ゲノム編集プラットフォーム概要

あらゆる企業がゲノム編集商材を開発し事業化できる環境(プラットフォーム)をご提供します。

ゲノム編集プラットフォーム

ゲノム編集技術は、2012年に米国の研究者らが飛躍的な発明をした遺伝子改変技術です。CRISPR/Cas9システムにより、分子生物学に精通した研究者であれば、比較的簡易に遺伝子の欠損、遺伝子の差し替え、追加ができるようになりました。このゲノム編集技術を、当社では「生き物の多様な能力を引き出す」技術であると捉えています。家畜や人々の暮らしを豊かにする動物の能力を引き出します。例えば、生産性の高いブタ、美味しい牛肉、病気になりにくいペットなどの開発ができるかもしれません。

当社のゲノム編集技術は、3つのキーテクノロジーに支えられています。一つは高効率ゲノム編集技術。当初、ゲノム編集技術は培養細胞という実験材料で確認されました。その後、2015年に徳島大学の竹本(当社創業者・現代表取締役会長兼CTO)らが受精卵エレクトロポレーション法を発明しました。従来のマイクロインジェクション法よりも短時間で多数の受精卵に安定的にゲノム編集できるようになりました。また、徳島大学の沢津橋(当社創業者・現取締役兼CSO)らは、培養細胞で安定的にゲノム編集できるVIKING法を発明しました。これら、受精卵と培養細胞における高効率ゲノム編集技術が当社の基本技術の一つです。

二つ目に「ゲノム編集ツール」にも特徴があります。一般に、ゲノム編集というと、基礎研究の現場ではCRISPR/Cas9が利用されます。ゲノム編集の切れ味がよく、利便性に優れ、営利活動でない限りは特許権の問題も生じにくいです。しかし、畜産動物などで産業利用しようと考えると、特許権の問題が生じ、利用できなくなってしまいます。そこで、当社ではゲノム編集技術の産業利用を目指し、いち早く着手し、Cas9に頼らないゲノム編集ツールが確保されています。

三つ目に生殖工学のノウハウ及び知財です。ゲノム編集を実施する前後には、受精卵の取り扱いに関する高度な技術が必要です。健康な受精卵を効率的に採取し、ゲノム編集し、胚培養して胚移植を施します。これらの受精卵取り扱い技術を生殖工学と呼び、ゲノム編集動物を作成するための重要な技術です。

これらの技術は、獣医師、胚培養士、分子生物学研究者、動物管理技術員の専門チームにより対応できます。また、ゲノム編集を活用した産業はまだ社会に定着しているとはいえず、事業開発としても難易度が高く、専門の事業開発責任者が取り組むべきと考えています。

これら、専門家チームを、ゲノム編集産業に参入したいと考える企業様にご提供するのが、ゲノム編集プラットフォームサービスです。顧客企業様に於かれましては、ゲノム編集の技術開発や検証、知財の交渉をすることなく、ゲノム編集産業に参入し、生き物に隠された力を引き出して商品開発する機会をご提供いたします。

本開発の事業内容スケジュール

本開発の事業内容スケジュール

当社のプラットフォームサービスでは、事業計画の策定から商品開発、
大量生産までの各段階を承ります。

番号 タイトル 詳細 期間
1 ゲノム編集ビジネス計画策定
複数回の綿密な打ち合わせを実施
 ・顧客ニーズ ・ゲノム編集による問題解決の検討
 ・予算の精査 ・ビジネスモデル ・開発体制の検証

ゲノム編集を活用した商品開発は、まだ一般的ではありません。そこで、本技術を活用した事業を展開するにあたり、顧客の既存事業やニーズをお聞きし、ゲノム編集技術による課題解決案をお伝えします。そして、商品開発コストが市場規模に対して相応か、厳重な検証をしなければなりません。当社では様々な開発経験を有し、最短ルートでゲノム編集新品種を確立する方法を考案し、商品開発コストを明確にお示しします。

