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2026年1月のX紹介精密育種・ゲノム編集論文&ニュース

2026.02.19

X紹介精密育種・ゲノム編集論文&ニュース

株式会社セツロテックのX(旧Twitter)アカウントでは、精密育種やゲノム編集技術に関する論文やニュースを、弊社メンバーが独断と偏見でピックアップしてつぶやいています。弊社の提供するサービスとは直接関係ない情報も含め、幅広くお届けしております。精密育種技術の社会実装を目指す大学発ベンチャーとして、皆さんの新技術への理解増進の一助になれば幸いです。ぜひ、フォローを!ここでは、2026年1月のポストで紹介した内容を再編成して掲載いたします。なお、本記事の内容は、発表された論文やニュースの内容を紹介するものであり、会社としての正式な見解では無く、担当者個人の理解によるものです。

精密育種でペンペン草を「栽培化」する

Creating a new oilseed crop, pennycress, by combining key domestication traits using CRISPR genome editing Gautam et al., Nat Plants. 2026 Jan;12(1):74-87.
トウモロコシと大豆といった2つの夏季作物の間の、オフシーズンの農地で栽培するのにぴったりの作物を開発。耐凍性があり成長サイクルの速い野生ペニークレスを、CRISPR-Cas9システムを使った精密育種で複数の表現型を改変して、新たに「栽培化」した。Natue Plants誌。

CRISPR–Casシステムの阻害剤を人工知能が設計する

De novo design of potent CRISPR–Cas13 inhibitors Taveneau et al., Nat Chem Biol. 2026 Jan 26 (Online ahead of print).
AIを用いて、高精度かつ特異性の高いanti-CRISPRタンパク質(Acr)を迅速に設計。CRISPR–Cas活性を制御できるカスタム阻害剤をde novoに設計する能力は、研究、医療、農業など多様な用途に貢献する。Nature Chemical Biology誌。

ワカメやコンブなどでの簡便で効率的なゲノム編集法

Efficient CRISPR-Cas genome editing in brown algae Martinho et al., Cell Rep Methods. 2026 Jan 26;6(1):101273.
遊走細胞とRNPをPEGのなかで混ぜるだけで、ワカメやコンブなど褐藻類のゲノム編集に成功。専用機器が必要なマイクロインジェクションやパーティクルガンより安価に実施でき、編集効率も高かった。将来の精密育種に活用できるかも。Cell Reports Methods誌。

tRNAを標的とする新たなCRISPRメカニズムの発見

RNA-triggered Cas12a3 cleaves tRNA tails to execute bacterial immunity Dmytrenko et al., Nature. 2026 Jan;649(8099):1312-1321.
tRNAテールを標的とする新たなCRISPRメカニズムの発見。Cas12a3は、外部からの標的RNAを認識すると、自ら(=ホスト側)のtRNAを切断して翻訳を停止させ、侵入者の増殖停止と抗ファージ防御を誘導する免疫システムとして機能している。臨床検査への応用可能性も。Nature誌。

遺伝子全長ノックインヒト化マウスの作製法

A scalable two-step genome editing strategy for generating full-length gene-humanized mice at diverse genomic loci Taguchi et al., Nat Commun. 2026 Jan 14;17(1):356.
遺伝子全長ヒト化マウス(full-length gene-humanized mice)作製法「TECHNO」を開発。マウスES細胞における2ステップのCRISPR-Casゲノム編集で、BACにクローニングされた200kbp超の遺伝子全長配列をノックイン。複数のマウス系統で適用可能。Nature Communications誌。

ノーベル賞受賞者らによるin vivo標的送達のレビュー論文

Targeted delivery of genome editors in vivo Ngo et al., Nat Biotechnol. 2026 Jan;44(1):49-59.
in vivoにおける、ゲノム編集ツールの標的送達メカニズムについてのレビュー論文。特定の組織に特異的に届ける/届け分けることができれば、多様な遺伝性疾患を安全かつ効果的に治療する「魔法の弾丸(magic bullet)」となりうる。Nature Biotechnology誌。

今年はゲノム編集ブタ臓器のヒト異種移植に注目を

From quantum computing to mRNA therapeutics: seven technologies to watch in 2026 Eisenstein, Nature. 2026 Jan;649(8098):1065-1069.
Nature誌の選ぶ2026年の注目技術のひとつに、”Xenotransplantation”が選ばれている。CRISPR-Cas9を用いた精密ゲノム編集技術によって、拒絶反応の原因を排除したブタ臓器のヒト異種移植は、近年様々な臓器で研究開発が進んでいる。