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	<title>ゲノム編集技術・産業 | 株式会社セツロテック</title>
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		<title>ゲノム編集魚で水産業界を救う！？ ~海を耕すマダイとトラフグ~</title>
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		<dc:creator><![CDATA[（GH株）衛藤様]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 06 Dec 2021 01:13:13 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>クラウドファンディングの衝撃 2021年9月、大手クラウドファンディング「CAMPFIRE」に登場した1つの挑戦が水産業界を大きく賑わした。その挑戦を行ったのは京都府にある「リージョナルフィッシュ株式会社」。彼らは世界初 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>クラウドファンディングの衝撃</h2>
<p>2021年9月、大手クラウドファンディング「CAMPFIRE」に登場した1つの挑戦が水産業界を大きく賑わした。その挑戦を行ったのは京都府にある「リージョナルフィッシュ株式会社」。彼らは世界初のゲノム編集技術を利用して開発されたマダイ、名付けて「22世紀鯛」を販売すべくクラウドファンディングに名乗りを上げた[1]。目標金額を100万円と設定して9月17日に始まったこのプロジェクトは、わずか14日間で231人の支援者によって合計320万円を超える支援を獲得し、9月30日をもって無事終了となった。</p>
<p>さらに同社は翌10月29日、ゲノム編集技術魚の第二弾として、通常と同じ生育期間で体重が1.9倍に成長する「22世紀ふぐ」のクラウドファンディングを開始した[2]。このプロジェクトも大きな話題を呼び、11月26日現在で380万円を超える支援金額を集めている。­</p>
<p>そこで今回は、日本人が愛して止まない魚食文化に着目し、日本国内の水産業界の課題と「22世紀鯛」「22世紀ふぐ」といったゲノム編集を用いた課題解決について扱っていこう。なお、以前取り上げた「ゲノム編集培養肉」に関する記事[3]も併せてお読みいただくことで、我々の食卓の未来を考えるきっかけを得ていただければ幸いである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>水産業界の現状</h2>
<p>まずは日本の水産業界の現状について知るところから始めてみよう。</p>
<p>水産庁が公開した「令和2年度 水産白書」によれば、2019年度の我が国における国内漁業・養殖業の生産量は420万トン（前年比-5%）であり、これは生産額換算で1兆4918億円(前年比-7%)となった[4]。また、食用魚介類の国内自給率も2019年時点で56%となり、ピークであった1964年度の113%から半減する形となっている。</p>
<p>こうした国内の漁獲生産量の減少に伴い、2019年度の漁船漁業を営む国内の会社経営体の利益は平均725万円の赤字となった。COVID-19やそれに伴う原油価格の高騰なども追い打ちとなっており、経営体の大きくない水産業者を中心に非常に苦しい状況が続いていると言えるだろう。</p>
<p>次に消費の観点から見てみよう。2019年の魚介類の国内消費仕向量は724万トンであった。そのうち568万トン(78%)が食用消費仕向け、156万トン(22%)が飼肥料消費仕向けであり、10年前と比較して192万トン(21%)の減少となっている。</p>
<p>国民一人当たりの食用魚介類の消費量についても、2019年度は一人当たり23.8kgとなり、ピークであった2001年度の40.2kgから大きく減少している。</p>
<p>このように我が国の水産業は生産・消費の両面から衰退傾向にあることが分かるだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>水産業界の課題</h2>
<p>以上に挙げたような我が国の水産業界の低迷は、以下の2つの観点から説明することができる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>①人間の生産活動の変化</h3>
<p>日本列島は周囲を海洋で囲まれた海洋国家である。また山脈が多いために大量の雨によって河川が多く形成されており、魚を捕りやすい環境にある。縄文時代には既に魚食が行われていたとも言われており、昔から日本人の食文化は魚とともに発達してきた。</p>
<p>しかし、時代が進むにつれて外国の食文化が流行し、日常生活の中で魚を食べる機会は減ってしまった。実際、FAO（国際連合食糧農業機関）の調査によれば、2005年には日本人は一人あたりの魚介類の消費量が世界第一位であったが、2013年には第七位にまで低下したという[5]。</p>
<p>さらには近年、東南アジアの海洋諸国をはじめとして世界中の国々から安価な水産物が輸入されるようになった。水産物消費量に対する輸入品の割合は年々増加しており、国内のスーパーマーケットの鮮魚・水産加工品コーナーを見ても、今やその多くに外国産であることを示すラベルが貼られている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>②海洋環境の変化</h3>
<p>しかし、水産業界における生産量・消費量の減少は、単に我々の食の嗜好や生産活動の変化だけで語ることはできない。水産業に関わる海洋環境には目を背けることができない様々な問題がある。</p>
<p>一般に水産資源は水温、海流、餌量等などの海洋環境の影響を強く受ける。近年問題となっている海洋環境の変化といえば、以下の図に示すような主に海水温の上昇が挙げられる(図1)。</p>
<div class="center" style="margin-top:40px;display: inline-block;width: 100%;">図1：海面水温の長期変化傾向（全球平均）[6]<br />
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</div>
<p>このグラフは、1891-2010年の30年間の海水温の平均値である18.2℃を平年値として、1890-2020年の海水温について平年値からの差を示したものである。これを見ると分かるように、年平均海面水温は一貫して上昇傾向にある。特に2020年の年平均海面水温の平年差は+0.31℃と、統計を開始した1891年以降で３番目に高い値となった。</p>
<p>こうした海面水温の上昇を中心とする海洋環境の変化は、個体数の減少や回遊魚の回帰率の低下など海の生態系に様々な影響を与えている。日本周辺でも、ブリやサワラの分布域が北上して北海道における漁獲量が増加したり、九州沿岸で磯焼けが拡大したことでイセエビやアワビ等の磯根資源が減少するといった現象が観測されている[4]。さらに、サンマやスルメイカなど、近年不漁の続く魚介類の中には著しく価格高騰を続けているものもあり、こうした要因は食卓の魚離れをますます加速させている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>以上のように、人間の生産活動と海洋環境という2つの互いに影響を与え合う因子によって我が国の水産業界は厳しい状況に陥っている。このままでは、ユネスコ無形文化遺産にも登録された和食を支える魚食文化の存続が危ういだろう。</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
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</div>
<p>&nbsp;</p>
<h2>養殖業への注目</h2>
<p>こうした問題の対策の一つとして、近年、水産業界では養殖業への注目が高まっている。養殖業は海洋資源を維持しながら水産物の需要を満たすことができるだけではなく、季節によらず一定の質の魚介類を生産できたり、需要に合わせた生産量管理ができたりと様々なメリットがあるため、水産業の課題解決に寄与する漁業法として大きく期待されている。</p>
<p>以下は水産庁が2017年に発表した国内の漁業形態別の生産量の推移を表した図である（図2）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="center" style="margin-top:40px;display: inline-block;width: 100%;">
図2：漁業・養殖業の生産量の推移[7]<br />
<img decoding="async" class="center size-full wp-image-4753" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429.gif" alt="" width="567" height="329" />
</div>
<p>このグラフから、生産量のうち養殖業の占める割合は年々増加していることが分かるだろう。しかし、これは全体の生産量が減少していることが背景にある。そのため、我々は単に養殖業を推進するだけではなく、どのようにして環境を維持しながら効率の良い魚介類の生産を実現するかを考えなくてはならないだろう。そこで、ここからはこの課題を解決する方法としてゲノム編集を用いた養殖業の取り組みに注目していくことにしよう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>ゲノム編集技術が生み出す「ゲノム編集技術応用食品」とは？</h2>
<p>まずはゲノム編集技術とは何か説明しよう。ゲノム編集技術とは、生物を構成する遺伝情報であるゲノムを人為的に編集して生物に従来とは異なる形質を獲得させる技術である。ゲノム編集技術は1996年に第一世代のZFNが発表され、その後2010年には第二世代のTALEN、2012年には第三世代のCRISPR/Cas9が発表された。CRISPR/Cas9は現在主流となっており、2020年には考案者のEmmanuelle Charpentier氏とJennifer A. Doudna氏らがノーベル化学賞を受賞したことでも知られている。(CRISPR/Cas9についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[8])。</p>
<p>そしてゲノム編集技術応用食品は、その名の通りゲノム編集技術を用いて生み出された食品である。ゲノム編集技術応用食品は、ゲノムの特定の遺伝子をノックダウンさせて発現を低下させて生み出されるため、遺伝子組換え食品のように外来から遺伝子を挿入することがない。ゲノム編集技術応用食品において生じた遺伝子変異は、自然界で確率的に発生しうる変異と比較しても判断が困難なレベルであると考えられている。そのためゲノム編集技術応用食品の販売にあたっては、一部を除いて厚生労働省へ届け出るのみでよいという取り決めになっている(図3)。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="center" style="margin-top:40px;display: inline-block;width: 100%;">
図3：ゲノム編集技術応用食品の届出制度に関するフロー図 [9]<br />
<img decoding="async" class="center size-full wp-image-4754" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf.png" alt="" width="1299" height="531" srcset="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf.png 1299w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf-300x123.png 300w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf-1024x419.png 1024w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf-768x314.png 768w" sizes="(max-width: 1299px) 100vw, 1299px" />
</div>
<p>&nbsp;</p>
<p>このゲノム編集技術応用食品の第一号となったのは、筑波大学発のベンチャー企業「サナテックシード」が開発したゲノム編集トマト「シシリアンルージュハイギャバ」だ。シシリアンルージュハイギャバは血圧上昇を抑える効果のある「GABA」が一般的なトマトよりも豊富に含まれており、今年の10月からは一般向けに菜園用苗の販売が開始されている。</p>
<p>そしてゲノム編集技術応用食品の第二号、第三号、それが今回紹介する「22世紀鯛」と「22世紀ふぐ」である。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>「22世紀鯛」とは？</h2>
<p>22世紀鯛は、一般的な品種よりも少ない飼料で可食部を増量させたマダイだ。開発したのは京都大学と近畿大学が協同して立ち上げた「リージョナルフィッシュ株式会社」である。彼らは「欠失型ゲノム編集」と呼ばれるCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術の１種を開発し、それを「ナノジーン育種」と名付けた。ナノジーン育種は、従来の食品開発のメジャーな品種改良の手法よりもずっと早く、安全に品種改良ができる手法であると説明されている[1]。</p>
<p>そして彼らはナノジーン育種により、マダイの受精卵において「ミオスタチン遺伝子」を欠失させることで22世紀鯛を生み出した。ミオスタチン遺伝子は筋肉の増殖を抑制する遺伝子であるため、これを欠失させることでマダイの筋肉の増殖が促進するという理屈である。その結果、22世紀鯛は可食部の筋肉の量を平均で1.2倍（最大で1.6倍）に増量することに成功した。さらに、飼料利用効率も14％改善しており、まさに環境にも生産者の経済的にも優しい食品であると言えるだろう[10]。</p>
<p>そして冒頭にも紹介したように、リージョナルフィッシュ株式会社は今年の9月17日に22世紀鯛のクラウドファンディングを開始し、わずか二週間で231人の支援者から合計300万円を超える支援を集めた。</p>
<p>この支援者の一人であるセツロテック代表取締役社長の竹澤氏に22世紀鯛を試食した感想を伺ったところ、「22世紀鯛は普通の鯛よりも筋肉のモチモチ感があり、昆布締めはかめばかむほど昆布の旨味が滲み出てきました。鯛しゃぶにすると、タラのような分厚い身から鯛の旨味をより噛み締めることができ、普通の鯛しゃぶはでは味わえない満足感を得られました。」というポジティブな感想を得ることができた。22世紀鯛は世界初のゲノム編集動物食品としてこの上ないスタートを切ったと言えるだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="center" style="margin-top:40px;display: inline-block;width: 100%;">
<img loading="lazy" decoding="async" class="center size-full wp-image-4755" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269.jpg" alt="" width="680" height="513" srcset="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269.jpg 680w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/12/1efad1b5aa917a846fa5b3fc11367269-300x226.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 680px) 100vw, 680px" /><br />
(竹澤氏のFacebook投稿から引用。写真左側が普通の鯛の昆布締めで右側が22世紀鯛の昆布締め)</div>
<p>&nbsp;</p>
<h2>「22世紀ふぐ」とは？</h2>
<p>そして22世紀鯛の後を追うように、リージョナルフィッシュ株式会社はゲノム編集動物食品第二弾として「22世紀ふぐ」を発表した。彼らは22世紀鯛と同様に、ナノジーン育種の技術を用いて「レプチン遺伝子」の欠失したトラフグを生み出した。レプチンは食欲を抑えるホルモンであり、レプチン遺伝子が不活性化した22世紀ふぐは一般的なトラフグの1.9倍の早さで成長するトラフグとなった。さらに、成長速度が速まったことで飼料の利用効率が42%も改善し、より少ない飼料で地球に優しい生育が可能となった。この22世紀ふぐのクラウドファンディングも11月26日現在で目標金額の１００万円を大きく上回る380万円以上の支援を集めている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>ゲノム編集技術による水産業界の未来</h2>
<p>今回は水産業界の現状と課題、そして２つのゲノム編集魚である「22世紀鯛」「22世紀ふぐ」について紹介した。この2つは現時点ではいずれも一般販売には至っていないが、地球環境に優しく味も良いゲノム編集魚が日本の食卓に並ぶ日はそう遠くないはずだ。コスト面などいくつか課題が残っているものの、これらの問題を乗り越えた先には水産業界の明るい未来が待っているに違いない。我々も食料問題や環境問題の当事者として今後もゲノム編集技術応用食品の動向に注目し続けたい。</p>
<p>（文責：柴田潤一郎）</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2><strong>参照</strong></h2>
<p>[1] <a href="https://camp-fire.jp/projects/view/400934">CAMPFIRE「世界初！ゲノム編集技術を利用して開発された「22世紀鯛」を多くの人に届けたい！」</a></p>
<p>[2] <a href="https://camp-fire.jp/projects/view/512578?list=popular">CAMPFIRE「ゲノム編集によって生まれた地球にやさしい「22世紀ふぐ」を多くの人に届けたい！」</a></p>
<p>[3] <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210830/">柴田潤一郎 「培養肉が世界を変える！？ -ゲノム編集と食肉の未来に迫る」</a></p>
<p>[4] <a href="https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R2/210604.html">水産庁「令和2年度 水産白書 全文」</a></p>
<p>[5] <a href="https://www.fao.org/fishery/statistics/global-consumption/en">FAO. “Consumption of Fish and Fishery products.”</a></p>
<p>[6] <a href="https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/shindan/a_1/glb_warm/glb_warm.html">国土交通省気象庁「海面水温の長期変化傾向（全球平均）」</a></p>
<p>[7] <a href="https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/t1_2_2_1.html">水産庁「平成29年度 水産白書 （1）漁業・養殖業の国内生産の動向」</a></p>
<p>[8] <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/">柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p>[9] <a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/bio/genomed/index_00012.html">厚生労働省　「ゲノム編集技術応用食品を適切に理解するための6つのポイント」</a></p>
<p>[10] <a href="https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00110/101400100/">日経ビジネス. 「320万円集めた「ゲノム編集マダイ」とは？　仕掛け人が語る野望」</a></p>
<p><a class="a2a_button_facebook" href="https://www.addtoany.com/add_to/facebook?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211206%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%AD%9A%E3%81%A7%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%80%95%E3%81%99%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%B0~" title="Facebook" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_twitter" href="https://www.addtoany.com/add_to/twitter?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211206%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%AD%9A%E3%81%A7%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%80%95%E3%81%99%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%B0~" title="Twitter" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_line" href="https://www.addtoany.com/add_to/line?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211206%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%AD%9A%E3%81%A7%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%80%95%E3%81%99%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%B0~" title="Line" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_hatena" href="https://www.addtoany.com/add_to/hatena?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211206%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%AD%9A%E3%81%A7%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%80%95%E3%81%99%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%B0~" title="Hatena" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_linkedin" href="https://www.addtoany.com/add_to/linkedin?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211206%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%AD%9A%E3%81%A7%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%80%95%E3%81%99%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%B0~" title="LinkedIn" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_dd addtoany_share_save addtoany_share" href="https://www.addtoany.com/share#url=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211206%2F&#038;title=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%AD%9A%E3%81%A7%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%80%95%E3%81%99%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%B0~" data-a2a-url="https://www.setsurotech.com/media/crispr-211206/" data-a2a-title="ゲノム編集魚で水産業界を救う！？ ~海を耕すマダイとトラフグ~"></a></p>The post <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-211206/">ゲノム編集魚で水産業界を救う！？ ~海を耕すマダイとトラフグ~</a> first appeared on <a href="https://www.setsurotech.com">株式会社セツロテック</a>.]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>CRISPR/Cas9で糖尿病に立ち向かう！？ ~ゲノム編集技術を用いたCommon diseasesの研究-②~</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-211108/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[（GH株）衛藤様]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 08 Nov 2021 08:18:04 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.setsurotech.com/?post_type=media&#038;p=4641</guid>

					<description><![CDATA[<p>コロナ禍における生活習慣の変化 2019年に中国武漢で感染拡大が発覚し、瞬く間に世界中に広がったCOVID-19。これにより、我々の生活はそれ以前と全く違ったものに変わってしまった。街ゆく人々は皆マスクを付け、ありとあら [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>コロナ禍における生活習慣の変化</h2>
<p>2019年に中国武漢で感染拡大が発覚し、瞬く間に世界中に広がったCOVID-19。これにより、我々の生活はそれ以前と全く違ったものに変わってしまった。街ゆく人々は皆マスクを付け、ありとあらゆる場所で飛沫対策のセパレートや消毒が設置されるようになった。特に飲食店においては、緊急事態宣言の発令に伴って営業休止や時間短縮、酒類提供の停止などのさまざまな措置が執られ、大人数での食事会や仕事終わりの居酒屋での飲み会は街からすっかり姿を消してしまった。これを読んでいる方々も、家の外でお酒を飲む機会は激減した方がほとんどだろう。</p>
<p>しかし、その一方で、自宅で過ごす時間が増えたことで飲酒量が増加した方も多いのではないだろうか。今年の4月にキリンホールディングス株式会社が発表したアンケート[1]によれば、コロナ禍になりほとんどの人が自宅外での飲酒機会は減ったにも関わらず、トータルの飲酒量では6割ほどの人は以前と変わらず、3割ほどの人に至っては逆に増えたと回答したという。これには、自宅生活が長引いたことによって自宅での飲酒量が増えたり、テレワークにより仕事とプライベートの区別がつきにくくなってストレスの解消先を飲酒に向けてしまったりと様々な理由が考えられるだろう。こうしたトータルの飲酒量の増加は、コロナ禍の影響が多方面かつ長期的に現れていることがよく分かる一例だ。</p>
<p>そのほかにもオンライン化に伴って通勤・通学がなくなったことで運動時間や日光を浴びる時間が短くなったり、一人暮らしの方はコンビニ食が増えたりと、コロナ禍で生活習慣が乱れる要因はたくさんあっただろう。（もちろんコロナ禍で逆に生活習慣が改善するように作用したポイントもあるので一概に悪いとは言えないが）。</p>