~12ヶ月
2 ① 生殖工学の検討
② ゲノム編集条件の検討
③ 対象遺伝子の検討

事業計画を策定し、顧客企業の審査を通れば、いよいよ開発に着手します。2-1生殖工学、2-2ゲノム編集条件、2-3対象遺伝子選定は同時並行的に進めていきます。生殖工学は、対象とする動物種ごとに調整が必要です。受精卵の取得方法や胚培養の最適化を行います。また、ゲノム編集条件も受精卵の特徴に合わせ微調整が必要です。対象遺伝子は顧客との議論からニーズがあると認められる遺伝形質に関し、実装可能な遺伝子を選定します。畜産動物の遺伝子機能は不明なことが多いので、より多くの基礎研究の積み上げがあるマウスなどの実験動物の事例を参照して検討を行います。

~12ヶ月
3 F0世代の作出
対象遺伝子を確定し、ゲノム編集因子によりゲノム編集F0世代を作出します

条件検討で実施条件が確定したら、実際にゲノム編集動物を作出します。作出された最初の世代をF0世代と言います。

~10ヶ月
4 変異体の形質の検証
安全性・栄養学的評価

作出された動物の形質に関し、予測される形質に関する検証と、食品であれば安全性・栄養学的な評価を検証します。

~3ヶ月
5 F1世代の作出
遺伝的多様性の維持とオフターゲティング効果をバランスするため複数の系統を掛け合わせる

遺伝的な多様性を維持するため、複数のF0世代を準備し、掛け合わせによりF1世代を作出します。

~12ヶ月
6 農林水産省・厚生労働省など関係省庁の手続き
ガイドラインに従い手続きを完了させる

関係省庁のガイドラインに従い、申請手続きを行います。

~3ヶ月
7 大量生産

商業ベースに乗せるため、大量生産に着手します。

~12ヶ月

ゲノム編集プラットフォームサービスの将来展開

新品種確立後の事業展開

ゲノム編集プラットフォームサービスの将来展開

様々な動物に対応したゲノム編集品種を提供します

主に二つの事業モデルを想定しています。

ケース1)
顧客企業が製造販売を行う場合:当社にゲノム編集プラットフォームサービスをご発注いただく顧客企業において、新品種を維持し、商業開発を進めるケースです。顧客企業側の意思により商品開発を進めることができます。ゲノム編集動物の頭数を管理し、当社に対しロイヤリティをお支払いいただきます。
ケース2)
当社と合弁会社を設立する場合:当社と顧客企業の共同出資会社を設立し、両社から経営人材を指名して経営をしていきます。ゲノム編集商材の事業開発ノウハウを共有し、いち早く事業化できるように取り組みます。当初はゲノム編集商材の事業化には想定外の課題が発生する可能性もあり、ケース2をデフォルトの提案として当社としてはお勧めしております。

参考文献

  1. Hashimoto, M. and Takemoto, T*. Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing. Sci. Rep. 5, 11315; doi: 10.1038/srep11315 (2015).
  2. Hashimoto M, Yamashita Y, Takemoto T*.Electroporation of Cas9 protein/sgRNA into early pronuclear zygotes generates non-mosaic mutants in the mouse. Dev. Biol. 418: 1-9 (2016).
  3. Tanihara F, Takemoto T*, Kitagawa E, Rao S, Do L, Onishi A, Yamashita Y, Kosugi C, Suzuki H, Sembon S, Suzuki S, Nakai M, Hashimoto M, Yasue A, Matsuhisa M, Noji N, Fujimura T, Fuchimoto Di, Otoi T*. Somatic cell reprogramming-free generation of genetically modified pigs. Science Advances. 2 (9) e1600803 (2016).
  4. Sawatsubashi S*, Joko Y, Fukumoto S, Matsumoto T, Sugano SS*. Development of versatile non-homologous end joining-based knock-in module for genome editing. Sci Rep. 2018 Jan 12;8(1):593.