
株式会社セツロテックのX(旧Twitter)アカウントでは、精密育種やゲノム編集技術に関する論文やニュースを、弊社メンバーが独断と偏見でピックアップしてつぶやいています。弊社の提供するサービスとは直接関係ない情報も含め、幅広くお届けしております。精密育種技術の社会実装を目指す大学発ベンチャーとして、皆さんの新技術への理解増進の一助になれば幸いです。ぜひ、フォローを!ここでは、2026年8月のポストで紹介した内容を再編成して掲載いたします。なお、本記事の内容は、発表された論文やニュースの内容を紹介するものであり、会社としての正式な見解では無く、担当者個人の理解によるものです。
Genetic transformation and CRISPR/Cas12a-mediated gene editing of European beech (Fagus sylvatica L.) employing a transient protoplast system, Zahn et al., Commun Biol. 2026 Aug 26;9(1):1145.
DOI:https://doi.org/10.1038/s42003-026-10805-9
ヨーロッパブナをCRISPR-Cas12aで遺伝子編集した報告。幼苗の葉からプロトプラストを単離し、PEGを用いた形質転換法による一過性遺伝子導入とゲノム編集を実証した。プロトプラストの収量と形質転換効率は、季節によって変化するらしい。Communications Biology誌の論文。
A new sustainability paradigm beyond the organic brand, Roberts et al., Trends Plant Sci. 2026 Aug 14:S1360-1385(26)00226-8.
DOI:https://doi.org/10.1016/j.tplants.2026.07.011
農業の持続可能性に対する合成農薬、合成肥料、新しい育種技術(NBTs)の貢献について、有機農法での「オーガニック」というブランドにとらわれず、より客観的に評価することを促す論考。有用な技術が、イデオロギー的に排除されるべきではない。Trends in Plant Science誌。
Enabling sustainable supply of the essential cancer medicines etoposide and teniposide in yeast, Shen et al., Science. 2026 Jul 30;393(6810):aef5438.
DOI:https://doi.org/10.1126/science.aef5438
60以上の遺伝子改変と45種類の異種遺伝子の導入を行うことで、出芽酵母における抗がん剤前駆体の生産に成功。これまで数年かけて育つヒマラヤハッカクレンの根茎から採取していたポドフィロトキシンの生産期間を、3日間の発酵プロセスへ大幅に短縮できた。Science誌の論文。
EU relaxes rules for gene-edited crops, Sheridan, Nat Biotechnol. 2026 Aug;44(8):1245-1246.
DOI:https://doi.org/10.1038/s41587-026-03264-4
EUも、ゲノム編集技術で新たな形質を導入した植物に対する規制を緩和へ。20年にわたる遺伝子組換え作物(GMO)に関する厳しい規制から脱却し、2028年7月から新法が適用される。NGT-1/NGT-2の2つのカテゴリーに分類して管理。Nature Biotechnology誌のニュース記事。
Gene may help lizards get a grip in hurricane-force winds, Leslie, Science. 2026 Jul 28.
DOI:https://doi.org/10.1126/science.zx0hf2l
後肢の足指が短いアノールトカゲは、強風下で木から落ちにくい。カリブ海の島でハリケーンを生き延びた個体集団を対象にゲノム領域を探索。CRISPR-Cas9でhs6st1ノックアウトすると、第4指が約5%短くなり、模擬嵐条件下での掴まりやすさが向上した。Science誌のニュース記事。
Targeted Genetic Knockout of Can f 1, the Major Allergen in Dogs, Walker et al., CRISPR J. 2026 Aug 5:25731599261473124.
DOI:https://doi.org/10.1093/jxb/erag302
アレルゲン性を軽減した双子のビーグル犬「アルフィー」と「ベイリー」の報告。CRISPR-Casゲノム編集と体細胞核移植で、Canf1遺伝子を欠損させた遺伝子改変イヌを作製。この唾液を使った皮膚プリックテストでアレルギー反応は検出されなかった。The CRISPR Journal誌の論文。
Synthetic gRNA-mediated multiplex CRISPR enables the generation of translucent F0 Xenopus laevis for in vivo imaging, Chesneau et al., Sci Rep. 2026 Jul 30 (Online ahead of print).
DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-026-60601-y
in vivoイメージングしやすい「半透明な」アフリカツメガエルを、CRISPR-Casによる複数遺伝子の同時編集で作製。hps6遺伝子などの多重ノックアウト個体では、ユーメラニンと虹色素胞の色素が消失し、光学的な透明度と蛍光の視認性が著しく向上した。Scientific Reports誌。
In vivo genome-wide CRISPR screens of human T cells in solid tumours, Liu et al., Nature. 2026 Aug 12 (Online ahead of print).
DOI:https://doi.org/10.1038/s41586-026-10906-9
GNASとP2RY8の2遺伝子を除去すると、固形がんにおけるCAR-T治療効果が大きく向上するという報告。担癌マウスを用いたin vivo CRISPRスクリーニングを可能にするために、腫瘍細胞を遺伝子改変し抗CD3 scFvを発現させ、多くのT細胞を回収できるようにした。Nature誌の論文。