<p>そして、こうした生活習慣の乱れは、前回の著者の記事[2] でも触れたように肥満症や糖尿病などの生活習慣病と呼ばれる疾患の原因となり得る。例えば、多量の飲酒は糖尿病のリスクを増加すると言われている[3]。アルコールを摂取すると、アルコールそのもの作用やアルコールの代謝によって血糖値は変化する。適度な飲酒は糖尿病の発症を抑制する一方で、多量の飲酒は糖尿病の発症を促進する可能性があるといくつかの臨床試験で報告されている[4-5]。</p>
<p>そこで今回は前回の肥満症に引き続き、頻度が高くかつゲノム編集技術による治療が検討されている糖尿病を扱っていく。2つの記事を通して我々の健康で文化的な生活を維持するためのヒントを得ていただければ幸いである。</p>
<h2>糖尿病とその疫学</h2>
<p>そもそも糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用不足によって高血糖が慢性的に続く病気のことである[6]。血糖値とは主に血中のグルコース濃度のことを指す。血糖値を調節するインスリンは、通常血糖値の上昇に伴い膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌され、細胞膜のインスリン受容体に結合することで肝臓や脂肪細胞、骨格筋細胞へのグルコースの取り込みを促進する[7]。</p>
<p>糖尿病によって血糖値が上昇すると血管障害が生じる。微小な血管障害では網膜症、腎障害、神経障害の三大合併症、中血管や大血管障害では心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などのさまざまな合併症を発症することが知られている[8]。</p>
<p>糖尿病の診断はやや複雑であり、日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド2020-2021」では以下のような糖尿病フローでは提唱されている [9]。</p>
<p>〜糖尿病の診断〜</p>
<p>まず、以下の4つの値を計測する。</p>
<p><strong>①ヘモグロビンA1c(HbA1c)</strong></p>
<p>ヘモグロビンを構成するβ鎖のＮ末端にグルコースが結合したタンパク質のことであり、過去1～2ヵ月間の平均の血糖状態を示すとされている。</p>
<p><strong>②早朝空腹時血糖値</strong></p>
<p>8時間以上の絶食後である早朝に採血した際の血糖値である。</p>
<p><strong③75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)</strong></p>
<p>これは75gのブドウ糖を経口で摂取し、その2時間後に測定した血糖値である。</p>
<p><strong>④随時血糖値</strong></p>
<p>これは食事時間によらず採血した際の血糖値である。</p>
<p>そして、このそれぞれの値について、</p>
<p>(1)早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上</p>
<p>(2)75gOGTTが200mg/dL以上</p>
<p>(3)随時血糖値が200mg/dL以上</p>
<p>(4) HbA1cが6.5%以上</p>
<p>の4つの基準があり、まずこのうち1つでも満たせば糖尿病型と診断される。そして以下のフローにより糖尿病が診断される(図1)。なお、初回検査で糖尿病型であって糖尿病の診断に至らなかった場合に別日での2回目の検査を行う。</p>
<div style="text-align:center;">
<strong>(</strong><strong>図1)糖尿病診断の流れ（糖尿病治療ガイド2016-2017より作成）</strong><br />
<img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/11/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429.png" alt="糖尿病診断の流れ（糖尿病治療ガイド2016-2017より作成）" width="100%" class="aligncenter size-full wp-image-4643"  style="margin:20px auto;" srcset="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/11/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429.png 1299w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/11/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429-300x149.png 300w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/11/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429-1024x510.png 1024w, https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/11/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429-768x383.png 768w" sizes="(max-width: 1299px) 100vw, 1299px" />
</div>
<p>また、糖尿病は病態生理によって主に次の3つのサブタイプに分けることが出来る。</p>
<p><strong>①</strong><strong>1</strong><strong>型糖尿病</strong></p>
<p>遺伝的素因によりβ細胞に対する自己抗体が作られてβ細胞が破壊された結果、インスリンの産生が低下するタイプ。生活習慣の改善によって病態が改善するわけではなく、多くは若年発症であり、患者は早期からインスリンの自己注射を必要とする。</p>
<p><strong> </strong></p>
<p><strong>②</strong><strong>2</strong><strong>型糖尿病</strong></p>
<p>遺伝的素因だけではなく、環境的素因としての生活習慣の悪化を原因とする糖尿病。インスリン抵抗性（インスリンの効き目が悪くなる）によりインスリンが相対的に不足したり、その結果膵臓のβ細胞が分泌能を失ったりする。このタイプが最も多い。</p>
<p><strong>③</strong><strong>妊娠中の糖尿病</strong></p>
<p>妊娠中はインスリンの分泌および抵抗性によって血糖値が上昇しやすいといわれている。そのため、糖代謝異常を引き起こしやすく、発症及び診断に至ったタイミングなどによって「妊娠糖尿病」、「妊娠中の明らかな糖尿病」、「糖尿病合併妊娠」の3つに分類されている[10]。</p>
<p>そして厚生労働省が実施した令和元年国民健康・栄養調査[11]による糖尿病が強く疑われる人口の割合は次のようになった（表1）。</p>
<p><strong>（表1）令和元年における日本の成人の糖尿病が強く疑われる人口の割合 (%)</strong></p>
<div class="qatablescroll">
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tbody>
<tr>
<th width="10%"><strong> </strong></th>
<th width="12%"><strong>20-29</strong><strong>歳</strong></th>
<th width="12%"><strong>30-39</strong><strong>歳</strong></th>
<th width="12%"><strong>40-49</strong><strong>歳</strong></th>
<th width="12%"><strong>50-59</strong><strong>歳</strong></th>
<th width="12%"><strong>60-69</strong><strong>歳</strong></th>
<th width="14%"><strong>70</strong><strong>歳以上</strong></th>
<th width="13%"><strong>全年代</strong></th>
</tr>
<tr>
<td width="10%"><strong>男性</strong></td>
<td width="12%">0</td>
<td width="12%">1.6</td>
<td width="12%">6.1</td>
<td width="12%">17.8</td>
<td width="12%">25.3</td>
<td width="14%">26.4</td>
<td width="13%">19.7</td>
</tr>
<tr>
<td width="10%"><strong>女性</strong></td>
<td width="12%">0</td>
<td width="12%">2.6</td>
<td width="12%">2.8</td>
<td width="12%">5.9</td>
<td width="12%">10.7</td>
<td width="14%">19.6</td>
<td width="13%">10.8</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<p>前回紹介した肥満症よりも割合こそ低いものの、高齢男性では4人に1人、高齢女性でも5,6人に1人は糖尿病が強く疑われており、日本全体で見れば相当な数の患者がいることが予想される。</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
<a href="/genome-editing/mouse/" class="pc_only"><img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/03/mouse720x90.png"></a>
<a href="/genome-editing/mouse/" class="sp_only"><img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/03/mouse480x400.png"></a>
</div>
<h2>現状の糖尿病の治療</h2>
<p>糖尿病の治療と聞くと何を思い浮かべるだろうか？ おそらくインスリンの自己注射や人工透析と答える方が多いだろう。これを読んでいる方やそのご家族にもインスリンの自己注射をされている方がいたり、住む街の近くに透析クリニックがあったりすると、このように考えるのも自然だろう。</p>
<p>しかし、肥満症と同様に、実際の糖尿病の治療はかなり複雑で、多くの問題点を抱えている。ここでは主に罹患者の多い2型糖尿病に注目して見ていこう。</p>
<p>まず、2型糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法である。患者は糖尿病の原因となり得る不適切な食生活を正し、運動療法により過剰なエネルギーを消費したり、筋肉の活動量が上げ、インスリンの抵抗性を改善したりすることを目的とする。</p>
<p>これでも改善が見られない患者は、薬物療法を検討する。もっともメジャーなものはインスリン注射である。インスリンは血糖値を下げるホルモンそのものであるが、自己注射をする必要があるために侵襲性が高い。また、次第にインスリンは効き目が悪くなるために投与量が増加していくことが多い。これは長期的に付き合う必要のある糖尿病の治療としては必ずしも良い選択とは限らないだろう。</p>
<p>そこでインスリンがなくとも生命維持には影響しないと考えられる患者には、その他の薬剤を導入する。現状日本で承認されている治療薬には以下のようなものがある。(表2)</p>
<p><strong>（表2）主な糖尿病治療薬</strong></p>
<div class="qatablescroll">
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tbody>
<tr>
<th width="23%"><strong>薬剤分類</strong></th>
<th width="19%"><strong>薬剤の例</strong></th>
<th width="42%"><strong>作用機序</strong></th>
<th width="14%"><strong>副作用の例</strong></th>
</tr>
<tr>
<td width="23%"><strong>①インスリン抵抗性改善薬</strong></td>
<td width="19%"></td>
<td width="42%"></td>
<td width="14%"></td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">ビグアナイド系</td>
<td width="19%">Metformin</td>
<td width="42%">ミトコンドリア内膜のmGPDの抑制による肝臓での糖新生とグルカゴンの作用を抑制する。</p>
<p>解糖系や末梢のグルコースの取り込みを促進する。</td>
<td width="14%">Lacticアシドーシス、Vitamin B12欠乏</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">チアゾリジン系</td>
<td width="19%">Pioglitazone, Rosiglitazone</td>
<td width="42%">PPAR-γを活性化してインスリンの感受性やadiponectinの活性を高めてグルコースや脂質の代謝をコントロールする。</td>
<td width="14%">心不全、浮腫</p>
<p>骨折リスク、体重増加</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%"><strong>②インスリン分泌量増加</strong></td>
<td width="19%"></td>
<td width="42%"></td>
<td width="14%"></td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">第1世代 スルホニルウレア系</td>
<td width="19%">Chlorpropamide, Tolbutamide</td>
<td rowspan="3" width="42%">膵臓のβ細胞のK+チャネルを閉じて脱分極させ、カルシウム依存性のインスリン放出を促進する。</td>
<td rowspan="3" width="14%">低血糖</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">第2世代 スルホニルウレア系</td>
<td width="19%">Glipizide, glyburide</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">Meglitinides系</td>
<td width="19%">Nateglinide, Repaglinide</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%"><strong>③グルコース依存性インスリン分泌促進</strong></td>
<td width="19%"></td>
<td width="42%"></td>
<td width="14%"></td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">GLP-1 analog</td>
<td width="19%">Exenatide, liraglutide</td>
<td width="42%">グルカゴンの作用を低減させてグルコース依存性のインスリン放出を誘導する。</td>
<td width="14%">嘔気、膵炎、過度な体重減少</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">DPP-4阻害薬</td>
<td width="19%">Linagliptin, Saxagliptin, Sitagliptin</td>
<td width="42%">GLP-1を抑制するDPP-4を阻害することでグルコース依存性のインスリン放出を誘導する。</td>
<td width="14%">自己免疫疾患・皮膚障害</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%"><strong>④グルコースの吸収量低下</strong></td>
<td width="19%"></td>
<td width="42%"></td>
<td width="14%"></td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">SGLT-2阻害薬</td>
<td width="19%">Canagliflozin, Dapagliflozin, Empagliflozin</td>
<td width="42%">近位尿細管におけるグルコースの再吸収量を減らす。脂肪の燃焼効率を高める。</td>
<td width="14%">脱水、減量、尿路感染症</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">α-glucosidase 阻害薬</td>
<td width="19%">Acarbose, miglitol</td>
<td width="42%">小腸冊子縁の糖質の加水分解とグルコースの吸収を遅延させ、食後の高血糖を抑制する。</td>
<td width="14%">下痢・便秘・腹部膨満</td>
</tr>
<tr>
<td width="23%"><strong>⑥</strong><strong>その他</strong></td>
<td width="19%"></td>
<td width="42%"></td>
<td width="14%"></td>
</tr>
<tr>
<td width="23%">グリミン系</td>
<td width="19%">Imeglimin</td>
<td width="42%">2021年6月に承認された。ミトコンドリアの呼吸鎖複合体に作用し、膵臓のβ細胞の保護作用に加えて、肝臓、筋肉におけるインスリンの作用を増強する。</td>
<td width="14%">臨床試験中</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<p>以上に挙げたように、既に多くの糖尿病治療薬が承認されている。特に今年（2021年）の6月には、これまでの作用機序とは全く異なる新規治療薬（ファーストインクラスと呼ばれる）として期待されるImegliminが新たに承認された[12]。これはこれまでの糖尿病の薬剤よりも、病気の原因となっている部分によりアプローチしようとする薬剤である。近年病態解明が進むにつれてさまざまな疾患の治療薬においてこのような傾向が見られる。今後もこのような薬剤開発が進んでいくだろう。</p>
<p>しかし、このImegliminでさえも、治療効果が乏しい患者は一定数出てくるだろう。糖尿病のメカニズムが完全に理解されているわけではない以上は、開発された薬剤が根治につながるという因果関係までは言うことができないし、薬剤が患者集団の多くに効果が見られることと、どの患者にでも効果が見られるというのは必ずしもイコールではないからだ。そこで今回は、糖尿病の病態解明および治療について行われている研究のうち、ゲノム編集の側面からアプローチしている研究を取り上げていこう。</p>
<h2>ゲノム編集技術について</h2>
<p>まず、簡単にゲノム編集について説明し、中でも現代のゲノム編集の主要技術となっているCIRSPR/Cas9について紹介しよう。ゲノム編集技術とは、生物を構成する細胞の遺伝情報であるゲノムを人為的に編集することで目的の形質や性質を生物に獲得させるというものである。CRISPR/Cas9はその技術の中でも、第三世代のゲノム編集技術と呼ばれ、現在のゲノム編集の中心技術となっている。</p>
<p>CRISPR/Cas9の仕組みは、標的のDNA配列を、tracrRNAと複合させたガイドRNAとcrRNA、さらにCas9と呼ばれるハサミの役割を持つ物質と一緒に導入することで、その配列を特異的に切断し、目的の遺伝子をノックアウトさせたり、DNA切断に伴う修復機構を利用し、逆に外部からドナーDNA を導入することで目的の遺伝子をノックインさせたりすることもできるという技術である。近年では野菜や植物の編集、遺伝子疾患など様々な領域において利用されている。(CRISPR/Cas9についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[13])。</p>
<h2>糖尿病に対するゲノム編集治療の研究</h2>
<p>ここからは主に、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集による糖尿病の研究をいくつか紹介していきたい。</p>
<p>①糖尿病のマウスモデルについて</p>
<p>まずは2018年、Roh氏らによって発表された研究を紹介しよう[14]。彼らによれば、糖尿病の遺伝子座（染色体上の遺伝子が存在する固有の位置）はよく研究が進んでおり、1994年にレプチン(Lep)、1996年にレプチン受容体（Lepr）がそのうちの正体の1つとして同定されていた。レプチンは主に白色脂肪組織（WAT）で産生されるアミノ酸のペプチドであり、体内の各組織にあるレプチン受容体と結合してエネルギーバランスの調節や体重のコントロールに重要な役割を果たしている。また、それだけではなく、脳の視床下部にもレプチン受容体が存在し、この受容体を介して、満腹中枢における食欲のコントロールに寄与している。マウスレベルでは、レプチンおよびその受容体遺伝子の変異によって、早期からの肥満とそれに伴うインスリン抵抗性を伴う高血糖、糖尿病が起こることが報告されている。</p>
<p>そこでRoh氏らは、CRISPR/Cas9によって効率よくレプチンおよびその受容体をノックアウトしたモデルマウスを作成することに成功した。そしてこのマウスを12時間ごとに明暗の逆転する箱の中で昼夜を一定リズムに保ちながら普通の餌を与えて飼育し、血糖値、インスリン濃度などを測定した。</p>
<p>その結果、レプチン遺伝子を欠損させたモデルマウスでは、肥満が顕在化する前に高血糖が観測された。空腹時の血糖値と血中インスリン濃度も上昇し、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRが上昇したマウスの存在も確認された。また、レプチン受容体遺伝子を欠損させたモデルマウスにおいても、HOMA-IR指標の顕著な上昇が検出され、高血糖、著しい耐糖能低下、インスリン抵抗性を伴うことが示された。</p>
<p>この研究は、全身性疾患である糖尿病においても、CRISPR/Cas9がその研究に応用可能であることが示唆された貴重な研究であると言えるだろう。</p>
<p>②ヒト幹細胞由来のβ細胞の作成による糖尿病治療の検討</p>
<p>次はiPS細胞でおなじみのヒト幹細胞をCRISPR/Cas9で編集し、膵臓のβ細胞機能をもった細胞を作成した研究を紹介する。この研究は2020年にMaxwell氏らによってSci Transl Medに公表されたものである[15]。これまで、いくつもの研究で糖尿病患者由来のiPS細胞から膵臓のβ細胞を作成する試みがなされてきた。しかし、いずれも失敗率が高く、また十分な生理機能を持たないことが問題視されてきた。</p>
<p>そこでMaxwell氏らは、糖尿病を起こす様々な疾患のうち、<em>WFS1</em>遺伝子という遺伝子の変異によって糖尿病症状を引き起こすWolfram Syndromeという遺伝性疾患に注目した。Wolfram Syndromeは細胞内の小胞体という構造物に慢性的なストレス（小胞体ストレス）を引き起こし、最終的にはβ細胞の死を引き起こすことで小児期から糖尿病を発症させることが知られている。</p>
<p>彼らは、このWS患者の皮膚の線維芽細胞からiPS細胞を作成し、さらにCRISPR/Cas9によって<em>WFS1</em>遺伝子を編集してβ細胞に分化させた。そしてこのβ細胞を糖尿病のモデルマウスに移植した。その結果、このモデルマウスはインスリンの分泌がおこり、平均血糖値が80mg/dLほどまで低下したという。</p>
<p>この研究は、糖尿病を誘発する遺伝子変異をCRISPR/Cas9で修復することで、正常な機能を持つβ細胞を作成し、糖尿病を治療できる可能性を示唆する研究となった。</p>
<p>③複数のDNA配列を対象としたβ細胞のゲノム編集研究</p>
<p>最後に紹介するのは、2021年にBevacqua氏らによってNature communicationsに投稿された研究である[16]。この研究では、ヒト膵臓のβ細胞そのものの遺伝子を編集し、各遺伝子の発現とβ細胞の機能の変化について研究した。彼らはβ細胞のDNA配列のうち、エンハンサー（遺伝子発現を促進する配列部分）をターゲットにしてCRISPR/Cas9による編集を行った。その結果、<em>ABCC8、SIX2、SIX3</em>などの遺伝子の発現が低下し、β細胞のインスリン分泌機能が低下したことがわかった。この研究は、糖尿病の直接的な原因となっている遺伝子部分を編集するのではなく、ほかの遺伝子の発現調節に関与する部分（ノンコーディング領域）を編集することで糖尿病の発症とノンコーディング領域の関与を示唆した画期的な研究として注目されている。</p>
<p>以上、ここまでCRISPR/Cas9による糖尿病の研究をいくつか紹介した。ほかにもCRISPR/Cas9を用いた糖尿病患者のスクリーニング[17]など、ここに紹介した以上にさまざまなアプローチでゲノム編集の利用が検討されている。</p>
<h2>ゲノム編集と糖尿病の未来</h2>
<p>今回は誰もが耳にしたことがある糖尿病をテーマに、基礎的な知識の整理とゲノム編集の応用について紹介した。残念ながら、CRISPR/Cas9による糖尿病治療は研究途中であり、実際の臨床現場ではまだ利用されていない。しかし、すでにバイオファーマ業界で関心を集めており、2018年にはCRISPR Therapeutics社がViaCyte社と契約を結ぶなど、その動きは活発化している[18]。</p>
<p>糖尿病や肥満症などの疾患は、以前紹介したトランスサイレチンアミロイドーシスのような単一遺伝子疾患よりも複雑で治療が困難である[19]。しかし、CRISPR/Cas9のようなツールによって、その研究は確実に進歩している。ゲノム編集技術の応用に期待を抱きながら、今後もこうした研究に注目していきたい。</p>
<p><strong>（文責：柴田潤一郎）　</strong></p>
<h2>参照</h2>
<p>[1] <a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000045047.html">PRTIMES. &#8220;～約3人に1人がコロナ禍でお酒の頻度・量が増加～3人に1人が「お酒は飲めば強くなる」と誤解！飲み会再開に向けての不安、「行きたくない飲み会への参加」「アルハラ」など&#8221;</a></p>
<p>[2] 柴田潤一郎. 「CRISPR/Cas9で肥満症を改善！？  ~ゲノム編集技術を用いたCommon diseasesの研究-①〜」</p>
<p>[3] <a href="https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-013.html">厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールと糖尿病」</a></p>
<p>[4] Kao WH, Puddey IB, Boland LL, Watson RL, Brancati FL. Alcohol consumption and the risk of type 2 diabetes mellitus: atherosclerosis risk in communities study. Am J Epidemiol. 2001;154(8):748-757. doi:10.1093/aje/154.8.748</p>
<p>[5] Baliunas DO, Taylor BJ, Irving H, et al. Alcohol as a risk factor for type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis. Diabetes Care. 2009;32(11):2123-2132. doi:10.2337/dc09-0227</p>
<p>[6] <a href="https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-048.html">厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」</a></p>
<p>[7] <a href="https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560688/">NCBI. “Insulin.”</a></p>
