メールマガジン:ゲノム編集論文⑮

セツロテックでは、月に一度、最新のゲノム編集に関する情報をお届けするメールマガジンを配信しています。今回の記事では、メールマガジンの人気コーナー「最近のピックアップ論文」から厳選した内容をご紹介します。
配信号:2025年7月
バイオ医薬品を自分で作って自分で使う
Targeted in vivo gene integration of a secretion-enabled GLP-1 receptor agonist reverses diet-induced non-genetic obesity and pre-diabetesHirose et al., Commun Med (Lond). 2025 Jul 9;5(1):269.
2型糖尿病の治療に使用されるGLP-1受容体作動薬エキセナチド(Exendin-4)は、アメリカドクトカゲの唾液に由来する39アミノ酸からなるペプチドである。こうしたバイオ医薬品は、生体内で分解されやすいため作用時間が短く、患者への頻繁な注射が必要であった。大阪大学のHiroseらは、in vivoゲノム編集でExendin-4をコードする配列をアルブミン遺伝子座にノックインし、患者自身の肝臓をバイオ医薬品の「生体内工場」として利用するコンセプトの可能性を探った。肥満と前糖尿病モデルマウスにおけるゲノム編集では、LNPを利用したたった1回の注射投与だけで、6ヶ月以上もの間、継続的に血液中でエキセナチドが検出され続け、顕著な副作用なく体重と血糖値の異常が改善していた。このことは、ゲノム編集技術による治療の対象が、遺伝性疾患のみにとどまるものではないことを示唆するものである。(事業開発部T)
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