SNPs(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)

SNPsの定義

  1. SNPsは、ゲノム配列中の特定の位置で、一つの塩基が別の塩基に置換された形の遺伝的変異です。この種の変異が集団内で1%以上の頻度で見られる場合、一塩基多型と呼ばれます。

特徴

  1. 対立遺伝子の多様性: 一つのSNP位置では、通常、置換前と置換後の2種類の対立遺伝子が存在します。
  2. 広範な分布: ヒトゲノムには約30億の塩基対が含まれており、これらのうち1000塩基に1つの割合でSNPsが存在します。

応用

  1. DNAマーカーとしての利用: SNPsは、個体間の遺伝的差異を識別する強力なツールとして機能し、遺伝的背景の解析に利用されます。
  2. 疾患関連遺伝子の特定: SNPsを基にした連鎖解析や関連解析により、特定の疾患に関連する遺伝子を特定する研究が進められています。
  3. 個別化医療: 原因遺伝子が明らかな遺伝性疾患に対して、SNP解析を通じて個人の疾患発症のリスクを評価することが可能です。

研究と医療への影響

  1. 疾患の理解: 特定のSNPsが疾患発症のリスクと関連していることが多く、これにより遺伝病や多因子疾患のメカニズム解明に貢献しています。
  2. 薬剤反応性: 個々のSNPパターンは、薬剤の効果や副作用の差異にも影響を与えるため、薬剤療法の最適化に利用されます。

SHARE