<p>[8] <a href="https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/10-内分泌疾患と代謝性疾患/糖尿病と糖代謝異常症/糖尿病-dm?query=糖尿病">MSDマニュアルプロフェッショナル. 「糖尿病(DM)」</a></p>
<p>[9] 日本糖尿病学会. 「糖尿病治療ガイド2016-2017」</p>
<p>[10] <a href="https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-jsdp.html">国立研究開発法人国立成育医療研究センター. 「妊娠と妊娠糖尿病」</a></p>
<p>[11] 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」</p>
<p>[12] Hallakou-Bozec S, Vial G, Kergoat M, et al. Mechanism of action of Imeglimin: A novel therapeutic agent for type 2 diabetes. Diabetes Obes Metab. 2021;23(3):664-673. doi:10.1111/dom.14277</p>
<p>[13] <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/">柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p>[14] Roh JI, Lee J, Park SU, et al. CRISPR-Cas9-mediated generation of obese and diabetic mouse models. Exp Anim. 2018;67(2):229-237. doi:10.1538/expanim.17-0123</p>
<p>[15] Maxwell KG, Augsornworawat P, Velazco-Cruz L, et al. Gene-edited human stem cell-derived β cells from a patient with monogenic diabetes reverse preexisting diabetes in mice. Sci Transl Med. 2020;12(540):eaax9106. doi:10.1126/scitranslmed.aax9106</p>
<p>[16] Bevacqua RJ, Dai X, Lam JY, et al. CRISPR-based genome editing in primary human pancreatic islet cells. Nat Commun. 2021;12(1):2397. Published 2021 Apr 23. doi:10.1038/s41467-021-22651-w</p>
<p>[17] Yi P, Morrow N. Applying CRISPR Screen in Diabetes Research. Diabetes. 2021;70(9):1962-1969. doi:10.2337/dbi20-0047</p>
<p>[18] <a href="https://www.fiercebiotech.com/research/reversing-diabetes-by-applying-crispr-to-patient-derived-stem-cells">FIERCE Biotech. Reversing diabetes with CRISPR and patient-derived stem cells</a></p>
<p>[19] <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210906/">柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9の静脈注射で夢の難病治療？ ~ゲノム編集医療のこれまでとこれからを考える~」</a></p>
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			</item>
		<item>
		<title>CRISPR/Cas9で肥満症を改善！？ ~ゲノム編集技術を用いたCommon diseasesの研究-①~</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-211006/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 06 Oct 2021 05:13:48 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>進む健康志向 2021年8月11日から15日の4日間、オンラインにて「RTA in Japan Summer 2021」というイベントが開催されたことをご存じだろうか[1]。このイベントは、あらゆるゲームのクリアまでの時 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>進む健康志向</h2>
<p>2021年8月11日から15日の4日間、オンラインにて「RTA in Japan Summer 2021」というイベントが開催されたことをご存じだろうか[1]。このイベントは、あらゆるゲームのクリアまでの時間を競うRTA（リアルタイムアタック）の国内最大規模のイベントであり、４日間でさまざまな人気ゲームタイトルのRTAが配信された。その中でもとりわけ注目を集めたのは、とある20代男性が配信した「リングフィットアドベンチャー」のRTAだろう。</p>
<p>リングフィットアドベンチャーは2019年10月に任天堂よりNintendo Switch向けに発売されたゲーム作品である[2]。その名の通り、リング状のコントローラーを用いてフィットネスを楽しみながらステージを攻略していく。プレイヤーはゲーム中にかかる運動負荷をゲーム内で設定し、軽い運動レベルのものから、アスリート顔負けの運動能力が求められるものまで、さまざまなスタイルでフィットネスを楽しむことができる。</p>
<p>冒頭に触れた男性は、今回のRTAイベントで、なんとこのリングフィットアドベンチャーを28時間連続でプレイし続け、RTA最速クリアの世界記録を樹立した。この配信は非常に大きな注目を集め、8月15日には同時接続者数が18万人となるなど、これまでRTAやリングフィットアドベンチャーそのものの存在すら知らなかった層の認知度も大きく上げる結果となった。</p>
<p>今回のイベントでリングフィットアドベンチャーのRTAがこれだけの注目度を集めたのは、この配信企画自体が面白かったからというのは当然のことだろう。しかし、ここ最近の我々の健康志向も大きな理由の一つと言えるのではないだろうか。</p>
<p>近年、「生活習慣病」という概念が一般にも根付き、大々的に健康的な生活習慣が推奨されるようになった。また、Instagramなどの写真を投稿するSNSが浸透したりしたことなどを理由に、服装だけではなく自分の身体もプロポーションを構成する大切な要素の一つであるという考えが若い世代を中心に広がっている。その結果、年齢や男女問わず、筋トレやランニングをする人は増えている。今後もこうした健康志向は拡大の一途を辿っていくことだろう。<br />
しかし、そんな一方で、2019年に発生したCOVID-19の流行に伴い、自宅で過ごす時間が増えて運動時間が減った方も多いのではないだろうか。これまで通勤・通学や休日の外出が実質的な運動になっていた方にとっては、自粛期間は健康的な生活を侵襲する大きなきっかけになってしまったことだろう。また、人前に出る回数が減って体型などを顧みなくなった結果、生活習慣が乱れ、ひどい場合は生活習慣病にまで至ってしまった方も少なからずいることだろう。その中でも、肥満症や糖尿病、高血圧症などは、生活習慣病の中でも特に頻度の高い、いわゆる”Common diseases”であり、長い間多くの現代人を悩ませている。</p>
<p>そこで今回はこうしたCommon diseasesの中でも、最も身近であり、かつゲノム編集技術による治療が検討されている「肥満症」を扱い、われわれが健康な生活を送り続けるためのヒントを探っていきたい。</p>
<h2>肥満症とその疫学</h2>
<p>「自分のBMIはいくつですか？」<br />
あなたがこの質問をされたとしたら、自分のBMIを答えることは出来るだろうか。また、そもそもBMIとは何かを説明することは出来るだろうか。</p>
<p>BMIとはBody Mass Indexの頭文字を取ったものであり、肥満症や痩せ症の程度の判定の用いられる指数の1つである[3]。BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値として計算され、その人の身長に対する体重がどの程度であるかということを示す。例えば、身長170cm、体重60kgの人であれば、BMIは60÷(1.7×1.7)により、おおよそ21ほどと算出されるというわけだ。</p>
<p>そして日本肥満学会[4]によると、日本の成人ではBMIは男女ともに22.0が標準であり、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMIが25以上のもの」を肥満として定義づけている（表1）。</p>
<div class="imgset">
<div class="center">表1：肥満度分類</div>
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tr>
<th>BMI (kg/m2)</th>
<th>判定</th>
<th>WHO基準</th>
</tr>
<tr>
<td>< 18.5</td>
<td>低体重</td>
<td>Underweight</td>
</tr>
<tr>
<td>18.5 ≤ BMI < 25.0</td>
<td>普通体重</td>
<td>Normal range</td>
</tr>
<tr>
<td>25.0 ≤ BMI < 30.0</td>
<td>肥満（１度）</td>
<td>Pre-obese</td>
</tr>
<tr>
<td>30.0 ≤ BMI < 35.0</td>
<td>肥満（２度）</td>
<td>Obese class I</td>
</tr>
<tr>
<td>35.0 ≤ BMI < 40.0</td>
<td>肥満（３度）</td>
<td>Obese class II</td>
</tr>
<tr>
<td>40.0 ≤ BMI</td>
<td>肥満（４度）</td>
<td>Obese class III</td>
</tr>
</table>
</div>
<p>そして厚生労働省が実施した「令和元年国民健康・栄養調査」[5]によれば、肥満(1度)以上に該当する肥満症の人口は次のようになった（表2）。</p>
<div class="imgset">
<div class="center">表2：令和元年における日本の成人の肥満人口の割合 (%)</div>
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tr>
<th></th>
<th>20-29歳</th>
<th>30-39歳</th>
<th>40-49歳</th>
<th>50-59歳</th>
<th>60-69歳</th>
<th>70歳以上</th>
<th>全年代</th>
</tr>
<tr>
<td>男性</td>
<td>23.1</td>
<td>29.4</td>
<td>39.7</td>
<td>39.2</td>
<td>35.4</td>
<td>28.5</td>
<td>33.0</td>
</tr>
<tr>
<td>女性</td>
<td>8.9</td>
<td>15.0</td>
<td>16.6</td>
<td>20.7</td>
<td>28.1</td>
<td>26.4</td>
<td>22.3</td>
</tr>
</table>
</div>
<p>日本は欧米諸国と比較して肥満症の人口は少ないとされているが、それでも3,4人に1人は肥満症であり、日本全体の人口を考えると、相当な数の肥満症の患者がいることが推定される。</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
<a href="/genome-editing/mouse/" class="pc_only"><img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/03/mouse720x90.png"></a>
<a href="/genome-editing/mouse/" class="sp_only"><img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/03/mouse480x400.png"></a>
</div>
<h2>現状の肥満症治療</h2>
<p>肥満症に対する治療は、肥満になっている原因によって主に内科的治療、栄養療法、運動療法、外科的治療などから構成される。</p>
<p>肥満症になる主な原因は、<br />
①摂食量が多い、<br />
②食事内容が肥満を招きやすいものである、<br />
③栄養を過剰に吸収してしまう、<br />
④エネルギー消費量が少ないために蓄積されるエネルギー量が多い、<br />
⑤ホルモン異常など原因とする他疾患の症状として肥満になる、<br />
⑥疾患の治療の結果として肥満になる、<br />
といったさまざまなものが考えられ、これらは複雑に絡み合っている。</p>
<p>治療としては、①や②の場合、本人の食生活をカウンセリングなどによって改善したり、過食となる原因疾患やストレスを打ち消したりするアプローチが必要となる。③は、消化管が大きかったり、吸収に関わるインスリンホルモンの分泌量が過剰であったりするため、吸収を抑えるような薬物療法や消化管切除などの外科的切除が行われる。④の場合は運動療法が行われることもあるし、⑤の場合は原因疾患となる甲状腺機能低下症などの治療が最優先される。そして⑥の場合は疾患の治療によるベネフィットと肥満症のリスクのバランスを考えて治療のコントロールが求められるだろう。</p>
<p>このように、特定の臓器や機能の異常のみを原因とする疾患よりも病因が複雑である肥満症は、その治療においても多面的で長期的な視点が求められる。さらには本人の治療への意欲が症状改善の大きな鍵となるのだが、肥満であること自体が直接命の危機になるという認識が生まれにくいため、肥満症によって心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが増加するということを深刻に捉えていない人が多い。そのため、治療が頓挫することも珍しくはない。これは肥満症患者がなかなか減らない大きな理由の一つと言えるだろう。</p>
<h2>夢の痩せ薬！？</h2>
<p>確かに肥満症の治療は腰が重い。誰しもできることなら努力をせずに楽に痩せたいと思うだろう。例えば、食後に薬を１錠飲むだけで、過剰に摂取した栄養を体外排出してくれたり、蓄積された脂肪を勝手に燃焼してくれたりと、食事を楽しみながら痩せることができたらこれ以上ことはないはずだ。</p>
<p>このようなニーズのもと、実はすでにいくつかの肥満症の治療薬が研究・開発されている。アメリカでは、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって５種類の肥満症治療薬が承認されており、医療現場で使用されているようだ。これらは今年の6月に世界最大の医学雑誌の１つである<em>JAMA</em>に刊行された<em>Suzan Z. Yanovoski</em>氏らによる論文 <em>”Progress in Pharmacotherapy for Obesity”</em>で以下のように紹介されている[6]（表3）。</p>
<div class="imgset">
<div class="center">表3：2021年までに米国で承認されている肥満症治療薬</div>
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tr>
<th style="min-width: 40px;"></th>
<th>一般名</th>
<th>作用機序</th>
<th style="min-width: 150px;">承認年</th>
<th>副作用</th>
</tr>
<tr>
<td>①</td>
<td>Orlistat</td>
<td>消化管酵素であるリパーゼの作用を抑制する</td>
<td>大人:1999年<br />
                    子供:2003年</td>
<td>腹部膨満感、脂肪便、脂溶性ビタミンの不足など</td>
</tr>
<tr>
<td>②</td>
<td>Phentermine/Topiramate</td>
<td>ノルアドレナリン+GABA作動性受容体の活性化、kainite/AMPAグルタミン酸受容体の阻害</td>
<td>大人のみ：2012年</td>
<td>めまい、眠気、口渇、集中力の低下、腎結石、突然の視力低下など</td>
</tr>
<tr>
<td>③</td>
<td>Naltrexone/Bupropion</td>
<td>オピオイド受容体の阻害、ドパミン/ノルエピネフリン再取り込みの阻害</td>
<td>大人のみ：2014年</td>
<td>めまい、眠気、口渇、集中力の低下、腎結石、吐き気、頭痛など</td>
</tr>
<tr>
<td>④</td>
<td>Liraglutide</td>
<td>GLP1受容体の阻害</td>
<td>大人：2014年<br />
                    12歳以上：2020年</td>
<td>めまい、眠気、口渇、集中力の低下、腎結石、吐き気、頭痛など</td>
</tr>
<tr>
<td>⑤</td>
<td>Semaglutide</td>
<td>GLP1受容体の阻害</td>
<td>大人のみ：2021年</td>
<td>胆嚢関連疾患など</td>
</tr>
</table>
</div>
<p>現時点で以上の５つが肥満症治療薬として米国で承認を受けている訳だが、実は日本では未だ１つも承認をされていない。その理由として、身体依存や精神依存含めた副作用が強いからだろう。痩せ薬は飲むと痩せるという文言だけで非常に魅力的に聞こえてしまうため、ただ痩せるためだけに不適切に使用され、むしろ人体に有害となってしまうことが十二分に考えられる。先ほども述べたように、肥満症の治療は薬物療法だけではなく食事療法や運動療法、原因疾患の治療などを組み合わせて行われるべきであるため、副作用を顧みない痩せ薬への過度な依存は米国でも大きく問題視されている[7]。</p>
<h2>新たな肥満症治療？</h2>
<p>そんな中、薬物療法に代わる新たな肥満症の治療として、近年ゲノム編集技術を用いた治療法の研究が行われているという。ここからはゲノム編集技術による肥満症治療に迫っていきたい。</p>
<p>そもそもゲノム編集技術とは、生物を構成する細胞の遺伝情報であるゲノムを人為的に編集することで目的の形質や性質を生物に獲得させるというものである。その技術の中でも、第三世代のゲノム編集技術と呼ばれるものがCRISPR/Cas9である。CRISPR/Cas9は昨年には考案者の<em>Emmanuelle Charpentier</em>氏と<em>Jennifer A. Doudna</em>氏らがノーベル化学賞を受賞したことでも有名だ。</p>
<p>CRISPR/Cas9は、標的のDNA配列を、tracrRNAと複合させたガイドRNAとcrRNA、さらにCas9と呼ばれるハサミの役割を持つ物質と一緒に導入することで、その配列を特異的に切断する。これにより目的の遺伝子をノックアウトさせたり、DNA切断に伴う修復機構を利用し、逆に外部からドナーDNA を導入することで目的の遺伝子をノックインさせたりすることもできるという技術である。(CRISPR/Cas9についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[8])。</p>
<p>この機構自体はもともとは古細菌の免疫技術として発見されたものだが、従来のゲノム編集技術よりも格段に利用しやすいものとなったため、研究用のゲノム編集マウス、野菜や果物などの植物、人工培養肉、遺伝子疾患への治療などさまざまな領域で応用が進んでいる。こと医療分野においては、今年に入ってCRISR/Cas9を静脈注射する治療の研究結果が発表されるなど、その進歩はとどまるところを知らない[9]。</p>
<h2>肥満症に対するゲノム編集治療の研究</h2>
<p>それではCRISPR/Cas9を用いて肥満症の治療に応用するとはどういうことだろうか？<br />
まず、ゲノム編集を疾病治療に利用するためには、その疾病の遺伝子レベルのメカニズムの理解が必要である。肥満については、なんと現状で既に人体の200以上の遺伝子が肥満症に関連しているということが分かっている[10]。また、肥満症患者は多くの場合で複数の遺伝子がその発症に関連していると言われており、とあるゲノムワイド解析(GWAS)を用いたゲノム解析研究では、<em>FTO, PCSK1, MC4R, CTNNBL1</em>といった４つの遺伝子と肥満の関連が指摘された[11]。このように、肥満症は既に遺伝子レベルで病態を説明しようとするアプローチが行われている。</p>
<p>2015年頃になると、これらの研究をもとにCRISPR/Cas9を利用した細胞レベルの実験が行われ、論文として報告され始めるようになった。例えば、2015年９月に大手医学英文雑誌の<em>NEJM</em>に投稿された<em>Melina Claussnitzer</em>氏らの研究[12]によれば、肥満関連遺伝子の１つである<em>FTO</em>遺伝子の発現経路に<em>IRX3, IRX5</em>遺伝子が関わっており、これらが脂肪細胞において発現すると、主にエネルギー消費に関わるベージュ脂肪細胞から、エネルギー貯蔵に関わる白色脂肪細胞へとエネルギーのシフトが起こり、脂肪が蓄積され体重が増加するということが説明されている。彼らは、実際に20~24歳のヨーロッパ人100人の皮下脂肪細胞を抽出し、<em>IRX3 or IRX5</em>をCRISPR/Cas9を用いてノックアウトする実験を行った。その結果、観察したベージュ脂肪細胞においてエネルギー消費が活性化し、その発生熱量は７倍ほどにもなったことが確認されたという。彼らはこの研究が肥満のメカニズムの解明につながることや、将来ゲノム編集によって遺伝子レベルで肥満症を治せる可能性について言及した。</p>
<p>その後、2018年には、<em>Jae-ill Roh</em>氏らによって脂肪細胞から産生されて強力な飽食シグナル伝達によりエネルギー消費増大をもたらすレプチン、およびそのレプチン受容体を発現する遺伝子をCRISPR/Cas9を用いてノックアウトされたマウスが作成された[13]。実際、このマウスが肥満及び糖尿病の症状を示したことで、生物レベルで遺伝と肥満の関連が確認された（なお、糖尿病については次回の筆者の記事で取り扱いたい）。</p>
<p>そして2020年には、<em>Wang CH</em>氏らによって、肥満マウスのCRISPR/Cas9を用いた減量実験が行われた[14]。彼らは、CRISPR/Cas9によってエネルギー貯蔵に関わるヒト白色前脂肪細胞を編集してミトコンドリア脱共役タンパク質（UCP1）遺伝子を発現させることで、エネルギー消費に関わるヒト褐色様細胞（HUMBLE細胞）を作り、これを肥満マウスに移植するという大胆な実験を行った。その結果、糖尿病の原因ともされる耐糖能とインスリン抵抗性が改善し、エネルギー消費量が増大して痩せるという何ともびっくりするような結果が得られたという。ゲノム編集した細胞の移植により減量が可能であるという事実は、今後の肥満症に対する研究を大きく進歩させていくだろう。</p>
<h2>ゲノム編集技術を肥満症に利用することへの課題</h2>
<p>以上に紹介したように、肥満症に対するゲノム編集技術の適応についての研究はいくつかポジティブな結果が得られているが、<br />
(1) 肥満の原因は複雑な要因が絡み合っていて複雑であること、<br />
(2) 全身性の病態である肥満症を有する人体のどこにどのようにしてどれだけのゲノム編集技術を用いた細胞を移植するべきか未知数であること、<br />
(3) 倫理的な議論が十分になされていないこと、<br />
などの理由から、現時点では未だ人類への適応が積極的になされた事例はない[15]。しかし、今後さらなる研究が進み、多因子疾患である肥満症の構造的な理解が進めば、CRISPR/Cas9を中心とするゲノム編集技術によって簡単に減量できる時代が来るかもしれない。そうなれば副作用の大きい薬剤治療に頼ることもなく、我々の大敵たる肥満症に打ち勝つことができるかもしれないだろう。もちろん、他に解決すべき問題は山積みではあるが、ゲノム編集技術がcommon diseaseに対しても有効かもしれないというこれまでの示唆は、今後も研究の可能性をさらに広げ、我々の生活を豊かにする研究の連鎖を生み出していくだろう。我々は適切な倫理観を身につけてその利益を享受し、健康で文化的な生活を歩んでいける未来がやってくることを願いたい。</p>
<p>(文責：柴田潤一郎)</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="https://rtain.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] RTA in Japan Summer 2021</a></p>
<p><a href="https://www.nintendo.co.jp/ring/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] 任天堂. 「リングフィットアドベンチャー」</a></p>
<p><a href="https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」<br />
</a></p>
<p>[4] 日本肥満学会．肥満症診療ガイドライン2016．ライフサイエンス出版．2016</p>
<p>[5] 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」</p>
<p>[6] Yanovski SZ, Yanovski JA. Progress in Pharmacotherapy for Obesity. JAMA. 2021;326(2):129-130. doi:10.1001/jama.2021.9486</p>
<p><a href="https://www.drugs.com/article/side-effects-weight-loss-drugs.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[7] Side Effects of Weight Loss Drugs (Diet Pills)</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[8] 柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210906/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[9] 柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9の静脈注射で夢の難病治療？ ~ゲノム編集医療のこれまでとこれからを考える~」</a></p>
<p>[10] Gero D, Ribeiro-Parenti L, Arapis K, Marmuse J-P (2017) Sleeve gas- trectomy combined with the Simplified Hill repair in the treatment of morbid obesity and gastro-esophageal reflux disease: preliminary results in 14 patients. World J Surg 41:1035–1039</p>
<p>[11] Sandholt CH, Vestmar MA, Bille DS, et al. Studies of metabolic phenotypic correlates of 15 obesity associated gene variants. PLoS One. 2011;6(9):e23531. doi:10.1371/journal.pone.0023531</p>
<p>[12] Walters BJ, Mercaldo V, Gillon CJ, Yip M, Neve RL, Boyce FM, Frankland PW, Josselyn SA (2017) The role of the RNA demethylase FTO (fat mass and obesity-associated) and mRNA methylation in hippocampal memory formation. Neuropsychopharmacology 42:1502–1510</p>
<p>[13] Roh JI, Lee J, Park SU, et al. CRISPR-Cas9-mediated generation of obese and diabetic mouse models. Exp Anim. 2018;67(2):229-237. doi:10.1538/expanim.17-0123</p>
