2025年12月のX紹介精密育種・ゲノム編集論文&ニュース

株式会社セツロテックのX(旧Twitter)アカウントでは、精密育種やゲノム編集技術に関する論文やニュースを、弊社メンバーが独断と偏見でピックアップしてつぶやいています。弊社の提供するサービスとは直接関係ない情報も含め、幅広くお届けしております。精密育種技術の社会実装を目指す大学発ベンチャーとして、皆さんの新技術への理解増進の一助になれば幸いです。ぜひ、フォローを!ここでは、2025年12月のポストで紹介した内容を再編成して掲載いたします。なお、本記事の内容は、発表された論文やニュースの内容を紹介するものであり、会社としての正式な見解では無く、担当者個人の理解によるものです。
Index
今年の科学界の10人にCRISPRオーダーメイド治療を受けた赤ん坊が選出
The baby whose life was saved by the first personalized CRISPR therapy Ledford, Nature. 2025 Dec;648(8094):528-529.
Nature誌が選ぶ2025年の科学を形作った10人”Nature’s 10″に、世界初のCRISPRオーダーメイド治療を受けた赤ん坊が選出。新生児の重篤な先天性疾患であるカルバミルリン酸合成酵素欠損症に対して、患者個人のDNA配列に合わせて調整した塩基編集を迅速に実施し、命を救った。
品種改良が進んでいない作物ほど精密育種の恩恵が大きい
Engineering compact Physalis peruviana (goldenberry) to promote its potential as a global crop Domingo et al., Plants, People, Planet. 2025 Dec 4 (Online ahead of print).
南米原産のゴールデンベリーを、CRISPR-Casシステムによる精密育種で35%背丈を低くし、よりコンパクトにした。栽培化が進んでいない「マイナー作物」であっても、迅速な品種改良で区画あたりの収量を高め、大規模生産を可能にする。Plants, People, Planet誌。
体色で雌雄を見分けられるゲノム編集ヒトスジシマカ
Mosquito sex separation using complementation of selectable traits and engineered neo-sex chromosomes Zaada et al., Nat Commun. 2025 Dec 11;16(1):11175.
体色で雌雄判別が可能な蚊を、CRISPR-Casゲノム編集で作出(オスが黒色で、メスが黄色のヒトスジシマカ系統)。不妊虫放飼法(SIT)による駆除戦略では、オスのみを選んで放出する必要があり、この工程の省力化はボトルネックの解消につながる。Nature Communications誌。
コンパクトなゲノムエディターIscBのヒト細胞およびマウス胚での利用
Engineering a CRISPR-associated IscB system for developing miniature genome-editing tools in human cells and mouse embryos Zhang et al., Nat Commun. 2025 Nov 27;16(1):10693.
ヒト細胞およびマウス胚ゲノム編集でのIscBタンパク質(457 aa)の利用。デラウェア湾の水生生物メタゲノムに由来するenDelIscBは、T5エキソヌクレアーゼと融合させることでヒト細胞において十分な効率を示し、モデルマウスも効率的に樹立できた。Nature Communications誌。
筑波大学らのチームが高栄養価トマト品種を作出
Enhancing tomato quality, high sugar content and GABA accumulation, with mutations in ESKs and GAD3 genes Choi et al., Sci Rep. 2025 Dec 2 (Online ahead of print).
CRISPR-Casシステムによる複数遺伝子の改変で、高栄養価のトマト品種を作出。ESK遺伝子とGAD3遺伝子を編集することで、糖度を2倍、GABA含量を5倍、ビタミンC濃度を1.5倍に向上させた(ただし果実のサイズは小さくなった)。Scientific Reports誌。
CRISPR-Casシステムが熱帯熱マラリアの感染拡大を防ぐ
Gene-drive-capable mosquitoes suppress patient-derived malaria in Tanzania Habtewold et al., Nature. 2025 Dec 10 (Online ahead of print).
CRISPR-Casシステムによる「遺伝子ドライブ蚊」が、熱帯熱マラリア原虫の増殖を阻止。ハマダラカに抗寄生虫エフェクター(天然抗菌ペプチド)を組み込み、かつ挿入された遺伝子配列が集団内で拡散するようにした。実際にアフリカで流行中の原虫株で有効性を検証。Nature誌。
ヒエでのCRISPR-Casゲノム編集に成功
High-throughput genetic transformation and genome editing in pearl millet (Pennisetum glaucum L.) Achary et al., Plant Physiol. 2025 Oct 31;199(3):kiaf499.
アフリカやアジアの乾燥地域などで食用にされるトウジンビエにおける効率的な形質転換およびCRISPR-Casゲノム編集法を確立。未熟胚にアグロバクテリウムで導入。145日間で完全な植物体の発生にまで至った。Plant Physiology誌。
ゲノム編集食品の認知度はまだまだ
遺伝子組み換え/ゲノム編集食品に対する消費者の意識調査(2025年実施) バイテク情報普及会 2025年12月15日
ゲノム編集食品の認知度はまだまだ。バイテク情報普及会によるプレスリリース。若年層ほど「良い」「どちらかといえば良い」イメージを持つ人の割合が高いが、全体では約半数が「全く知らない」とのこと。このアカウントでも、確かな最新情報の提供に努めなければ!
社会受容を目指してゲノム編集食品の試食会を開催
GABA多いトマト、成長速いトラフグ…ゲノム編集食品 認知度向上に試食会開催 産経新聞 2025年12月1日
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