メールマガジン:ゲノム編集論文⑭

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配信号:2025年6月

鳥類が酸っぱい木の実を食べられる理由

Molecular evolution of sour tolerance in birds
Zhang et al., Science. 2025 Jun 19;388(6753):1330-1336.
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adr7946
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ほとんどの生物は未熟だったり腐ったりしていることを想起させる強い酸味を忌避するが、多くの鳥類は酸性の果物を好んで摂取する。このメカニズムを探るため、中国科学院のZhangらは鳥類における酸味の知覚の遺伝的基盤を解析し、鳥類の酸味受容体オトペトリン1(OTOP1)は、ほ乳類のものとは異なり低pH条件で阻害されることを発見した。カナリアOTOP1遺伝子の主要領域における点変異スクリーニングを実施したところ、鳴禽類において進化的に保存されたH239、L306、H314、G378が酸阻害に重要であることが明らかになった。また、CRISPR-Cas9ノックインゲノム編集によって、OTOP1遺伝子をカナリア型に置換したマウスを作製したところ、他の味覚に影響を与えることなく、酸味への耐性(神経活動パターンの変化)が誘導されていた。小鳥が、酸いも甘いも噛み分けられるのはこのおかげ。(事業開発部T)

 

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