<p>[14] Wang CH, Lundh M, Fu A, et al. CRISPR-engineered human brown-like adipocytes prevent diet-induced obesity and ameliorate metabolic syndrome in mice. Sci Transl Med. 2020;12(558):eaaz8664. doi:10.1126/scitranslmed.aaz8664</p>
<p>[15] Franco-Tormo MJ, Salas-Crisostomo M, Rocha NB, Budde H, Machado S, Murillo-Rodríguez E. CRISPR/Cas9, the Powerful New Genome-Editing Tool for Putative Therapeutics in Obesity. J Mol Neurosci. 2018;65(1):10-16. doi:10.1007/s12031-018-1076-4</p>
<p><a class="a2a_button_facebook" href="https://www.addtoany.com/add_to/facebook?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211006%2F&amp;linkname=CRISPR%2FCas9%E3%81%A7%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%97%87%E3%82%92%E6%94%B9%E5%96%84%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9FCommon%20diseases%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E2%91%A0~" title="Facebook" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_twitter" href="https://www.addtoany.com/add_to/twitter?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211006%2F&amp;linkname=CRISPR%2FCas9%E3%81%A7%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%97%87%E3%82%92%E6%94%B9%E5%96%84%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9FCommon%20diseases%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E2%91%A0~" title="Twitter" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_line" href="https://www.addtoany.com/add_to/line?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211006%2F&amp;linkname=CRISPR%2FCas9%E3%81%A7%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%97%87%E3%82%92%E6%94%B9%E5%96%84%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9FCommon%20diseases%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E2%91%A0~" title="Line" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_hatena" href="https://www.addtoany.com/add_to/hatena?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211006%2F&amp;linkname=CRISPR%2FCas9%E3%81%A7%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%97%87%E3%82%92%E6%94%B9%E5%96%84%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9FCommon%20diseases%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E2%91%A0~" title="Hatena" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_linkedin" href="https://www.addtoany.com/add_to/linkedin?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211006%2F&amp;linkname=CRISPR%2FCas9%E3%81%A7%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%97%87%E3%82%92%E6%94%B9%E5%96%84%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9FCommon%20diseases%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E2%91%A0~" title="LinkedIn" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_dd addtoany_share_save addtoany_share" href="https://www.addtoany.com/share#url=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-211006%2F&#038;title=CRISPR%2FCas9%E3%81%A7%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%97%87%E3%82%92%E6%94%B9%E5%96%84%EF%BC%81%EF%BC%9F%20~%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9FCommon%20diseases%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E2%91%A0~" data-a2a-url="https://www.setsurotech.com/media/crispr-211006/" data-a2a-title="CRISPR/Cas9で肥満症を改善！？ ~ゲノム編集技術を用いたCommon diseasesの研究-①~"></a></p>The post <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-211006/">CRISPR/Cas9で肥満症を改善！？ ~ゲノム編集技術を用いたCommon diseasesの研究-①~</a> first appeared on <a href="https://www.setsurotech.com">株式会社セツロテック</a>.]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>ゲノム編集で遺伝子ドーピング！？ ~ゲノム編集の悪用から学ぶべき教訓とは~</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210929/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 29 Sep 2021 01:21:58 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>東京五輪とドーピング 2021年7月23日から8月8日までの17日間、東京2020オリンピック競技大会が約1年遅れで開催された。COVID-19の影響により無観客開催となるなど、開催決定当初からは想像もつかない大会となっ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>東京五輪とドーピング</h2>
<p>2021年7月23日から8月8日までの17日間、東京2020オリンピック競技大会が約1年遅れで開催された。COVID-19の影響により無観客開催となるなど、開催決定当初からは想像もつかない大会となったが、結果的に205の国と地域から約11,000人が参加し、全部で33競技339種目が行われた[1]。</p>
<p>母国開催となった日本勢は、金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個の合計58個という結果に終わり、同じく2021年8月24日から9月5日まで開催された東京2020パラリンピック競技大会についても日本勢は51個のメダルを獲得しており、どちらも大健闘の結果となった。両大会の開催について賛否両論さまざまな意見があったことは間違いないが、この大会に向けて魂を注ぐ選手たちからポジティブな影響を受けた方々も多いことだろう。コンパクト五輪・復興五輪と掲げられた本大会が、今後の日本だけではなく世界にとってプラスに働いていくことに期待したい。</p>
<p>しかし、そんな東京五輪において、いくつか悲しいニュースが舞い込んできたことも事実である。世界陸連の独立監視部門「インテグリティー・ユニット（AIU）」は7月31日、女子100メートル予選に出場していたナイジェリアの女子選手1名、男子100メートル予選に出場予定だったケニアの男子選手1名にドーピング違反が判明し、暫定の資格停止処分を下すことを発表した[2]。また、8月13日にも、男子400メートルリレーで銀メダルを獲得したイギリスの選手ら4名が五輪期間中の検査により禁止物質の検出があったことを発表した [3]。そのほかにも複数の選手に対してドーピングの使用疑いが持ち上がっており、前回大会までにも取り沙汰されてきたドーピング問題は、残念ながら本大会においてもなくなることはなかった。</p>
<p>そこで今回は、これまでの人類とドーピングの歴史を振り返りながら、近年スポーツ界の大きな問題となっている「ゲノム編集技術を用いた遺伝子ドーピング」について迫り、ゲノム編集技術に対する我々の向き合い方について考えていこう。</p>
<h2>ドーピングの歴史</h2>
<p>日本・アンチドーピング機関（JADA）によれば、「ドーピング」という単語の起源は、アフリカ南部の原住民カフィール族が祭礼の時などに飲む強い酒“dop”に起源するという[4]（諸説あり）。スポーツの世界では、1865年のアムステルダム運河での水泳競技において世界で初めてドーピングが使用されたとされている。その後、1886年の自転車レースで世界初のドーピングによる死亡例が報告された。しかし、1980年代まではオリンピック種目以外の国際競技大会においてアンチ・ドーピングに関する統一ルールや禁止物質の取り決めはされてこなかったため、この時期に世界中で身体能力の向上のためのドーピングの使用が広まっていったと言われている。</p>
<p>1999年にはようやく世界アンチ・ドーピング機構（WADA）が設立され、国や地域・競技を超えて横断的なドーピングに関する規定が作られた。日本でもそれに追従するように2001年に日本アンチ・ドーピング機関（JADA）が設立されている。</p>
<p>日本での法整備は、2011年に施行されたスポーツ基本法の第29条における「ドーピング防止活動の推進」を皮切りに、2018年には「スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律」が施行され、ドーピングに対する取り締まりは年々強くなっている[5]。ドーピングの検査数の増加やドーピング検査技術の向上、対象薬物の変更などがあるため、一概に件数による議論はできないものの、アンチ・ドーピングを掲げたこうした活動によって「ドーピングはスポーツマンシップに違反する非道徳的な行為である」という認識は徐々に広まりつつあるだろう。</p>
<p>しかし、残念ながら未だにドーピングの根絶には至っていない。今回の東京五輪で注目を集めた「ROC（ロシア・オリンピック委員会）」はドーピングを象徴するものとして印象的だろう。前回のリオデジャネイロ五輪をはじめ、複数の国際大会において組織的なドーピング問題が疑われていたロシアは、2022年12月までの間、WADAにより主要国際大会に国家として参加することを禁止された。その代わりに、ドーピング違反歴や疑惑のない選手だけが個人資格での東京五輪出場が認められてROCとして今大会に参加していたというわけだ[6]。彼らがメダルを獲得しても、表彰式でロシア国家が流れることはなく、ＮＨＫテレビアナウンサーが「ロシア」ではなく「ＲＯＣ」と何度も呼ぶ姿は、われわれ記憶にも強く残っていることだろう。</p>
<p>このように、ドーピングはスポーツ界で大きく問題視されているわけだが、近年、ドーピングを行う国々が、ゲノム編集技術を応用した「遺伝子ドーピング」という手法に注目しているという[7]。そこでここからはゲノム編集技術と遺伝子ドーピングについて迫っていこう。</p>
<h2>ゲノムを編集するとは？</h2>
<p>まずはゲノムについての説明と、CRISPR/Cas9とよばれるゲノム編集技術について簡単にまとめよう。</p>
<p>人類の細胞は、染色体と呼ばれる46本の構造物を核内にもっており、各染色体はＤＮＡによってゲノムと呼ばれる遺伝子情報を構成している。ゲノムは人体のすべてのもとになるprimaryな情報であり、細胞分裂の度に正確に複製されて保存される。そして、人体にとって必要不可欠なタンパク質は、この遺伝子の発現・調節により、ＤＮＡ→ＲＮＡ→タンパク質という流れを経て合成される（このような考え方をセントラルドグマと呼ぶ）。運動に必要な骨や筋肉、さらにそれを司る神経系の細胞も、当然ながらこうした遺伝子の発現や調節により機能している。そのため、タンパク質の合成や抑制に関わる遺伝子に異常が生じると、人体は細胞レベルで異常をきたし、さまざまな臨床症状を呈する。</p>
<p>これは逆に言えば、ゲノムの遺伝子が人類にとって好ましい情報に変更されれば、人類が現状よりも高いパフォーマンスを出すことができる可能性があるということでもある。そしてゲノム編集は、言ってしまえばそれをもたらしうる技術なのだ。</p>
<p>現在主流となっているゲノム編集の技術は、2013年に発表されたCRISPR/Cas9である。CRISPR/Cas9は、1996年に発表された第一世代のZFN、2010年の第二世代のTALENに引き続いて発表された第三世代のゲノム編集技術であり、昨年には考案者のEmmanuelle Charpentier氏とJennifer A. Doudna氏らがノーベル化学賞を受賞したことでも知られている。CRISPR/Cas9は、標的のDNA配列を、tracrRNAと複合させたガイドRNAとcrRNA、さらにCas9と呼ばれるハサミの役割を持つ物質と一緒に導入することで、その配列を特異的に切断する。これにより目的の遺伝子をノックアウトさせたり、DNA切断に伴う修復機構を利用し、逆に外部からドナーDNA を導入することで目的の遺伝子をノックインさせたりすることもできるという技術である。(CRISPR/Cas9についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[8]。)</p>
<p>それではこのCRISPR/Cas9を用いた遺伝子ドーピングとは具体的にはどのようにして実現されるのだろうか？</p>
<h2>遺伝子ドーピングとは？</h2>
<p>まず、世界アンチ・ドーピング機構のWADAは遺伝子ドーピングを次のいずれかであるとして禁止している[9]。</p>
<p>1. <em>The use of nucleic acids or nucleic acid analogues that may alter genome sequences and/ or alter gene expression by any mechanism. This includes but is not limited to gene editing, gene silencing and gene transfer technologies. </em><br />
（訳：核酸ないし核酸アナログを使用してゲノム配列やゲノムの発現を変化させること。これは遺伝子編集に限らず、遺伝子サイレンシングや遺伝子導入についても同様である。なお、遺伝子サイレンシングとは、人工的に合成したアンチセンス核酸と呼ばれるmRNAに相補的に結合する物質を用いてタンパク質の翻訳を抑制する技術いい、遺伝子導入とは、ベクターなどを使用して外部の遺伝子を細胞に組み込む技術をいう。）</p>
<p>2. <em>The use of normal or genetically modified cells.</em><br />
 (訳：自らのもとの細胞以外である、正常ないし遺伝子の修正された細胞を使用すること)<br />
　<br />
つまり、遺伝子ドーピングとは、ゲノム編集技術を用いて人体の遺伝子を直接編集することで遺伝子の発現を調節し、運動機能の向上を獲得するというものである。</p>
<p>この遺伝子ドーピングについて、競走馬理化学研究所遺伝子分析部の戸崎晃明氏らは、生体由来の反応による効果との区別が難しいために検出が困難であるうえに、従来のドーピングよりも高い効果をもたらすと可能性があるとNature系列のGene Therapyにおいて指摘している[10]。</p>
<p>また、van der Grone T氏らによれば、次のようなものが遺伝子ドーピングの標的となっているという[11]。</p>
<h3>①エリスロポエチン(EPO)</h3>
<p>エリスロポエチンは、低酸素応答転写因子(HIF)の働きにより転写が促進される物質である[12]。HIFは体内で低酸素状態になった時に転写が亢進し、結果産生されたエリスロポエチンは赤血球の受容体に結合し、ヤーヌスキナーゼ2（JAK2）経路を活性化することで赤血球の産生を増加させる。これにより組織の酸素取り込み量が増加し、主に筋肉の持久力が向上することが知られている。</p>
<h3>②インスリン様成長因子(IGF-1)</h3>
<p>インスリン様成長因子は、その名の通りインスリンと似た構造をもち、筋肉の修復と肥大に関わる[13]。こちらはエリスロポエチンとは違い、筋力増強に寄与すると考えられている。</p>
<h3>③成長ホルモン(GH)</h3>
<p>成長ホルモンは、通常、下垂体前葉において産生されるホルモンであり、代謝の亢進や成長に関わる[14]。成長ホルモンは間接的にIGF-1の産生を亢進し、協同して筋力を増強する性質をもつ。</p>
<h3>④ミオスタチン(MSTN)</h3>
<p>ミオスタチンは筋肉の成長を抑制する性質がある[15]。ミオスタチンを阻害することで筋肉の成長を促すことが知られている。（余談だが、ベルギーのナミュールと呼ばれる地方では、「ベルジャンブルー」と呼ばれるミオスタチン遺伝子が欠損した牛が飼われており、脂身が少なく全身が筋肉に覆われた牛として有名である[16]。）</p>
<h3>⑤血管内皮増殖因子(VEGF)</h3>
<p>血管内皮増殖因子は、低酸素状態において血管内皮細胞から放出され、血管新生を促す性質がある[17]。これにより、筋肉への流入血量が増大し、筋肉の疲労を遅延させることが知られている。</p>
<p>そのほかにもさまざまな遺伝子ドーピングの対象があることが知られているが、以上の5つを見るだけでもドーピングの強力さが分かるだろう。皮肉なことに、ゲノムに直接アプローチする遺伝子ドーピングの可能性は幅広いのだ。</p>
<h2>遺伝子ドーピングがなぜ問題視されているのか？</h2>
<p>ここまで紹介した遺伝子ドーピングは従来のドーピング以上に危険視されているわけだが、その主な理由は以下の3つが挙げられるだろう。</p>
<h3>①半永久的な効果により遷延する副作用の影響</h3>
<p>従来のドーピングは、男性ホルモンのテストステロンなどのタンパク同化薬、赤血球産生を促すエリスロポエチンや骨・筋肉の成長を促す成長ホルモン、そしてアンフェタミンなどの興奮薬などが該当する。これらは薬剤などを直接投与するタイプのドーピングであり、投与された物質は最終的には代謝されて排泄されるものがほとんどである。そのため、投与した物質自体が永久的に作用し続けることはほとんどない。（むろん、ドーピングにより増強された筋力などはしばらくの間維持されてしまうわけだが。）</p>
<p>しかし、遺伝子ドーピングは人体の体細胞のゲノムを直接編集するため、その体細胞が傷害されて細胞死でも起こさない限り、編集された遺伝子の発現・抑制は半永久的に残り続ける。そのため、その影響がもたらす人体への副作用も半永久的に残り、遺伝子ドーピングをした選手は安全や健康を危険にさらされ続けることになる。</p>
<h3>②オフターゲット効果やモザイクが与えうる人体への未知の影響</h3>
<p>オフターゲット効果やモザイクは、従来のドーピングにはなかったリスクである。</p>
<p>オフターゲット効果とは、ゲノム編集の際に、標的ではない（オンターゲットではない）配列の切断が起こる現象をいい、これにより好ましくない遺伝子発現・抑制が生じてしまうことがある[18]。これが仮に、遺伝子ドーピングを行った人体に起これば、筋肉や臓器が正常な働きを失ったり、最悪の場合死に至ったりする可能性も否定できないだろう。</p>
<p>また、遺伝子ドーピングは、基本的に体細胞系列を対象に行われるため、行った選手の体細胞は、変異のある体細胞と変異のない体細胞が混在したモザイクと呼ばれる状態になる。体細胞モザイクが人体に与える影響は未だ理解されていないものも多いが、理化学研究所が行った77万人のデータを用いた国際的な大規模解析[19]において、体細胞モザイクのある患者はCOVID-19の感染リスクを高める可能性があることが報告されているなど、モザイクが人体に悪影響を与える可能性も大いにあるだろう。</p>
<h3>③遺伝子ドーピングの検出は困難である</h3>
<p>遺伝子ドーピングの検出の困難さこそが現在ドーピングを企てる国や組織が遺伝子ドーピングに注目する最大の理由と言えるだろう。</p>
<p>従来の多くのドーピング禁止物質は低分子量の化合物であり、体内で代謝されてから尿中に排泄されるため、多くのドーピング検査は選手の尿を用いて行われている。しかし、遺伝子ドーピングは人体のゲノムを直接編集するため、運動機能の向上に寄与する物質は全て生体由来となり、選手が意図的にドーピング違反物質を摂取したという明確な証拠を出すことが非常に困難となる。理論上は選手の筋肉を組織生検によってサンプリングすることで検出することが可能であるが、それはあまりにも侵襲性が高く、到底認められる検査ではないだろう。</p>
<p>それではWADAをはじめとするアンチ・ドーピング機関はどのようにしてこの遺伝子ドーピングを検査し、ゲノム編集技術の悪用に立ち向かおうとしているのだろうか？</p>
<h2>どのように遺伝子ドーピングを検査するか？</h2>
<p>最初に考案された遺伝子ドーピング検査は、PCR検査と呼ばれる手法を用いるものである。PCR検査とは現在大流行中のCOVID-19の検査にも使用されている検査であり、ご存じの方も多いことだろう。</p>
<p>通常、ヒト遺伝子の大部分には、実際にタンパク質をコードするエクソンと呼ばれる部分と、コードしないイントロンと呼ばれる部分が含まれている。遺伝子ドーピングでは、通常、導入される遺伝子はイントロンを含まない相補的なDNAであるため、この部分をPCR検査によって検出するという仕組みだ[21]。PCR検査は高い特異度と感度を備えているうえに2時間ほどで結果が得られるというメリットがあり、このように遺伝子ドーピングの検査にも応用されているというわけだ。</p>
<p>しかし、戸崎氏ら[10]によれば、PCR検査は、(1)一度の検査で検出できる標的遺伝子が多くないこと、(2)人工イントロンの導入により検出を回避できること、などの欠点があるという。</p>
<p>そこで考案されたのが、次世代シークエンシング(NGS)を用いる手法である。次世代シークエンシングとは、塩基依存的にDNA断片を作製し、その長さを比べることで塩基の順序を知る「サンガー法」と呼ばれる手法を改良した技術であり、数千から数百万ものDNA分子を同時に配列決定することができる強力な手法である[22]。de Boer氏[23]や戸崎氏[24]は、次世代シークエンシングを利用して人為的に導入された遺伝子を検出する手法を開発しており、これはPCRによる遺伝子ドーピング検査方法の欠点を補う手法として期待されている。しかし、次世代シークエンシングによる手法はコストが高く、感度も高くないという欠点がある。</p>
<p>以上のようにさまざまな方法により遺伝子ドーピングの検査方法が検討されているが、コストや正確性の面から全てを満たす手法は未だ実現されていない。また、このような検査は往々にしてイタチごっこになる可能性を常にはらんでいるため、今後も遺伝子ドーピングの規制は困難を極めることが予想されている。</p>
<h2>これからのゲノム編集技術の未来のために</h2>
<p>今回はここまでゲノム編集技術を用いた遺伝子ドーピングについて紹介してきた。われわれが観たりプレイしたりして感動をもたらすことができるのは、正当な方法で努力し、積み上げた能力・技術によって生み出されるプレイのみであり、フェア・スポーツの精神は絶対に失われてはならないだろう。</p>
<p>また、スポーツの世界だけではなく、ゲノム編集技術は使い方を誤ると恐ろしい技術に転用されうる。新しい技術は法整備が追いつかないことも多く、法律だけに頼っても解決に時間がかかることも少なくない。ゲノム編集技術が悪用されてしまうと、われわれに利益をもたらすはずのゲノム編集技術そのものに規制がかけられてしまうかもしれない。今後は単なる技術の開発だけではなく、それをどのように利用していくかという議論についても欠かさずに行い続けていくべきだろう。</p>
<p>(文責：柴田潤一郎)</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="https://2020.yahoo.co.jp/minnano2020/yahoo/111" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] 【図解】大会規模は？　競技の記録は？　東京五輪1964大会と2020大会を比較</a></p>
<p><a href="https://www.asahi.com/articles/ASP7073Z5P70UTQP01W.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] 陸上の男女2選手がドーピング違反　暫定の資格停止処分</a></p>
<p><a href="https://olympics.com/ioc/fight-against-doping" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[3] 東京五輪陸上の銀メダリストを含む4人が禁止薬物違反で暫定的な資格停止処分に…正式決定でメダル剥奪へ</a></p>
<p><a href="https://www.playtruejapan.org/code/history.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[4] アンチ・ドーピングの歴史</a></p>
<p><a href="https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop10/list/detail/1416426.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[5] スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律（平成30年10月1日施行)<br />
</a></p>
<p><a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQONA2727E0X20C21A7000000/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[6] ROCとは　東京五輪でのロシア勢の略称</a></p>
<p><a href="https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/090500089/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[7] 東京五輪まであと1年、「遺伝子ドーピング」という魔力</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[8] 柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p><a href="https://www.wada-ama.org/en/content/what-is-prohibited/prohibited-at-all-times/gene-and-cell-doping" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[9] WADA. “GENE AND CELL DOPING”<br />
</a></p>
