますが、弊社の胚を移植する際には「片側卵管に15個ずつ、合計で30個の移植」を標準プロトコルとして推奨しております。ゴールドプランの場合は、再作製保証の対象は、弊社指定のプロトコルに則って実施いただいた場合に限っておりますので、ご留意ください。
- 納品後のゲノム編集受精卵から得られた産仔の解析を依頼できますか?
- 可能ですが、有償での対応となります。詳細はお問い合わせください。なお、ゴールドプランの場合は、10匹までの産仔の遺伝子配列解析がプラン内容に含まれていますので、納品後に産まれたマウスのサンプルをご送付いただいければ、弊社で配列解析を実施します(10匹以上の場合はお問い合わせください)
参考文献
- Hashimoto, M. and Takemoto, T*. Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing. Sci. Rep. 5, 11315; doi: 10.1038/srep11315 (2015).
- Hashimoto M, Yamashita Y, Takemoto T*.Electroporation of Cas9 protein/sgRNA into early pronuclear zygotes generates non-mosaic mutants in the mouse. Dev. Biol. 418: 1-9 (2016).
- Tanihara F, Takemoto T*, Kitagawa E, Rao S, Do L, Onishi A, Yamashita Y, Kosugi C, Suzuki H, Sembon S, Suzuki S, Nakai M, Hashimoto M, Yasue A, Matsuhisa M, Noji N, Fujimura T, Fuchimoto Di, Otoi T*. Somatic cell reprogramming-free generation of genetically modified pigs. Science Advances. 2 (9) e1600803 (2016).
- Sawatsubashi S*, Joko Y, Fukumoto S, Matsumoto T, Sugano SS*. Development of versatile non-homologous end joining-based knock-in module for genome editing. Sci Rep. 2018 Jan 12;8(1):593.