メールマガジン:ゲノム編集論文⑳

セツロテックでは、月に一度、最新のゲノム編集に関する情報をお届けするメールマガジンを配信しています。今回の記事では、メールマガジンの人気コーナー「最近のピックアップ論文」から厳選した内容をご紹介します。
配信号:2025年12月
1. 体色で雌雄を見分けられるゲノム編集ヒトスジシマカ
Mosquito sex separation using complementation of selectable traits and engineered neo-sex chromosomes Zaada et al., Nat Commun. 2025 Dec 11;16(1):11175.
秦の始皇帝が不老不死の仙薬を求めて徐福を辺境の地に派遣したように、長生きの秘訣を探るには希少なサンプルを得ることが必要である。米ロチェスター大学のFirsanovらは、アラスカ北部のイヌピアットに捕鯨枠が割り当てられている、200年以上長生きするホッキョククジラに注目した。道路がないので宅配便でなく足を運んで組織サンプルを回収した筆者らは、ホッキョククジラの細胞はヒト線維芽細胞よりも少ない変異でがん細胞化するにも関わらず、DNA二本鎖切断の修復能力と正確性が高いために変異の発生率が低いことを発見した。ホッキョククジラの線維芽細胞で高発現であった低温誘導性RNA結合タンパク質CIRBPをヒト細胞で過剰発現させたところ、非相同末端結合修復と相同組換え修復の両方を促進し、DNA修復能力が向上した。強化されたDNA修復機構がクジラの長寿に寄与しているのかも。(事業開発部T)
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