<p>[10] Tozaki T, Hamilton NA. Control of gene doping in human and horse sports [published online ahead of print, 2021 Jun 7]. Gene Ther. 2021;10.1038/s41434-021-00267-5. doi:10.1038/s41434-021-00267-5</p>
<p>[11] van der Gronde T, de Hon O, Haisma HJ, et alGene doping: an overview and current implications for athletesBritish Journal of Sports Medicine 2013;47:670-678.</p>
<p><a href="https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK536997/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[12] NCBI. &#8220;Erythropoietin&#8221;</a></p>
<p><a href="https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene?Db=gene&#038;Cmd=DetailsSearch&#038;Term=3479" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[13] NCBI. &#8220;IGF1 insulin like growth factor 1 [ Homo sapiens (human) ]&#8221;</a></p>
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<p><a href="https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene?Db=gene&#038;Cmd=DetailsSearch&#038;Term=2660" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[15] NCBI. &#8220;MSTN myostatin [ Homo sapiens (human) ]&#8221;</a></p>
<p><a href="https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_473.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[16] NHK. 「大注目！筋肉が作りだすミオスタチンなどのマイオカインの健康効果」</a></p>
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<p><a href="https://www.riken.jp/press/2021/20210618_1/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[19] 理化学研究所「体細胞モザイクはCOVID-19感染のリスクを高める」<br />
</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210909/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[20] 柴田潤一郎 「ゲノム編集技術 vs. ウイルス感染症~ SARS-CoV-2へのCRISPR/Cas9の応用~」</a></p>
<p>[21] Baoutina, A., Coldham, T., Bains, G. et al. Gene doping detection: evaluation of approach for direct detection of gene transfer using erythropoietin as a model system. Gene Ther 17, 1022–1032 (2010). https://doi.org/10.1038/gt.2010.49</p>
<p><a href="https://www.cosmobio.co.jp/support/technology/a/next-generation-sequencing-introduction-apb.asp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[22] コスモ・バイオ株式会社. 「次世代シーケンシング（NGS）とは」</a></p>
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<p><a href="https://www.cnn.co.jp/world/35174670.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] ワクチン効かない変異株の出現は「ほぼ確実」、英科学者が予測</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[3] 柴田潤一郎.「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210407/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[4] 柴田潤一郎 「徳島大学発の新しいゲノム編集技術“TiDシステム” ~世界に羽ばたく国産ゲノム編集~」</a></p>
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<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210430/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[15] 柴田潤一郎 「NanoMEDICによるCRISPRの効率化~ナノサイズの分子輸送体がゲノム編集の要となる〜」</a></p>
<p>[16] Ding R, Long J, Yuan M, et al. CRISPR/Cas System: A Potential Technology for the Prevention and Control of COVID-19 and Emerging Infectious Diseases. Front Cell Infect Microbiol. 2021;11:639108. Published 2021 Apr 23. doi:10.3389/fcimb.2021.639108</p>
<p>[17] Atasoy M. O., Rohaim M. A., Munir M. (2019). Simultaneous Deletion of Virulence Factors and Insertion of Antigens Into the Infectious Laryngotracheitis Virus Using NHEJ-CRISPR/Cas9 and Cre-Lox System for Construction of a Stable Vaccine Vector. Vaccines 7 (4), 207. 10.3390/vaccines7040207</p>
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			</item>
		<item>
		<title>ゲノム編集技術 vs. ウイルス感染症 ~ SARS-CoV-2へのCRISPR/Cas9の応用~</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210909/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 09 Sep 2021 08:18:19 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.setsurotech.com/?post_type=media&#038;p=4411</guid>

					<description><![CDATA[<p>広がり続けるCOVID-19 2019年、中国の武漢で感染拡大を発端として、世界中を混乱の渦に巻き込んだCOVID-19。約2年が経過した現在でも、感染は収束するどころか、世界中のあらゆる地域で変異株による感染が拡大し、 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>広がり続けるCOVID-19</h2>
<p>2019年、中国の武漢で感染拡大を発端として、世界中を混乱の渦に巻き込んだCOVID-19。約2年が経過した現在でも、感染は収束するどころか、世界中のあらゆる地域で変異株による感染が拡大し、医療業界を中心に大きな打撃を与え続けている。日本においても、連日多くの感染者が報告されており、特に東京都では救急搬送が追いつかず、救急隊が出動した症例のうち約6割が搬送できていないとする報道も出ている[1]。また、重症者・死亡者も増えており、医療崩壊が現実味を帯びてきている。ワクチンの接種が進んではいるものの、変異株への効果は十分ではないとする研究もいくつか出ており[2]、われわれの苦しい戦いは今後も続くだろう。</p>
<p>そんな中、世界中の研究者・企業はさまざまな技術を応用し、日々COVID-19に打ち勝つ方法を模索し続けている。そこで今回は、このような研究のうち、CRISPR/Cas9を中心とするゲノム編集技術が用いられている例を紹介し、今後の人類のウイルス感染症に対する向き合い方を考えていきたい。</p>
<h2>CRISPR/Cas9の概説と主な応用例</h2>
<p>ここでまずはCRISPR/Cas9についての説明と、CRISPR/Cas9が利用されている分野について簡単に紹介したい。CRISPR/Cas9は、現在主流となっているゲノム編集技術の1つであり、1996年に発表された第一世代のZFN、2010年の第二世代のTALENに引き続いて発表された第三世代のゲノム編集技術である。昨年には考案者のEmmanuelle Charpentier氏とJennifer A. Doudna氏らがノーベル化学賞を受賞したことでも知られている。</p>
<p>CRISPR/Cas9は、標的のDNA配列を、tracrRNAと複合させたガイドRNAとcrRNA、さらにCas9と呼ばれるハサミの役割を持つ物質と一緒に導入することで、その配列を特異的に切断する。これにより目的の遺伝子をノックアウトさせたり、DNA切断に伴う修復機構を利用し、逆に外部からドナーDNA を導入することで目的の遺伝子をノックインさせたりすることもできるという技術である。(CRISPR/Cas9のメカニズムの詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[3]。)</p>
<p>このCRISPR/Cas9は、生物のゲノムを編集して目的の形質を得ることができるという理由から、ゲノム研究をする研究者のための遺伝子編集マウス、遺伝子異常を理由とする疾患の治療薬、疫病に強い作物、はたまた人工培養肉など、幅広い分野での応用が検討されている。近年では、CRISPR/Cas9のサブタイプであるCRISPR/Cas12aやCRISPR/Cas3、そして徳島大学の刑部教授らによるTiDシステムなど、さらに効率よくゲノム編集ができる技術も登場している。(CRISPR/Cas9のサブタイプについての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[4]。)</p>
<p>このように、CRISPR/Cas9は開発からわずか数年でさまざまな領域で応用されており、そのポテンシャルは計り知れないといえる。</p>
<h2>COVID-19の基礎知識</h2>
<p>次にCOVID-19について、Nature誌に出版されたHu B氏らによる論文[5]をもとに、現状判明している基礎知識を整理していこう。なお、COVID-19は疾患名、SARS-CoV-2が病原体であるウイルス名を指すことに注意されたい。</p>
<p>SARS-CoV-2は、2002年に韓国などで大流行したSARS-CoV、2012年に中東諸国で大流行したMERS-CoVと同様、beta-coronavirusと呼ばれるウイルスの1種である。ウイルスのゲノムは1本鎖プラス鎖RNAであり、ゲノムのうち79%がSARS-CoVと、50%がMERS-CoVと共通していることがわかっている[6]。SARS-CoV-2の遺伝子は、複製酵素であるreplicase (ORF1a/ORF1b)に加え、ウイルス表面のスパイクタンパク質(S)、ウイルスを覆うエンベロープ(E)、膜タンパク(M)、そしてウイルスの殻の役割を持つカプシド(N)を発現する6つのオープンリーディングフレームを中心に構成されている。（オープンリーディングフレームとは、翻訳される能力を持つリーディングフレームの部分のことである。）なお、このゲノムは、全ゲノム解析により、コウモリに見られるSARSr-CoVに非常に近いことや、ウイルスタンパク質は1,237のアミノ酸からなっていることなども判明している。また、現時点でSARS-CoV-2の由来や中間宿主は完全には理解されていないが、ネコ、ネズミなどにおいても感染することがわかっている。</p>
<p>SARS-CoV-2に感染した患者は、年齢や基礎疾患の有無などによって症状は異なるものの、咳や痰、喉の痛みなどの一般的な呼吸器感染症にみられるものから、下痢、頭痛、胸痛、味覚・嗅覚の異常などのさまざまな症状が報告されている。多くは軽症であるが、糖尿病や呼吸器疾患などの基礎疾患のある患者においては特に中等症・重症化のリスクがあるとされており、症状が進行すると、ICU(集中治療室)における人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を用いた管理が必要になることもある。現に日本では、デルタ株の流行に伴って重症患者が増加し、東京都内の入院ベッドは切迫している。そして劇的に効果のある特異的な治療法はいまだ報告されていないため、対症療法やその他のウイルス感染症に使用する抗ウイルス薬などを使用しながら、日々治療薬の開発や臨床研究が行われている。</p>
<p>ここまでゲノム編集技術やSARS-CoV-2についてまとめたところで、SARS-CoV-2に対してCRISPR/Cas9やそのサブタイプ（まとめてCRISPR/Casとする）が応用されている例を見ていこう。</p>
<h2>CRISPR/Casの応用例①-診断</h2>
<p>まずはCRISPR/Casによる病原体の検出だ。SARS-CoV-2の流行以降、PCR検査という言葉を聞いたことがある読者の方は多いだろう。PCR検査とは、1980年にKary Mullis氏によって開発された手法であり、ある条件下で標的のDNAを検出可能なレベルまで増幅させて検知する検査方法のことである[7]。SARS-CoV-2などのRNAウイルスについては、対象の配列を逆転写酵素（Reverse Transcriptase）によってDNAに逆転写し、そのDNAをprimerやDNA polymeraseによって増幅させるRT-PCRと呼ばれる方法が用いられる。この検査は、極めて微量な対象の遺伝子を、選択的に、かつ2時間程度の短時間で増幅できるため、効率的な検査が求められる感染症の検査において非常に効果を発揮する。しかし、その一方で、採取した部位や検査者の処理方法によって検出率が異なったり、コンタミネーションによる偽陽性(=陽性でない患者が陽性であると判定されること)が生じたりする欠点もある。PCR検査の感度(=陽性患者を正しく陽性と判定する確率)はキットによっても異なるが、中には感度の低いものもあり、PCR検査で陰性が出ない有症状患者が一定数存在すると言われている。</p>
<p>そこで近年、CRISPR/Casを用いた新たな病原体検出技術が開発されている。ここではそのうち3つをご紹介しよう。</p>
<p>(1) SHERLOCK (Specific High Sensitivity Enzymatic Reporter UnLOCKing)<br />
SHERLOCKは米国のBroad Instituteの研究成果を基に開発されたCRISPR/Cas13を利用した技術である[8]。CRISPR/Cas13はCRISPR/Cas9と同様にクラス2のCRISPR/Cas に分類される。</p>
<p>SHERLOCKでは、まず、対象のdsDNAやRNAをcDNAと呼ばれる相補的なDNAに変換して増幅し、T7-RNA polymeraseと呼ばれる酵素によって再度RNAに変換する。ここにquenched fluorescent RNA という切断されると蛍光を示す物質を加えると、Cas13は1本鎖RNAに結合する性質をもつために、対象のRNAが切断されて蛍光を示し、感染症の診断ができるという仕組みである。</p>
<p>SHERLOCKはもともとエボラウイルスやラッサウイルスに対して開発されていたが、COVID-19の流行を受け、米食品医薬品局（FDA）からSARS-CoV-2に対しても緊急使用許可が出された。</p>
<p>また昨年、マサチューセッツ工科大学(MIT)は、このSHERLOCKを応用してCRISPR/Cas12b によってSARS-CoV-2の検出をするSTOPCovidと呼ばれる手法を発表した[9]。STOPCovidは1時間という短い時間で検査ができ、一人当たり10ドル未満で検査ができる新たな検査方法として期待されている。</p>
<p>(2) DETECTR (DNA endonuclease targeted CRISPR trans reporter)<br />
DETECTRは米国のMammoth Biosciences によって開発されたCRISPR/Cas12aを利用した技術である[10]。CRISPR/Cas12aもクラス2のCRISPR/Cas に分類されるが、Cas12a はCas13とは異なり、DNAに結合する性質をもつ。それ以外は基本的にSHERLOCK と似た仕組みで検査が可能である。DETECTRを用いて行った、子宮頸がんなどの原因ウイルスであるHPV16/18の検出実験では、1時間以内に高い精度でウイルスを検出ができることがわかっており、こちらもSARS-CoV-2を診断するキットがすでに販売されている。</p>
<p>(3) CONAN（Cas3-Operated Nucleic Acid detectioN）<br />
CONANは日本の東京大学医科学研究所の真下教授らによって開発されたCRISPR/Cas3を利用した技術である[11]。CRISPR/Cas3はクラス1に属するサブタイプであるという違いはあるものの、おおよその機構はSHERLOCK, DETECTRと同様である。</p>
<p>真下教授らの研究によれば、COVID-19陽性患者10名と陰性21名分のサンプルを用いてCONANを使用した実験の結果、陽性的中率（=陽性と判定された患者のうち実際に陽性である確率）は90％、陰性的中率（=陰性と判定された患者のうち実際に陰性である確率）は95.3％という数値となった。さらにCONANは最短で40分という短い時間での検出を達成しており、SARS-CoV-2だけではなくインフルエンザなどのその他の感染症に対する検出キットとしての期待も高まっている。</p>
<h2>CRISPR/Casの応用例②-治療</h2>
<p>続いてCRISPR/Casを用いた治療についてご紹介しよう。上述した通り、2021年8月時点でCOVID-19に対する抗ウイルス薬等の特異的な治療法はない。エボラ出血熱などに対して開発されたレムデシビルなど、一部FDAに認可されている薬剤もあるが、いずれもCOVID-19への特異的ものではないのが現状だ。</p>
<p>そんな中、CRISPR/CasはCOVID-19に対する治療方法の開発手段の一つとして注目を集めている。例えば、<em>Timothy R. Abbott</em>氏らがCellに投稿した論文では、CRISPR/Cas13が対象の遺伝子をノックアウトする性質を利用し、感染した細胞内でSARS-CoV-2のゲノムを切断し、感染能力を失わせる手法として、予防的抗ウイルスCRISPR（PAC-MAN）を提示している[12]。</p>
<p>そのほか、<em>Danielle E Anderson</em>氏らは、CRISPR/Casを用いたスクリーニングと、RNA干渉(=2本鎖RNAとタンパク質による複合体が相同な塩基配列をもつmRNAと特異的に対合・切断してノックアウトする現象[13])を利用し、新たな抗ウイルス薬の可能性を提唱している[14]。彼らは同論文において、CRISPR/Casによるスクリーニングにより、メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼなどの酵素をコードするMTHFD1遺伝子がウイルス増幅に関与する可能性に目を付け、MTHFD1阻害剤のカプロラクトンがコウモリ細胞に感染させたSARS-CoV-2に対して抗ウイルス活性を持つことを示した。</p>
<p>このようにCRISPR/Casを用いた治療技術の開発が複数行われており、実用化される日もそう遠くはないかもしれない。</p>
<h2>CRISPR/Casの応用例③-予防</h2>
<p>最後にワクチンの開発についても説明しよう。現状日本人が接種しているCOVID-19に対する主なワクチンは、アメリカに本社を置くPfizerとModernaの２社が開発したｍRNAワクチンと呼ばれるものである。ｍRNAワクチンはもともとがんに対するワクチンとして期待されていた技術であり、今回COVID-19に対して初めて実用化された。これまでのワクチンは、不活化したウイルスの一部のタンパク質を人体に投与することで免疫を惹起するものがほとんどであった。しかし、mRNAワクチンでは、SARS-CoV-2のＳタンパク質をコードするmRNAを、脂質ナノ粒子(NLP)と呼ばれる輸送体に入れて注射することで、人体でＳタンパク質の生成とそれに対する抗体の産生を促すというものである。(脂質ナノ粒子の詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[15]。)</p>
<p>そんな中、Ding R氏らは、CRISPR/Cas9がこうしたワクチン開発の後押しをする可能性があると述べている[16]。彼らは、<em>Atasoy</em>氏らが2019年に行った実験[17]で、CRISPR/Cas9により感染性喉頭気管炎ウイルスの遺伝子をノックアウト・ノックインして病原性のない多価で安全なベクターを開発したことを引き合いに出し、SARS-CoV-2のワクチンの開発においても、同様の理屈で効率のよいベクターの開発ができる可能性を述べている。SARS-CoV-2が我々を悩ます大きな問題の一つは、SARS-CoV-2の変異によりワクチンの効果が低下する可能性があることであり、CRISPR/Cas9を利用すれば変異に対応した効率のよいワクチンの開発が可能となるかもしれない。</p>
<h2>ウイルス感染症に対するゲノム編集の未来</h2>
<p>今回はSARS-CoV-2についてウイルスの特徴とCRISPR/Cas9を利用したさまざまな戦略を紹介してきた。しかし、これはSARS-CoV-2だけにとどまる話ではない。現在流行しているのがSARS-CoV-2であるというだけであって、今後いつ新たなウイルス感染症の脅威にさらされるかはわからないだろう。そんな時、今回紹介したゲノム編集技術が利用できる可能性は大いにあると言えるだろう。</p>
<p>進化するゲノム編集技術によって人類がウイルス感染症に打ち勝てる日は来るのだろうか。まずはSARS-CoV-2を淘汰する日が訪れることを願いながら、日々ゲノム編集技術とウイルス感染症に対する理解を深めていきたい。</p>
<p>(文責：柴田潤一郎)</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="https://www.fnn.jp/articles/-/228832" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] コロナ搬送できず1100件超　救急隊出動の6割</a></p>
<p><a href="https://www.cnn.co.jp/world/35174670.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] ワクチン効かない変異株の出現は「ほぼ確実」、英科学者が予測</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[3] 柴田潤一郎.「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210407/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[4] 柴田潤一郎 「徳島大学発の新しいゲノム編集技術“TiDシステム” ~世界に羽ばたく国産ゲノム編集~」</a></p>
<p>[5] Hu B, Guo H, Zhou P, Shi ZL. Characteristics of SARS-CoV-2 and COVID-19. Nat Rev Microbiol. 2021;19(3):141-154. doi:10.1038/s41579-020-00459-7</p>
<p>[6] Lu, R. et al. Genomic characterisation and epidemiology of 2019 novel coronavirus: implications for virus origins and receptor binding. Lancet 395, 565–574 (2020).</p>
<p><a href="https://www.ncbi.nlm.nih.gov/probe/docs/techpcr/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[7] Polymerase Chain Reaction (PCR)</a></p>
<p>[8] Barnes KG, Lachenauer AE, Nitido A, et al. Deployable CRISPR-Cas13a diagnostic tools to detect and report Ebola and Lassa virus cases in real-time. Nat Commun. 2020;11(1):4131. Published 2020 Aug 17. doi:10.1038/s41467-020-17994-9</p>
<p><a href="https://www.stopcovid.science/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[9] Point-of-care COVID-19 testing with STOPCovid</a></p>
<p>[10] Chen JS, Ma E, Harrington LB, et al. CRISPR-Cas12a target binding unleashes indiscriminate single-stranded DNase activity [published correction appears in Science. 2021 Feb 19;371(6531):]. Science. 2018;360(6387):436-439. doi:10.1126/science.aar6245</p>
<p>[11] Kazuto Yoshimi, et. al. Rapid and accurate detection of novel coronavirus SARS-CoV-2 using CRISPR-Cas3. medRxiv 2020.06.02.20119875; doi:https://doi.org/10.1101/2020.06.02.20119875</p>
<p>[12] Abbott TR, Dhamdhere G, Liu Y, Lin X, Goudy L, Zeng L, Chemparathy A, Chmura S, Heaton NS, Debs R, Pande T, Endy D, La Russa MF, Lewis DB, Qi LS<br />
Cell. 2020 May 14; 181(4):865-876.e12.</p>
<p><a href="https://www.ncbi.nlm.nih.gov/probe/docs/techrnai/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[13] RNA Interference (RNAi)</a></p>
<p>[14] Anderson D. E., Cui J., Ye Q., Huang B., Zu W., Gong J., et al. . (2020). Orthogonal Genome-Wide Screenings in Bat Cells Identify MTHFD1 as a Target of Broad Antiviral Therapy. bioRxiv2020.2003.2029.014209. 10.1101/2020.03.29.014209</p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210430/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[15] 柴田潤一郎 「NanoMEDICによるCRISPRの効率化~ナノサイズの分子輸送体がゲノム編集の要となる〜」</a></p>
