VIKING法(培養細胞ゲノム編集法)とは

Versatile NHEJ-based Knock-in using genome editing

VIKING法は、NHEJ(非相同末端結合)を利用したものです。ベクターの導入比率を最適化することにより、意図しない変異(オフターゲット効果)を劇的に低下させることに成功しました。また、ターゲットゲノム切断ベクター・ドナーベクター・ドナー切断ベクターの3つのベクターが複合的に働き、ゲノム編集が行われることが特徴です。

VIKING法は、培養細胞のゲノム編集法において、従来利用されてきた相同組換え(HR)修復経路でなく、より高頻度に起こる非相同 末端結合(NHEJ)修復経路を利用したゲノム編集法です。特徴として、ウイルスベクターでは困難な10kbpを超える大型ベクターの 挿入ができること、薬剤耐性遺伝子などのマーカーとなる配列がゲノム配列に挿入されることにより、ゲノム編集後の細胞のセレクショ ンが容易になることがあげられます。 また、使用する3つのベクターの導入比率を最適化することにより、意図しない配列改変(ランダムインテグレーション)を劇的に低減 することに成功しました。ターゲットを遺伝子のコーディング領域とした場合にはドナーベクターの挿入による遺伝子破壊株の樹立が可 能であり、様々な細胞種での使用実績もあります。

参考文献

  1. Sawatsubashi S*, Joko Y, Fukumoto S, Matsumoto T, Sugano SS*. Development of versatile non-homologous end joining-based knock-in module for genome editing. Sci Rep. 2018 Jan 12;8(1):593. 特許6956995号

VIKING法のゲノム編集細胞作製実績

VIKING法によるゲノム編集細胞作製の例(FACS結果)

VIKING法のゲノム編集細胞作製実績

接着細胞

  • ヒト肝癌由来HepG2
  • ヒト胎児腎細胞由来HEK293
  • ヒト表皮角化細胞由来HaCaT
  • ヒト前立腺癌由来C4-2
  • マウス頭蓋冠由来MC3T3
  • マウス横紋筋由来C2C12
  • マウスシュワン細胞由来IMS32
  • ヒト大腸癌由来HCT116
  • マウスメラノーマ由来B16F10
  • ヒト子宮頸癌由来HeLa
  • ヒト前立腺癌由来PC3 Luc
  • ラット骨肉腫由来UMR-106
  • ヒト膵臓癌由来Capan-1
  • ハムスター卵巣由来CHO-K1
  • マウス胎児由来NIH3T3
  • ヒト胃癌由来HGC-27
  • ヒト皮膚細胞由来NHDF-c
  • ヒト尿路上皮細胞由来SV-HUC-1
  • ヒト横紋筋由来RD
  • マウス骨髄由来ST2
  • マウス胚由来C3H/10T1/2
  • ヒト肺癌由来A549
  • マウス小腸由来STC-1
  • ヒト絨毛細胞由来HTR-8/SVneo
  • ヒト乳腺癌由来MCF-7
  • ヒト線維肉腫由来HT-1080
  • ヒト膵臓腺癌由来AsPC-1
  • ヒト肺癌由来NCI-H1975

浮遊細胞

  • ヒトTリンパ球由来Jurkat
  • ヒト急性リンパ芽性白血病MOLT-4
  • ヒト急性単球性白血病THP-1
  • ヒトリンパ腫由来U-937
  • ヒト骨髄性白血病HL-60
  • マウス骨髄性白血病C1498

その他

  • 初代表皮由来細胞

リストにない細胞のゲノム編集もご相談下さい。