<p>[16] Ding R, Long J, Yuan M, et al. CRISPR/Cas System: A Potential Technology for the Prevention and Control of COVID-19 and Emerging Infectious Diseases. Front Cell Infect Microbiol. 2021;11:639108. Published 2021 Apr 23. doi:10.3389/fcimb.2021.639108</p>
<p>[17] Atasoy M. O., Rohaim M. A., Munir M. (2019). Simultaneous Deletion of Virulence Factors and Insertion of Antigens Into the Infectious Laryngotracheitis Virus Using NHEJ-CRISPR/Cas9 and Cre-Lox System for Construction of a Stable Vaccine Vector. Vaccines 7 (4), 207. 10.3390/vaccines7040207</p>
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			</item>
		<item>
		<title>CRISPR/Cas9の静脈注射で夢の難病治療？ ~ゲノム編集医療のこれまでとこれからを考える~</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210906/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 05 Sep 2021 15:00:47 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>第一相試験の結果はいかに 2021年8月5日、世界で最も権威のある英文医学雑誌とされる”The New England Journal of Medicine (NEJM)”に投稿された1つの論文が、医療関係者を中心に大 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>第一相試験の結果はいかに</h2>
<p>2021年8月5日、世界で最も権威のある英文医学雑誌とされる”The New England Journal of Medicine (NEJM)”に投稿された1つの論文が、医療関係者を中心に大きな注目を集めている[1]。それはJulian D. Gillmore氏らによって投稿された”CRISPR-Cas9 In Vivo Gene Editing for Transthyretin Amyloidosis”であり、CRISPR/Cas9を用いたトランスサイレチンアミロイドーシスの治療に関する第一相の治験成績に関する論文である。</p>
<p>この論文が注目を集めているのは、今回のCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集治療が、注射によって患者の静脈から血液中に製剤を投与する「静脈注射治療」であることが理由の一つだろう。著者のJulian D. Gillmore氏らによると、治療製剤を投与された患者群は、従来の治療よりも少ない副作用で症状の緩和が見込める結果となったという。この結果は、一般的な治療と同様に静脈注射による治療がゲノム編集治療においても実現可能であることを示唆しており、医学的に非常に重要な意義を持っていると言えるだろう。</p>
<p>そこで今回は、この論文の詳しい解説とともにCRISPR/Cas9を用いた遺伝子治療の歴史と未来を考えていきたい。</p>
<h2>CRISPR/Cas9によるゲノム編集治療とその歴史</h2>
<p>まずは簡単にゲノム編集医療についてまとめておこう。現在主流となっているゲノム編集技術は2013年に発表されたCRISPR/Cas9である。CRISPR/Cas9は、1996年に発表された第一世代のZFN、2010年の第二世代のTALENに引き続いて発表された第三世代のゲノム編集技術であり、昨年には考案者のEmmanuelle Charpentier氏とJennifer A. Doudna氏らがノーベル化学賞を受賞したことでも知られている。CRISPR/Cas9は、標的のDNA配列を、tracrRNAと複合させたガイドRNAとcrRNA、さらにCas9と呼ばれるハサミの役割を持つ物質と一緒に導入することで、そのDNAを特異的に切断する。これにより目的の遺伝子をノックアウトさせたり、DNA切断に伴う修復機構を利用し、逆に外部からドナーDNA を導入することで目的の遺伝子をノックインさせたりすることもできるという技術である。(CRISPR/Cas9についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[2]。)</p>
<p>そしてゲノム編集治療は、このゲノム編集技術を用いて、疾患の原因となっている遺伝子を直接編集し、タンパク質の機能改善や異常なタンパク質の発現を低下させて疾患の治療を試みるというものである。一般的な疾患治療は、それぞれの症状を緩和させることを目的とした対症療法や、疾患の原因となっているタンパク質やその受容体を抗体製剤などで阻害するものが多いが、ゲノム編集治療は、疾患の原因となっている遺伝子そのものにアプローチする治療であるため、根治の見込みが高い技術として期待されているのだ。</p>
<p>ヒト細胞の治療にゲノム編集技術が初めて利用されたのは、2005年にNature誌に掲載されたUrnov F.D. 氏らによるZFNによる研究である[3]。この研究では、<em>IL2Rγ</em>遺伝子の異常を原因とするX連鎖重症複合免疫不全症（SCID）がターゲットとされ、導入を試みたヒト細胞のうち約18%に遺伝子改変が生じ、正常な<em>IL2Rγ</em>遺伝子が発現したことが確認された。</p>
<p>また、2009年には、ZFNによりHIV（ヒト免疫不全ウイルス）がT細胞に進入する際に利用する受容体であるCCR5を対象とした研究[4]が開始されるなど、ゲノム編集による治療は着々と注目を集めてきた。</p>
<p>第三世代のCRISPR/Cas9が臨床試験として利用されたのは2016年が最初である。中国や米国で開始されたこの治験は、T細胞の免疫チェックポイントに関わる<em>PD-1</em>遺伝子をノックアウトすることで、がん細胞を殺すというメカニズムのもと試験が開始された。（こちらの詳細は筆者が[2]で説明しているためそちらを参照されたい。）</p>
<p>ここで注目すべきは、2013年にCRISPR-Cas9が登場してから、わずか3年で臨床試験が開始されたという点である。この期間の短さからもCRISPR-Cas9によるゲノム編集医療に大きな期待が寄せられていることがわかるだろう。その後も、[5]で筆者が紹介した鎌状赤血球症・サラセミアなどの血液疾患や、Parkinson病といった神経疾患[6]など、さまざまな疾患に対する研究が日々進行している。</p>
<p>それではここから今回のNEJMの論文で治療対象となったトランスサイレチンアミロイドーシスについて詳しく見ていくことにしよう。</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
<a href="/genome-editing/mouse/" class="pc_only"><img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/03/mouse720x90.png"></a>
<a href="/genome-editing/mouse/" class="sp_only"><img decoding="async" src="https://www.setsurotech.com/wp-content/uploads/2021/03/mouse480x400.png"></a>
</div>
<h2>トランスサイレチンアミロイドーシスとは？</h2>
<p>トランスサイレチンアミロイドーシスとは、「アミロイド」と呼ばれる異常なタンパク質が全身のさまざまな臓器や組織に蓄積する「アミロイドーシス」の一つである。アミロイドとは、βシートと呼ばれるシート状の構造を持つ不溶性の線維性タンパク質であり、現在既に30種類以上が存在することが知られている[7]。アミロイド自体は、人体に存在する一般的なタンパク質とは違い、構造性・支持性・運動性の機能を持たないものの、アルツハイマー病、二型糖尿病、多発性硬化症などのさまざまな疾患において患者の臓器や組織にアミロイドが蓄積していることが病理学的に示されている。特にアルツハイマー病では、βアミロイドと呼ばれるアミロイドの一種が疾患の原因であるとする説もあり、最近では日本のエーザイが、βアミロイドに対する抗体製剤（アデュカヌマブ）を開発し、米食品医薬品局（FDA）がアルツハイマー治療薬として承認したことは記憶に新しい[8]。</p>
<p>そしてこれらの疾患と同様、トランスサイレチンアミロイドーシスもトランスサイレチン型のアミロイドがさまざまな臓器や組織に蓄積する疾患である。トランスサイレチンは、肝臓で作られて甲状腺ホルモンやビタミンAを血液中に運搬するタンパク質である。トランスサイレチンアミロイドーシスの患者においては、このトランスサイレチンが安定性を失ってアミロイドとなり、心臓や神経系に蓄積することが分かっている[9]。（なお、このアミロイドそのものが疾患の原因となっているという因果関係までは現在のところ示されていない。）患者は蓄積する部位によってさまざまな症状を呈し、中枢神経障害や感覚運動性のニューロパチー、自律神経障害といった神経症状、腎障害、心筋障害、硝子体混濁などが生じる。症状が進行すれば10年ほどで死に至ることもある恐ろしい難病である。<br />
このトランスサイレチンアミロイドーシスには以下の2つのタイプがある。</p>
<p>①家族性（遺伝性）トランスサイレチンアミロイドーシス<br />
DNAの異常により、体内で不安定なトランスサイレチンが合成・蓄積されることで症状が見られるタイプである。遺伝形式は常染色体優性遺伝であり、患者が変異<em>TTR</em>遺伝子のヘテロ接合体である場合、その子供は50%の確率で変異を受け継ぐことになる。なお、今回のNEJMの論文で治験対象となったのはこちらの家族性のトランスサイレチンアミロイドーシスである。</p>
<p>②野生型トランスサイレチンアミロイドーシス<br />
こちらは遺伝性ではなく、主に加齢によってトランスサイレチンが不安定化し、臓器や組織に蓄積することでトランスサイレチンアミロイドーシスの症状を示すタイプである。</p>
<p>トランスサイレチンアミロイドーシスの世界の患者は約5万人とされている。中でも日本は家族性トランスサイレチンアミロイドーシスの患者の集積地の一つであると言われており、推定患者数は700名ほどだ[10]。<br />
主な治療としては、<br />
(1)トランスサイレチンの産生を低下させる<br />
(2)トランスサイレチンを安定化させる<br />
(3)蓄積したトランスサイレチン型アミロイドを分解する<br />
といった3つの観点からいくつかの治療薬が登場しており、(1)はPatisiranやInotersen、(2)はTafamidisやDiflunisal、(3)は抗菌薬のDoxycyclineなどが治療に利用されている。しかし、いずれも完全な寛解が得られるわけではなく、副作用も大きな問題となっている。</p>
<p>それではトランスサイレチンアミロイドーシスのことがある程度理解できたところで、今回のNEJMに投稿された論文[1]について詳しく見ていこう。</p>
<h2>CRISPR-Cas9 In Vivo Gene Editing for Transthyretin Amyloidosis</h2>
<p>本論文[1]によれば、家族性トランスサイレチンアミロイドーシスがCRISPR/Cas9を用いた治療方法として適しているのは、次のような理由があるからだという。</p>
<p>①家族性トランスサイレチンアミロイドーシスは単一遺伝子<em>TTR</em>の異常による疾患であるため、複数遺伝子疾患よりも遺伝子のノックアウトの難易度が低い。<br />
②トランスサイレチンはほとんどが肝臓の肝細胞で産生されるうえ、甲状腺ホルモンとの機能はビタミンAの運搬に限られるため、これはビタミンＡの補給によって代償可能である。</p>
<p>そこで彼らは、肝細胞の<em>TTR</em>遺伝子をCRISPR/Cas9によってノックアウトする静注の薬剤を開発し、NTLA-2001と名付けた。NTLA-2001は溶連菌(Streptococcus pyogenes)由来のCas9タンパク質をもち、脂質ナノ粒子(LNP)と呼ばれる輸送体の構造を持つ。(脂質ナノ粒子輸送体についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[11]。)</p>
<p>静注されたNTLA-2001のLNPは、コレステロール代謝に関わるタンパク質のアポリポタンパク質Eと結合し、低密度リポタンパク質受容体を介して肝細胞にエンドサイトーシスによって取り込まれる。そうして肝細胞に取り込まれたNTLA-2001は、CRISPR/Cas9システムによって患者の<em>TTR</em>遺伝子をノックアウトさせ、トランスサイレチンの発現量を低下させる。トランスサイレチンはほとんどが肝臓で産生されるため、肝臓を標的にしたこの送達システム(Drug Delivery System, DDS)は、全身への副作用を最小限に抑えたまま目的の効果を発揮できることが期待されている。なお、トランスサイレチンアミロイドーシスは常染色体優性遺伝であるため、NTLA-2001は変異型<em>TTR</em>遺伝子と健康な野生型<em>TTR</em>遺伝子を両方ノックアウトさせることになるが、健康な野生型<em>TTR</em>遺伝子をノックアウトさせても、ビタミンＡの補給により生理学的に問題は生じないと説明されている[12]。</p>
<p>このNTLA-2001の治験の対象となったのは、多発神経障害を有する家族性トランスサイレチンアミロイドーシスの患者6人（46歳から64歳でうち4人が男性）であった。患者のうち3人は<em>p.T80A</em>遺伝子、2人は<em>p.S97Y</em>遺伝子、そして1人は<em>p.H110D</em>遺伝子の変異を持つタイプであった。投与方法は全員が静注による単回投与であり、28日間の有害事象および血中トランスサイレチン濃度が測定された。</p>
<p>その結果、6人中3人が軽度の副作用を伴ったが、いずれも治験を中止するような重大な有害事象は認められなかった。そして肝心の血中トランスサイレチン濃度は、28日間の測定において、体重1kgあたり0.1 mgの用量で投与された患者グループで平均52％、1kgあたり0.3 mgを投与されたグループで平均87％が低下したことが観測された。また、この減少率は用量依存的であったことも示された。</p>
<p>今回の結果を受け、著者のJulian D. Gillmore氏らは、静脈注射で治療が可能であり、かつ単回投与で永続的に効果が期待できるNTLA-2001の大きな可能性を主張している。今後の課題としては、患者のビタミンA補充などのフォローアップ、第2相試験以降の適切なNTLA-2001投与容量の決定、オフターゲット効果のリスクを低減するためのNTLA-2001の改良などが挙げられている。(オフターゲット効果についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[13]。) これらの改善により、世界初の静脈注射によるゲノム編集治療薬が誕生し、難病治療技術が大きく進展していくことを期待したい。</p>
<h2>ゲノム編集医療の未来</h2>
<p>今回はトランスサイレチンアミロイドーシスを中心にゲノム編集医療について注目した。途中で紹介したように、今回の治験以外にも複数のCRISPR/Cas9を用いた治験が進行中である。ゲノム編集医療の特筆すべき点は、治療方法がより根治的であるという点であり、さらに今回の静脈注射のような低侵襲での治療が可能になれば、患者のQOLも大きく改善が期待できるだろう。もちろん、治療対象となる疾患にも限界はあり、治療開発のための資金など、解決すべき問題は数多くあるだろう。しかし、CRISPR/Cas9が登場してからの臨床試験の進歩はめざましく、今後もさまざまな技術をハイブリッドさせた画期的な治療が登場していくだろう。われわれを悩ます疾患に打ち勝てる日はそう遠くはないかもしれない。</p>
<p>(文責：柴田潤一郎)</p>
<h2>参考文献</h2>
<p>[1] Gillmore JD, Gane E, Taubel J, et al. CRISPR-Cas9 In Vivo Gene Editing for Transthyretin Amyloidosis. N Engl J Med. 2021;385(6):493-502. doi:10.1056/NEJMoa2107454</p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] 柴田潤一郎.「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p>[3] Urnov FD, Miller JC, Lee YL, et al. Highly efficient endogenous human gene correction using designed zinc-finger nucleases. Nature. 2005;435(7042):646-651. doi:10.1038/nature03556</p>
<p>[4] Hütter G, Nowak D, Mossner M, et al. Long-term control of HIV by CCR5 Delta32/Delta32 stem-cell transplantation. N Engl J Med. 2009;360(7):692-698. doi:10.1056/NEJMoa0802905</p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210627/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[5] 柴田潤一郎. 「ゲノム編集で血液疾患を治療する -鎌状赤血球症とβサラセミアに挑む-」</a></p>
<p><a href="https://www.synthego.com/blog/crispr-parkinson-research" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[6] CRISPR in Parkinson’s Disease: Research, Gene Therapy, and Future Possibilities</a></p>
<p>[7] Rambaran RN, Serpell LC. Amyloid fibrils: abnormal protein assembly. Prion. 2008;2(3):112-117. doi:10.4161/pri.2.3.7488</p>
<p><a href="https://www.fda.gov/drugs/postmarket-drug-safety-information-patients-and-providers/aducanumab-marketed-aduhelm-information" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[8] Aducanumab (marketed as Aduhelm) Information</a></p>
<p><a href="https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/17855-amyloidosis-attr" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[9] Amyloidosis: ATTR (transthyretin)</a></p>
<p><a href="https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2017/2017_06_09.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[10] 「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」 （ATTR－FAP）をご存じですか？ ～明日6月10日は「世界ATTR啓発デー」～</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210430/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[11] 柴田潤一郎 「NanoMEDICによるCRISPRの効率化~ナノサイズの分子輸送体がゲノム編集の要となる〜」</a></p>
<p>[12] Büning, H., Schambach, A. A first step toward in vivo gene editing in patients. Nat Med(2021). https://doi.org/10.1038/s41591-021-01476-6</p>
<p><a href="https://jp.reuters.com/article/memphis-meats-funding-idJPKBN1ZL34K" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[11] 培養肉のメンフィス・ミーツ、ソフトバンクなどから1.6億ドル調達</a></p>
<p><a href="https://patentimages.storage.googleapis.com/8e/04/6b/7a99fef38ca41c/US20160251625A1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[12] Method for scalable skeletal muscle lineage specification and cultivation</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210308/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[13] 柴田潤一郎 「Machine learningとCRISPR/Cas9 -バイオインフォマティクスの発展と課題-]</a></p>
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		<title>培養肉が世界を変える！？ -ゲノム編集と食肉の未来に迫る</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210830/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 30 Aug 2021 08:16:18 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>人工培養肉工場の誕生 2021年6月23日、イスラエルのRehovotに本拠地を置くFuture Meat Technologiesが世界で初めて培養肉工場を設立したことを発表した[1]。同社によれば、この工場では一日に [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>人工培養肉工場の誕生</h2>
<p> 2021年6月23日、イスラエルのRehovotに本拠地を置くFuture Meat Technologiesが世界で初めて培養肉工場を設立したことを発表した[1]。同社によれば、この工場では一日に500kgの培養肉を生産でき、これはハンバーガー5,000個分に相当する量であるという。同社CEOである<em>Rom Kshuk</em>氏によれば、この工場での培養肉の生産は、従来の畜産場での生産に比べ、温室効果ガスの排出量が80％、土地の使用量が99％、淡水使用量が96％それぞれ少なく済むそうだ。同社は早くても2022年にこの培養肉を販売することを目標としている。<br />
　そこで今回は、人工培養肉に焦点を当て、人工培養肉がどのようなものであるか、どのような企業が参画しているか、そしてゲノム編集が培養肉研究にどのように利用されているかについて紹介していきたい。</p>
<h2>人工培養肉とは</h2>
<p> 人工培養肉は、英語でcultured meatやclean meatと呼ばれており、その名の通り、人工的に作られた肉のことを指す。（広義の人工肉は、培養肉以外にも植物により作られた代替肉=Fake meatが存在するが、今回は動物性の培養肉のみを扱う。）<br />
この人工培養肉はオランダのMaastricht UniversityのHPにおいて次のように説明されている[2]。<br />
「人工培養肉とは、生きている動物から少ない侵襲で筋細胞を採取し、栄養を与えることで培養させ、筋肉組織へと成長させたものである。この筋肉組織は、生物学的には我々が普段食する肉の主成分である肉組織と同一である」<br />
　つまり、人工培養肉とは、肉の成分を０から人工的に生み出すのではなく、動物の筋肉細胞を動物の体外で人間が食べることができるサイズまで人工的に培養させたものであるといえる。それでは、このような方法を用いて肉を生産することにどのようなメリットがあるのだろうか？</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
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<h2>人工培養肉のメリット</h2>
<p>　人工培養肉のメリットはいくつかあるが、最も大きなものとしては、肉の需要増大に対し、環境に配慮した供給の維持ができることだろう。<br />
世界の人口は発展途上国を中心に造塊の一途を辿っており、今や77億人を突破していると言われている。さらに2030年には85億人、2050年には100億人近くになることが予想されており、とどまることを知らない[3]。そして人口増大に伴って食肉需要も増え続けており、2016年時点で3億1700万トンと推定されている世界の食肉生産量は、2050年までで3分の2以上増加すると国連食糧農業機関（FAO）が予測している[4][5]。<br />
これに対応するため、人類は家畜の品種改良や飼育方法、飼料の改良などを行ってきた。しかし、生産量が増えれば増えるほど、そのために必要な資源の消費も膨大なものとなるため、根本的な解決には至ってこなかった。2010年のとある研究では、1kgの野菜を生産するために必要とされる水のfoot printは約322L、果物では962Lであったのに対し、鶏肉は4,325L、豚肉は5,988L、そして牛肉に至っては15,415Lと膨大な水を必要としていることがわかった[6]。農業は今日世界で使用される水の約70％を占めていると言われているが、これは最大で淡水の92％に相当し、その3分の1近くが食肉生産に関連しているそうだ。そのため、FAOは、増大する食肉生産が世界の水質汚染につながることを懸念している。<br />
また、水だけではなく、家畜を生産するためには広大な敷地や輸送のための燃料など、必要な資源の量は計り知れない。それにも関わらず、世界では毎日推定1億3000万羽の鳥と、400万匹の豚が食肉のために屠殺されているとも言われており、膨大なフードロスの問題を考慮しても、この動物の命が全て望ましい形で活用されているとは言いがたい。<br />
このように食肉にまつわる領域には数多くの問題が存在しており、世界で最も評価の高い五大医学雑誌の一つであるLancetから、肉の摂取控えるように提案する論文が出されたほどだ [7]。この著者であるWalter Willett氏らは、今後の人口増加や変容する食生活を懸念し、持続可能な食料システムの維持ために、(1)国内外での食料問題を考える委員会の設置、(2)大量生産から健康的な食品の生産へのシフトチェンジ、(3)食料生産システムの見直しによる生産性や品質の向上、(4)土地の管理システムの構築、(5)フードロスを50%以上減少させる、といった5つの戦略をデータとともに事細かに提言している。<br />
こうした背景を踏まえ、従来の食肉の代替品としての人工培養肉が近年注目を集めているわけだが、培養肉の具体的なメリットとしては以下のようなものが挙げられるだろう。</p>
<h4>①　培養のために必要な水、飼料を抑え、小さいスペースで生産ができる</h4>
<p>→培養肉は動物そのものを飼育する必要がないため、動物の生存のための水や飼料がかからない。また、研究室・工場レベルのスペースで生産ができるため、必要なスペースは従来よりも大幅に縮小できることが見込める。</p>
<h4>②　動物を屠殺する必要性がない</h4>
<p>→生きた動物から取り出した細胞の培養であるため、動物の過剰な屠殺をせずに済む。</p>
<h4>③　これらの結果、畜産の過程で排出されるCO2やメタンなどの有害物質を低減できる</h4>
<p>→従来よりも消費地に近い場所で生産することで、食肉の生産や加工、輸送において大量に発生する有害物質を抑えたり、牛がゲップとして吐き出すメタンの量を減らしたりできると言われている。</p>
<p>このように、人工培養肉は従来の食肉生産における問題点を大きく改善できる可能性をはらんでいる。近年、あのビルゲイツ氏はじめ、世界の億万長者、グローバル企業のトップらが培養肉に対して多額の投資をしており、世界の食肉業界が大きく変わる日はそう遠くないかもしれない。</p>
<h2>シンガポールにおける人工培養肉の発売</h2>
<p>　ここまで紹介してきた人工培養肉だが、実は海の外のシンガポールでは、すでに販売の道が開かれている。2020年12月、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くEat Justがシンガポール食品庁(SFA)より認可を受け、シンガポール国内で鶏の人工肉の販売をすることができるようになったのだ[8]。同社によると、まずはシンガポール国内レストランでチキンナゲットとしての販売を予定しているという。販売想定価格は$5,000ドルほどとかなり高価であるが、世界最初の人工培養肉がハンバーガー1個分あたり$300,000ほどのコストがかかったことを考えると、Eat Justは食肉問題の解決の大きな第一歩を歩み始めたといっても過言ではないだろう。</p>
<h2>人工培養肉とCRISPR</h2>
<p>　ここでゲノム編集の技術、特にCRISPR/Cas9が人工培養肉において利用されている例についても触れていきたい。<br />
CRISPR/Cas9は、Emmanuelle Charpentier氏とJennifer A. Doudna氏によって開発された現在のゲノム編集の主要な技術である。TALEN, ZFNに続いて第3世代のゲノム編集ツールと呼ばれているCRISPR/Cas9は、対象のDNAを塩基配列特異的に切断し、目的の遺伝子を欠損（ノックアウト）させることで形質発現を操作できる。さらに、DNA切断に伴う修復機構を利用すれば、逆に外部からドナーDNA を導入することで目的の遺伝子を発現させることもできる。(CRISPR/Cas9についての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[9]。)<br />
そして最初に述べたように、人工培養肉の基本的な仕組みは動物の筋肉細胞・組織培養である。筋肉細胞を、細胞の増殖・分化を促進する成長因子と、細胞が成長するのに好ましい培地を与えることで培養させるができる。ここでおそらく誰もが考えることの一つとして、「どのようにして素早い培養を可能にするか」ということであろう。<br />
これに対する簡単な答えは、<br />
<strong>①筋肉細胞そのものの増殖速度を速める<br />
②成長因子、培地をより効率的なものに改良する</strong><br />
のいずれかが挙げられるが、そのそれぞれに対し、CRISPR/Cas9を用いて解決しようとしているスタートアップが既にいくつか存在している。ここでは①、②の観点から開発を行う企業を一つずつ紹介しよう。</p>
<h2>①UPSIDE Foods (旧Memphis Meats)</h2>
<p> UPSIDE Foodsは2015年に設立されたアメリカ、サンフランシスコを拠点とするスタートアップである[10]。創業者は心臓外科医のUma Valeti氏と生物学者のNicholas Genovese氏である。同社は2017年3月に人工家禽肉の生産に成功した企業であり、昨年ソフトバンクなどから1億6100万ドルという巨額の資金を調達したことも記憶に新しい[11]。<br />
 彼らの技術の最大の特徴は、培養肉の生産にあたり、培養する細胞そのものに対してCRISPR/Cas9の技術を適応していることにある。2016, 2017年に特許協力条約（Patent Cooperation Treaty、PCT)に提出された資料[12][13]によれば、彼らは取り出した細胞から、細胞周期の停止に関わるタンパク質である<em>Rb</em>遺伝子をCRISPR/Cas9によって不活化させることによって細胞周期を活性化させたり、<em>p15</em>や<em>p16</em>遺伝子を不活化させてテロメラーゼ（細胞の寿命に関与するテロメラを伸張させるタンパク質）を活性化させたりして、筋肉細胞を効率よく増殖させる技術を特許申請している。さらに、この技術は比較的規制の厳しい遺伝子組み換え生物(GMO)とは異なり、遺伝子の変異・欠失のみを起こすことで目的の形質を獲得するゲノム編集生物（non-GMO）の一種であるため、安全で効率の良い生産が可能であるとされている。(ゲノム編集食品と遺伝子組み換え食品の違いについての詳細はセツロテックMEDIAに掲載の筆者執筆の記事を参考にされたい[14]。)<br />
　UPSIDE Foodはまさに、先に紹介したEat Justと並んで今最も人工培養肉の流通を実現させる可能性が高い企業の一つであると言えるだろう。</p>
<h2>②Core Biogenesis</h2>
<p>　Core Biogenesisは2020年に設立されたフランスのスタートアップである。同社は、Alexandre Reeber氏、Chouaib Meziad氏という2人の若手研究者によって設立され、神経変性疾患に対する細胞治療、培養肉生産のための成長因子開発、そしてmRNA生成に関する酵素開発という3つをプラットフォームとする企業である[15]。2020年12月にはXAngeなどの複数企業から計3億円以上の資金調達を行い、注目を集めた[16]。<br />
彼らが培養肉業界で注目を集めている理由は、彼らのゲノム編集の対象が、培養する筋肉細胞ではなく、培地の成長因子であるからだろう。成長因子は、培養肉の増殖に用いる培地の中でも最もコストのかかるものとして知られているが[17]、彼らによれば、成長因子を生産する植物に対してCRISPR/Cas9によるゲノム編集を適応させることで、成長因子を従来の25倍もの効率で生産することができるという[18]。また、これにより培養肉生産にかかるコストは従来の10分の1にまで減らすことができるそうだ。<br />
　Core Biogenesisは設立後間もない企業ではあるが、今後成長因子の需要が増大するに伴い、巨大なマーケットを牽引する企業となっていくことが期待できる。</p>
<h2>人工培養肉の未来</h2>
<p>　今回は人工培養肉について紹介した。この記事を読んだ貴方は人工培養肉を食べてみたいと感じただろうか？興味はあるが、同時に得体の知れないものを口にする怖さもあるのではないだろうか。(筆者もその一人である。)<br />
　日本に住んでいると、その食物の豊かさゆえに、世界では食肉に関する問題が起きていることなど知る由もない。しかし、ひとたび視野を広げると、人口増加に伴う食糧問題は肉に限らずたくさん発生しており、それに伴って最新の技術を用いて問題解決を試みる研究者・企業も数多く存在している。我々日本人も、地球に住む一員としてこうした問題に関心を持ち、解決策を考えていく姿勢が大切だろう。その結果、食卓に人工培養肉のような選択肢が生まれることは非常に興味深い。今後もゲノム編集を用いた人工培養肉の研究に目が離せない。</p>
<p>(文責：柴田潤一郎)</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="https://www.prnewswire.com/news-releases/future-meat-technologies-launches-worlds-first-industrial-cultured-meat-production-facility-301317975.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] Company opens the first industrial cultured meat facility, with immediate outlook toward U.S. expansion</a></p>
<p><a href="https://culturedbeef.org/what-cultured-meat" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] What is Cultured Meat</a></p>
<p><a href="https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/33798/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[3] 世界の人口推計2019年版</a></p>
<p><a href="https://www.theguardian.com/news/2018/may/07/true-cost-of-eating-meat-environment-health-animal-welfare" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[4] What is the true cost of eating meat?</a></p>
<p><a href="https://ourworldindata.org/global-land-for-agriculture" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[5] Hannah Ritchie, &#8220;Half of the world’s habitable land is used for agriculture &#8220;, Our World in Data, Nov. 11, 2019.</a></p>
<p>[6] Mekonnen, Mesfin &#038; Hoekstra, Arjen. (2010). The green, blue and grey water footprint of farm animals and animal products. American Journal of Hematology &#8211; AMER J HEMATOL.</p>
<p>[7] Willett W, Rockström J, Loken B, et al. Food in the Anthropocene: the EAT-Lancet Commission on healthy diets from sustainable food systems [published correction appears in Lancet. 2019 Feb 9;393(10171):530] [published correction appears in Lancet. 2019 Jun 29;393(10191):2590] [published correction appears in Lancet. 2020 Feb 1;395(10221):338] [published correction appears in Lancet. 2020 Oct 3;396(10256):e56]. Lancet. 2019;393(10170):447-492. doi:10.1016/S0140-6736(18)31788-4</p>
<p><a href="https://www.businesswire.com/news/home/20201201006251/en/Eat-Just-Granted-World%E2%80%99s-First-Regulatory-Approval-for-Cultured-Meat" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[8] Eat-Just-Granted-World’s-First-Regulatory-Approval-for-Cultured-Meat</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[9] 柴田潤一郎.「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p><a href="https://www.upsidefoods.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[10] UPSIDE Foods</a></p>
<p><a href="https://jp.reuters.com/article/memphis-meats-funding-idJPKBN1ZL34K" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[11] 培養肉のメンフィス・ミーツ、ソフトバンクなどから1.6億ドル調達</a></p>
<p><a href="https://patentimages.storage.googleapis.com/8e/04/6b/7a99fef38ca41c/US20160251625A1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[12] Method for scalable skeletal muscle lineage specification and cultivation</a></p>
<p><a href="https://patentimages.storage.googleapis.com/e7/9b/35/7f2b2deb7d0eee/WO2017124100A1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[13] Methods for extending the replicative capacity of somatic cells during an ex vivo cultivation process</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201217/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[14] 柴田潤一郎.「食料問題にCRISPR/Cas9で立ち向かう -ゲノム編集の実益と規制のあり方-」</a></p>
<p><a href="https://corebiogenesis.com/#platform" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[15] Core Biogenesis</a></p>
<p><a href="https://www.greenqueen.com.hk/french-startup-core-biogenesis-secures-usd-3-1m-to-scale-growth-factors-for-cell-based-meat/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[16] French Startup Core Biogenesis Secures US$3.1M To Scale Growth Factors For Cell-Based Meat</a></p>
<p><a href="https://gfi.org/blog/dr-peter-stogios-growth-factor-research/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[17] Growth factor research is key to making cell-based meat affordable</a></p>
<p><a href="https://www.joinef.com/companies/core-biogenesis/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[18] Using  plants  as  biofactories  to  produce  high-value  molecules  10  times  cheaper</a></p>
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			</item>
		<item>
		<title>ゲノム編集で血液疾患を治療する -鎌状赤血球症とβサラセミアに挑む-</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210627/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 27 Jun 2021 04:14:49 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>2021年6月11日、第26回欧州血液学会議において、Vertex Pharmaceuticals Incorporatedと CRISPR Therapeuticsの2社により、ある血液疾患の患者22名のPhase1/ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>2021年6月11日、第26回欧州血液学会議において、Vertex Pharmaceuticals Incorporatedと CRISPR Therapeuticsの2社により、ある血液疾患の患者22名のPhase1/2臨床試験の中間結果が公表された[1]。その疾患はβサラセミア、鎌状赤血球症と呼ばれる２つの疾患であり、いずれも赤血球産生異常を引き起こす遺伝性疾患である。この臨床試験の特筆すべき点は、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9を用いているという点であり、既存の治療とは異なる画期的な治療として注目を集めている。</p>
<p>今回はこちらの臨床試験を中心に、血液疾患に対するゲノム編集治療に迫っていきたい。</p>
<h2>βサラセミア、鎌状赤血球症とは？</h2>
<p>まずは血液、特に赤血球について簡単に振り返っておこう。</p>
<p>血液は生物の生存に欠かせない重要な物質であり、人間であれば体重の約8%を占める（体重60kgの人であれば5L程度）。そのうち約45%が細胞成分であり、細胞成分のうちの大多数を赤血球が占めている。</p>
<p>赤血球のうち、肺から全身の組織へ酸素を運搬する役割を担っている主要なタンパク質をヘモグロビンと呼ぶ。ヘモグロビンは、4つのヘムと4つのグロビンという構造物からなる。ヘムは中心に1つの鉄原子を持ち、1つあたり酸素1分子と結合することができ、グロビンは健常な成人ではαグロビン、βグロビンの2つずつ、計4つからなっている。これらがアロステリック効果(タンパク質の機能が他の化合物によって調節される現象）を引き起こし、酸素の多い場所(=肺)では酸素と結合し、酸素の少ない場所(=末梢組織)では酸素を乖離することで、赤血球は全身に酸素を運搬する機能を果たしている。</p>
<p>なお、胎児・新生児期にはβ鎖の代わりにγ鎖が産生され、成人の赤血球よりも酸素との結合能の高いヘモグロビン(=ヘモグロビンF)が産生される（実はこれが今回の治療のミソであるため、覚えておいていただきたい）。</p>
<p>それでは次に、今回の臨床試験の対象となった2つの貧血疾患、βサラセミアと鎌状赤血球症について説明していこう。</p>
<h2>βサラセミア</h2>
<p>βサラセミアはその名前の通り、βグロビン遺伝子の変異または欠失により、ヘモグロビンのうち、βグロビンに合成障害が起こる先天性溶血性貧血の一種である[2]。βサラセミアは、地中海沿岸や中東、東南アジアなどに祖先をもつ人々に多いと言われており、世界で約10万人の患者がいると推定されている。</p>
<p>βサラセミアでは、βグロビンの遺伝子の欠失レベルや症状の程度により、①ヘテロ接合体に生じ、通常は自覚症状がなく、軽度から中等度の小球性貧血がみられるβサラセミア minor（trait）、②ホモ接合体または重度の複合ヘテロ接合体に生じ、重度のβグロビンの欠乏に起因するβサラセミア major、③サラセミアminorとmajorの中間の様々な臨床像を生じるβサラセミアintermediaの3つに分類されている。中でも、βサラセミアmajorは、1～2歳までに発症し，重度の貧血に加え、輸血および吸収増加による鉄過剰症を呈するほか、黄疸や下肢潰瘍、胆石症、脾腫、病的骨折、成長障害が生じることも珍しくない。</p>
<p>要するに、βサラセミアは赤血球を構成するパーツのうちの一部分（βグロビン）が遺伝子異常により正常に産生できないため、全身への酸素運搬が十分にできない病態を示すのだ。</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
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</div>
<h2>鎌状赤血球症</h2>
<p>鎌状赤血球症はSickle cell disease (SCD)と呼ばれる慢性溶血性貧血の1種である[3]。βグロビンの6番目のアミノ酸であるグルタミン酸がバリンに置換されていることで異常なヘモグロビン（=ヘモグロビンS）を産生することが原因とされている。患者のほとんどがアフリカ系の黒人であり、毎年世界で約30万人の鎌状赤血球症の新生児が誕生すると言われている。</p>
<p>症状としては重度の貧血や虚血に加え、血管閉塞やそれに伴う梗塞症状がある。血管閉塞の結果、急性胸部症候群や四肢の疼痛などを引き起こし、しばしば致命的となる。</p>
<p>なお、ほとんどの症状はホモ接合体の患者にのみ見られることが知られており、ヘテロ接合体で症状が見られない場合をSick cell trait (SCT)と呼ぶ。</p>
<p>以上のように、サラセミア、鎌状赤血球症の2つの疾患は、いずれもβグロビンの遺伝的な産生異常によるものであり、新生児期以降の患者にしばしば重篤な症状をもたらす。また、患者数が多いにもかかわらず、現時点では造血幹細胞移植以外の根治的な治療は無いため、患者数の多いアフリカは特に大きな問題となっている疾患である。</p>
<p>それでは今回のVertex Pharmaceuticals Incorporatedと CRISPR Therapeuticsが発表した臨床試験では、どのようにしてCRISPR/Cas9を用いた治療薬を開発したのだろうか？　両社のプレスリリースおよび論文からその秘密を紐解いていこう。</p>
<h2>CRISPR/Cas9の概説</h2>
<p>それでは、本題のVertex Pharmaceuticals Incorporatedと CRISPR Therapeuticsの研究について見ていこう。</p>
<p>まず、βサラセミア、鎌状赤血球症に対する両社の治療薬の研究結果は、2019年11月に初めて公開された[5]。両社が開発したのは、βサラセミア、鎌状赤血球症の患者の造血幹細胞を取り出し胎児のヘモグロビンFの産生を抑制するBCL11A遺伝子を、CRISPR/Cas9を用いて欠失させ、それを自家移植することで、患者に赤血球結合能の高いヘモグロビンFを産生させるというメカニズムの治療薬である。彼らはこの治療薬をCTX001と名付け、ドイツにおいてフェーズ1/2臨床試験を開始した。</p>
<p>2019年11月に公開されたのは、このうち、最初に行われたβサラセミアの患者と鎌状赤血球症の患者1名ずつに対する治療の中間報告である。このうちβサラセミアの患者は、治療前は1年に16.5回の輸血が必要なほどであったが、CTX001の注入後は9か月間輸血なしに、鎌状赤血球症の患者は、治療前は7回の血管閉塞イベントを発症するほどであったが、CTX001の注入後は4ヶ月間血管閉塞症のないまま経過を辿ったことが確認された。さらに、βサラセミアの患者では、総ヘモグロビンレベルが11.9 g/dLに上昇し、うち胎児ヘモグロビン（HbF）レベルが84.8％、鎌状赤血球症の患者では、総ヘモグロビンレベルが11.3 g/dLに上昇し、うち胎児ヘモグロビン（HbF）レベルが84.8％と、どちらの患者でも、有効性を示すチェックポイントを超える結果となった。しかし、この時点では、患者がたった2名であること、追跡期間が短いことが問題視されており、追加試験による検討の必要性が挙げられていた。(最終的にはこのフェーズ1/2臨床試験は45名ずつの患者が登録される予定であり、現在も進行中である[6][7]。)</p>
<p>そして、この2名の患者については、2021年1月に入りThe New England Journal of Medicine (NEJM) において、さらなる追跡結果が報告された[8]。この報告によれば、βサラセミアの患者は論文投稿時点で21.5ヶ月間の追跡を受けており、その間、治療との因果関係の証明されていない肺炎を含めて、何度か有害事象が発生したものの、いずれも治療により改善し、ヘモグロビンレベルは正常値を保っているという。鎌状赤血球症の患者も16.6か月間の追跡を受けており、好中球減少症、胆石症などの有害事象が発生したものの、治療により改善し、ヘモグロビンレベルは正常値を保っているという。</p>
<h2>欧州医薬品庁(EMA)による優先医薬品指定と欧州血液学会議での追加報告</h2>
<p>以上のような経過を受けて、欧州医薬品庁(EMA)は2021年4月、CTX001を新たに優先医薬品(PRIME)に指定した[9]。これまでにもCTX001は、EMAからの希少疾病用医薬品の指定、米国食品医薬品局（FDA）から再生医療先進療法（RMAT）、ファストトラック、希少疾病用医薬品、および希少疾病用医薬品の指定を受けており、CTX001への熱い期待が伺える格好となっている。</p>
<p>さらに2021年6月、冒頭にも紹介した第26回欧州血液学会議においてさらなるCTX001の臨床試験結果が報告された[1]。この報告では、βサラセミア、鎌状赤血球症の患者計22名の経過が報告されたが、どの患者も経過は比較的良好であり、たった1回限りのCTX001の治療で、治療前よりもヘモグロビンレベルが上昇・維持されているという。さらにそのうち7人は治療後1年以上の追跡が行われているが、いずれも安定した結果を示しているという。</p>
<p>現在はまだ臨床試験の途中であるため、手放しにこれらの結果を喜ぶことはできないが、今後の試験の結果に期待したい。</p>
<h2>CRISPR/Cas9を利用した治療の未来</h2>
<p>今回紹介したCRISPR/Cas9による疾患の治療研究はほんの一握りである。ほかにも、スイスのCRISPR社による多発性骨髄腫治療薬、米国インテリア社の急性骨髄性白血病治療薬など、血液疾患だけでも数多くのCRISPR/Cas9を応用した研究が進められている。</p>
<p>このように、従来は造血幹細胞移植のみが根治的な治療法であった疾患に対し、ゲノム編集による治療は非常に有意義なものとなるだろう。それは、造血幹細胞移植が血液型などの一致するドナーを必要とするのに対し、今回紹介したCTX001であれば、自家移植(患者本人の細胞を利用する)を行うことができるため、ドナー不足の問題や治療後の拒絶反応が比較的小さく済むことが予想されるからだ。</p>
<p>もちろんこの研究にかかる費用は並大抵のものでは済まないだろう。しかし、元々は微生物の免疫機構として発見されたCRISPR/Cas9が人類の難病治療に応用されるというのは、まさに基礎研究と臨床研究を繋いだ夢のある話と言える。今後もゲノム編集の応用研究から目が離せない。</p>
<p>(文責：柴田潤一郎)</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="http://www.crisprtx.com/about-us/press-releases-and-presentations/vertex-and-crispr-therapeutics-present-new-data-in-22-patients-with-greater-than-3-months-follow-up-post-treatment-with-investigational-crispr-cas9-gene-editing-therapy-ctx001-at-european-hematology-association-an" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] CRISPR Therapeutics. &#8220;Vertex and CRISPR Therapeutics Present New Data in 22 Patients With Greater Than 3 Months Follow-Up Post-Treatment With Investigational CRISPR/Cas9 Gene-Editing Therapy, CTX001™ at European Hematology Association Annual Meeting&#8221;</a></p>
<p><a href="https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/11-%E8%A1%80%E6%B6%B2%E5%AD%A6%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E8%85%AB%E7%98%8D%E5%AD%A6/%E6%BA%B6%E8%A1%80%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%B2%A7%E8%A1%80/%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[2] MSDマニュアルプロフェッショナル「サラセミア」</a></p>
<p><a href="https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/11-%E8%A1%80%E6%B6%B2%E5%AD%A6%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E8%85%AB%E7%98%8D%E5%AD%A6/%E6%BA%B6%E8%A1%80%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%B2%A7%E8%A1%80/%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[3] MSDマニュアルプロフェッショナル「サラセミア」</a></p>
<p><a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-201204/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[4] 柴田潤一郎 「CRISPR/Cas9技術を応用したがん治療の未来 -ノーベル賞受賞技術の共演はあるのか-」</a></p>
<p>[5] Zipkin M. CRISPR&#8217;s &#8220;magnificent moment&#8221; in the clinic [published online ahead of print, 2019 Dec 6]. Nat Biotechnol. 2019;10.1038/d41587-019-00035-2. doi:10.1038/d41587-019-00035-2</p>
<p><a href="https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03655678" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[6] ClininalTrials.gov. “A Safety and Efficacy Study Evaluating CTX001 in Subjects With Transfusion-Dependent β-Thalassemia”</a></p>
<p><a href="https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03745287" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[7] ClininalTrials.gov. “A Safety and Efficacy Study Evaluating CTX001 in Subjects With Severe Sickle Cell Disease”</a></p>
<p>[8] Frangoul H, Altshuler D, Cappellini MD, et al. CRISPR-Cas9 Gene Editing for Sickle Cell Disease and β-Thalassemia. N Engl J Med. 2021;384(3):252-260. doi:10.1056/NEJMoa2031054</a></p>
<p><a href="http://ir.crisprtx.com/news-releases/news-release-details/vertex-and-crispr-therapeutics-announce-priority-medicines-prime" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[9] CRISPR Therapeutics. &#8220;Vertex and CRISPR Therapeutics Announce Priority Medicines (PRIME) Designation Granted by the European Medicines Agency to CTX001™ for Transfusion-Dependent Beta Thalassemia&#8221;</a></p>
<p><a class="a2a_button_facebook" href="https://www.addtoany.com/add_to/facebook?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-210627%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A7%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%82%92%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%99%E3%82%8B%20-%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87%E3%81%A8%CE%B2%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80-" title="Facebook" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_twitter" href="https://www.addtoany.com/add_to/twitter?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-210627%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A7%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%82%92%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%99%E3%82%8B%20-%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87%E3%81%A8%CE%B2%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80-" title="Twitter" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_line" href="https://www.addtoany.com/add_to/line?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-210627%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A7%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%82%92%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%99%E3%82%8B%20-%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87%E3%81%A8%CE%B2%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80-" title="Line" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_hatena" href="https://www.addtoany.com/add_to/hatena?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-210627%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A7%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%82%92%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%99%E3%82%8B%20-%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87%E3%81%A8%CE%B2%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80-" title="Hatena" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_button_linkedin" href="https://www.addtoany.com/add_to/linkedin?linkurl=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-210627%2F&amp;linkname=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A7%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%82%92%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%99%E3%82%8B%20-%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87%E3%81%A8%CE%B2%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80-" title="LinkedIn" rel="nofollow noopener" target="_blank"></a><a class="a2a_dd addtoany_share_save addtoany_share" href="https://www.addtoany.com/share#url=https%3A%2F%2Fwww.setsurotech.com%2Fmedia%2Fcrispr-210627%2F&#038;title=%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A7%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%82%92%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%99%E3%82%8B%20-%E9%8E%8C%E7%8A%B6%E8%B5%A4%E8%A1%80%E7%90%83%E7%97%87%E3%81%A8%CE%B2%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80-" data-a2a-url="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210627/" data-a2a-title="ゲノム編集で血液疾患を治療する -鎌状赤血球症とβサラセミアに挑む-"></a></p>The post <a href="https://www.setsurotech.com/media/crispr-210627/">ゲノム編集で血液疾患を治療する -鎌状赤血球症とβサラセミアに挑む-</a> first appeared on <a href="https://www.setsurotech.com">株式会社セツロテック</a>.]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>ゲノム編集がHIV感染の根治に名乗り出る</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210613/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 13 Jun 2021 05:30:44 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>HIVの今 昨今、各地の保健所は新型コロナウイルスの感染者対応に追われており、HIV抗体検査を中止する例が相次ぐ。エイズ動向委員会による調査では、2019年と比べて新型コロナウイルスが流行した2020年はHIV抗体検査件 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>HIVの今</h2>
<p>昨今、各地の保健所は新型コロナウイルスの感染者対応に追われており、HIV抗体検査を中止する例が相次ぐ。エイズ動向委員会による調査では、2019年と比べて新型コロナウイルスが流行した2020年はHIV抗体検査件数が半減した[1]。保健所の手が回らないこともそうだが、感染を考慮して検査を控える人が増えたことも検査数が減少した原因の1つだろう。</p>
<p>HIVとはHuman Immunodeficiency Virus (ヒト免疫不全ウイルス) の略称でHIV感染とは体内にHIVが存在している状態のことだ。自覚症状がほとんどないため、本人が感染したことに気づくのは困難だ。HIVと併せて耳にすることが多いAIDSはAcquired Immunodeficiency Syndrome (後天性免疫不全症候群) の略称でHIV感染によって身体の免疫力が下がり、日和見感染症といった様々な合併症を発症した状態を指す。日和見感染症とは普段なら病気を起こさないような弱いカビ、細菌、ウイルスなどの病原体を免疫力の低下から、抑えきれずに感染症を発症してしまうことで、厚生労働省が定めた23の合併症 (カンジダ症など) の発症が確認されるとAIDSと診断される[2]。 </p>
<p>1981年に最初のAIDS症例が報告されて以来、HIV感染は世界中へ急激に広がり、不治の病として恐れられていた。現在では体内のHIVを完全に取り除くことはできないものの、医療の進歩によってコントロール可能な病気へと変わりつつあるため、HIV感染に対して危機感を持つ人は昔と比べると減少傾向にあることが伺える。しかし、厚生労働省エイズ動向委員会の調べによると、日本国内でHIVに感染もしくはAIDSを発症した患者数は年に1,500人前後と報告されている[3]。近年HIV感染者数が増加、もしくは横ばいの状態が続くことは主要先進国では珍しい。また、AIDS発症により初めてHIV感染が判明する、「いきなりエイズ」の例も少なくない。AIDS発症後からの治療は、発症前から始める際と比べて困難になるため、HIV感染を早期に発見して治療につなげることがより高い治療効果を得るためにも重要である。</p>
<p>愛知県ではHIV抗体検査件数の減少を受け、検査希望者が他者を介さずに自らできる無料の検査、iTestingの導入を進めている[4]。このように早期発見、早期治療と医療技術の進歩によりHIV感染は不治の病から慢性疾患に変化しつつあるわけだが、今回はゲノム編集技術によりHIV感染を根治させることに焦点を当ててご紹介したい。</p>
<h2>HIVとは</h2>
<p>前述の通り、HIVが体内に存在している状態がHIV感染だが、この感染経路は主に性的接触、母子感染 (妊娠中、出産時、母乳を介してなど) 、血液を介して (輸血、臓器移植など)の3つである。そのため、血液や体液を介した接触が無い限り、日常生活でHIVに感染する可能性は限りなく低い。HIV感染初期は無症状または発熱や喉の痛みといったインフルエンザに似た症状が見られるものの、多くの場合自然に軽快するため、感染に気付きにくい。その後、自覚症状がないまま体内の免疫力低下が進む無症候期を数年～10年間ほど経て、日和見感染症などの指標疾患を発症することでAIDS発症と診断される[2]。</p>
<p>HIVは直径約110 nmのエンベロープを有するRNAウイルスで、レトロウイルス科のレンチウイルス属に属する。レトロウイルスはウイルスゲノムRNAを逆転写酵素によってDNAに変換し、さらにそのDNAを宿主細胞の染色体へ組み込むという特徴を持つ。レトロウイルスの中でより構成が複雑なものをレンチウイルスと呼び、レンチウイルスは分裂・非分裂細胞のどちらにも効率よく感染する。また、ゲノムが宿主の染色体に組み込まれる性質から顕性症状を起こす前に何年も複製を続けられる。</p>
<p>HIVは特定の細胞種に侵入する能力、細胞指向性を持ち、CD4陽性T細胞に結合しやすい。HIVのライフサイクルに着目すると、まず、ウイルス粒子がT細胞のCD4と補助レセプターに結合することで、ウイルスエンベロープが細胞膜と融合してウイルス遺伝子が細胞内に挿入される。その後、逆転写酵素が挿入されたウイルスRNAゲノムをコピーして作られた二本鎖ウイルスcDNAが核内の宿主DNAに組み込まれる。T細胞が活性化すると、転写因子のNFκBとNFATの発現が誘導されてプロウイルスのLTRに結合することからHIVの転写が開始する。ウイルスゲノムの両端に存在するLTR (long terminal repeat) は宿主遺伝子へのプロウイルスの組み込みに必要で、ウイルス遺伝子発現を調整する制御タンパク質の結合部位を有する。HIVの転写が開始され、転写物が何回かスプライシングを受けて、初期遺伝子であるtatやrevの翻訳ができるようになる。TatはウイルスRNAの転写増強、Revは非スプライシングあるいは1回スプライシングしたウイルスRNAの細胞質への輸送促進を担う。さらに、後期タンパク質のGag、Pol、Envが翻訳されてウイルス粒子を形成し、細胞を出芽する。このように、HIVは免疫細胞を標的として緩やかに増殖する。ちなみにGag構造タンパク質はウイルスコア、Polはウイルスの複製と組み込みに必要な酵素、Envはウイルスエンベロープ糖タンパク質である[5]。</p>
<div style="margin:15px 0; float:left; width:100%">
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</div>
<h2>HIVの治療法</h2>
<p>現在、HIV患者に対して最も行われている治療法はcART (併用抗レトロウイルス薬療法) またはARTと呼ばれ、これはHIVのRNA量を検出限界以下に抑え続けることを目標に抗HIV薬を2剤あるいは3剤以上を併用する治療法だ。最近では早期治療が予後をより改善するとの知見が示され、CD4陽性リンパ球数に依らず、早急な治療開始が勧められている[6]。抗HIV薬の中でHIVを抑制する効果がより強力な薬剤をキードラッグ、キードラッグを補足しウイルス抑制効果を高める役割をもつ薬剤をバックボーンと呼び、初回治療ではキードラッグ1剤 (PIもしくはINSTI) とバックボーン2剤 (NRTI) の組み合わせが推奨されている[7]。 </p>
<p>NRTI (ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬) は五炭糖の3’ 部分の水酸基を欠いた修飾ヌクレオシドからなる。活性化されてリン酸基付加ヌクレオチド型になると、逆転写酵素により伸長しつつあるHIVのDNA鎖内に正常なヌクレオチドの代わりに組み込まれる。けれど、3’ 部分の水酸基の欠如から次に結合するべきヌクレオチドが結合できず、結果としてウイルスDNAの伸長を阻害する。また、HIV機能タンパク質は、複合タンパク質として産生されてからHIV固有のプロテアーゼによって切断されて、はじめて機能を発揮する。PI (プロテアーゼ阻害薬) はこのプロテアーゼの酵素活性部位に結合し、活性を消失させることでウイルスが完成型となれずに感染力を失わせることができる。そして、INSTI (インテグラーゼ阻害薬) はHIVの複製に欠かせない酵素の1つであるHIVインテグラーゼの触媒活性を阻害することが可能だ。</p>
<p>個々の患者に応じて各抗HIV薬の組み合わせは選択される。また、抗HIV薬は今なお改良されているため、副作用が少なく、服薬も1日1回1錠で十分、と昨今患者にとっての負担が軽減されている[8]。 </p>
<h2>HIVの根治に向けて…</h2>
<p>このような治療法の確立により、HIV感染症は不治の病から慢性疾患へと変化し、昔のように恐れられることは少なくはなった。しかし、HIVが増殖過程で感染細胞の染色体にウイルス遺伝子を組み込む性質を持つことや、HIVが潜伏感染した細胞を感染者の体内から排除することが難しいことから、現状では完治は不可能だ。そのため、感染した場合にはARTにおける抗HIV薬の服薬を一生続けていかなければならない。今回はゲノム編集技術の1つ、CRISPR-Cas9を用いてHIV根治への道を切り拓く2つの研究について紹介する。</p>
<h2>HIV調節遺伝子を標的とするRNA-guided CRISPR-Cas9</h2>
<p>1つ目は前述のHIV調節遺伝子、tatとrev遺伝子を標的とするRNA-guided CRISPR-Cas9を設計したという研究だ。RNA-guided 、gRNAとはCRISPRの系において、Cas9タンパク質を染色体上の標的DNA配列に導くRNAであり、CRISPRのDNA配列特異性を決める。</p>
<p>ナイーブT細胞はART抑制下で潜在的なHIV-1 (血清学的・遺伝学的性状から、HIVはタイプ1とタイプ2に大別され、世界流行の最も主要な原因であるのがHIV-1) を保持しており、ARTを止めると急速なウイルスのリバウンドが起こる。そのため、ナイーブT細胞を意図的に再活性化させ、ウイルスタンパク質を生成し始めた所でARTの標的にする ”Shock and Kill” という治療法が編み出された。詳細に説明すると、HDACi (ヒストン脱アセチル化酵素) の阻害剤を用いて潜伏状態にあるリザーバー (病原巣) 細胞内のHIVを活性し、ARTを併用することでHIVの排除を試みる。しかし、再活性化した感染細胞の排除には至らなかったことから、プロウイルスゲノムの直接破壊が必要だという結論に至った。<br />
HIVが活性化した後、後期の転写が成功するかどうかはTatとRevの発現に依存する。これらの遺伝子は活性化T細胞においては非常に高いウイルス遺伝子発現、ナイーブT細胞ではプロウイルスの潜伏状態維持、とHIV複製に関して重要な役割を担う厄介な存在である。まず、TatとRevの特定のDNA配列を認識するgRNAを含んだCRISPR-Cas9を構築し、HIV-1制御タンパク質発現への影響を調べた。FLAGタグつきのHIV-1 NL4-3 tatかつrevを搭載したレンチウイルスベクターを細胞に感染させ、実際のHIV-1感染を模倣した細胞を用意した。用意されたFLAG結合のTatとRev発現HEK293T細胞株に、設計したgRNAを含むS.pyogenes Cas9ヌクレアーゼを発現するレンチウイルスベクターをMOI10で導入した。MOIとは多重感染度のことで、1細胞に感染するレンチウイルス粒子の数である。導入後、ウエスタンブロットで解析したところtat およびrev-CRISPRはWT (非導入細胞)に比べて、TatおよびRevの発現と機能が失われたことがわかった。</p>
<p>また、HIV-1プロウイルスゲノム内のCRISPR-Cas9のヌクレアーゼ活性を確認するためにCRISPRを導入した細胞のオンターゲット塩基配列を比較したところ、tat は96.4％、rev は96.7％変異が成功していた。変異の種類としては欠失が最も多く、次いで挿入、インデルの組み合わせ、置換だった。このことから、様々なタイプの変異がCas9のDSB部位 (DNA2本鎖切断部位) に正確かつ高頻度に見られたことが伺える。</p>
<p>ちなみに、CRISPR-Cas9の認識機構は配列ミスマッチを許容することがある。PAM (プロトスペーサー隣接モチーフ：CRISPR-Cas9システムの特異性は、標的配列直下のこの配列に依存する) 領域より遠位では、目的遺伝子とは異なる配列上で切断と変異導入が起きるオフターゲット変異が起きやすく、それが細胞死につながる。そこで、細胞生存率からＴ細胞に対するCRISPR-Cas9システムの影響を調べたところ、細胞数が変わらないことがわかった。さらに、オンターゲットでは変異が見られたもののオフターゲットでは切断産物が見られなかったことから、CRISPR-Cas9を導入しても細胞の生存率に変化はなく、検出可能なオフターゲット変異も生じなかったことが明白となった。<br />
最後に、HIV-1のLAV株を保有するヒトCD4陽性T細胞株 (L-2細胞) にgRNA-CRISPR-Cas9を導入し、HIVの複製をWTと比較すると、放出されるp24キャプシドタンパク質の量が有意に低かった。また、HIV-1から env と nef を除いたR7株を潜伏感染させたJurkat CD4陽性T細胞クローン (J-Lat 10.6細胞) にもgRNA-CRISPR-Cas9を導入した。J-Lat 10.6細胞は転写装置がHIV-1 LTRプロモーターにアクセスできないようにクロマチン構造が改変された細胞で、クロマチンが再構築されるとプロモーターへアクセスできるようになり、ウイルスタンパク産生を開始する。こちらの導入結果も、WTと比較するとHIVの複製が有意に低かったことから、CRISPR-Cas9は持続感染および潜伏感染したヒトCD4陽性T細胞におけるHIV-1複製を抑制したことが証明された。</p>
<p>以上に挙げた研究成果からCRISPR-Cas9がHIV-1の制御遺伝子を特異的に標的とし、ウイルスの複製を抑制するために利用できる可能性が示された[9]。 </p>
<h2>LASER ARTとCRISPR-Cas9の併用処置</h2>
<p>2つ目に紹介したいのが、LASER ARTに加えてCRISPR-Cas9を処置することでHIV感染したヒト化マウスのHIV-1リバウンドを阻止できたという研究だ。HIV-1治療では組み込まれたプロウイルスDNAやウイルス保有細胞を細胞毒性反応なしに除去することが重要な課題である。より効率的な治療を可能にするために開発されたのがLong-acting Slow-Effective Release ART (LASER ART)だ。ドルデグラビル (DTG：INSTIの一種) とラミブジン (３TC：NRTIの一種)、アバカビル (ABC：NRTIの一種)のプロドラッグとしてミリスチン酸によるエステル化で合成された。プロドラッグとはそれ自体に薬理作用はないものの生体内で代謝されることで活性物質に変化し、薬効を現す薬だ。LASER ARTは長時間作用型の疎水性抗レトロウイルスナノ粒子がウイルス複製を阻害するのを促進する。</p>
<p>実験に入る前にNSGマウスにヒト造血幹細胞 (HSC) を再構成し、HIV-1に感染しやすいヒトT細胞をマウス内に産生させて、HIV-1に感染したヒト化マウスの作成を行った。また、HIV-1のLTRプロモーター領域を標的とするgRNAと、gag遺伝子を標的とするgRNAからgRNAの設計を行い、HIV-1の複数の組織での導入効率が高いことからAAV9がCRISPR-Cas9導入用のベクターとして選ばれた。</p>
<p>まず、HSCを再構成したNSGマウス (33匹)を2週間 HIV-1 NL4-3に感染させ、そのうち4匹を感染しているか確認するために使用した。感染の確認が取れてから、第1群  (6匹) は無処置、第2群 (6匹) にはAAV9-CRISPR-Cas9を静脈注射、第3群 (10匹) にはLASER ARTを筋肉注射した。第4群 (7匹) にはLASER ARTの後にAAV9-CRISPR-Cas9を投与した。 (表1) LASER ARTを投与した動物群では、ウイルスが検出できないほどに減少した。投与を止めると、第3群の10匹全てと第4群の5匹でウイルスリバウンドが起こったが、第4群の残り2匹はリバウンドが観察されなかった。また、細胞内のウイルスDNAレベルを測定すると、第4群の併用療法は第2群や第3群の単独療法よりも、DNAコピー減少効果が高いことがわかった。この時、非感染個体と感染個体を比べて細胞数が変わらなかったことから処置を通じて細胞毒性が無いことも実証された。</p>
<div class="imgset">
<div class="center">表1：HIV-1 NL4-3に感染させたNSGマウスの結果</div>
<div class="table-contents">
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tr>
<th></th>
<th>個体数</th>
<th>処置方法</th>
<th>LASER ART投与停止後</th>
</tr>
<tr>
<td>第1群</td>
<td>6</td>
<td>無処置</td>
<td>－</td>
</tr>
<tr>
<td>第2群</td>
<td>6</td>
<td>AAV9-CRISPR-Cas9</td>
<td>－</td>
</tr>
<tr>
<td>第3群</td>
<td>10</td>
<td>LASER ART</td>
<td>全個体ウイルスリバウンド</td>
</tr>
<tr>
<td>第4群</td>
<td>7</td>
<td>AAV9-CRISPR-Cas9 / LASER ART</td>
<td>2匹はウイルスリバウンド無し</td>
</tr>
</table>
</div>
</div>
<p>HIV-1 NL4-3はTトロピック (指向性) だったのに対して、マクロファージトロピックウイルス株を感染させた別のHSC再構成NSGマウスでも同様の実験を行った。感染が確認された後、第1群 (4匹) は無処置 、第2群 (6匹) にはLASER ARTとCRISPR-Cas9の併用療法、第3群 (7匹) にはLASER ARTの単独療法を施した。 (表2) LASER ARTを止めて10週間経過した後、第1群と第3群は全ての個体で継続的なウイルス複製が見られたが、第2群内の3匹はウイルスリバウンドが無かった。</p>
<div class="imgset">
<div class="center">表2：マクロファージトロピック株に感染させたNSGマウスの結果</div>
<div class="table-contents">
<table class="normal" style="margin-top:10px; margin-bottom:10px;">
<tr>
<th></th>
<th>個体数</th>
<th>処置方法</th>
<th>LASER ART投与停止後</th>
</tr>
<tr>
<td>第1群</td>
<td>4</td>
<td>無処置</td>
<td>－</td>
</tr>
<tr>
<td>第2群</td>
<td>6</td>
<td>AAV9-CRISPR-Cas9 / LASER ART</td>
<td>3匹はウイルスリバウンド無し</td>
</tr>
<tr>
<td>第3群</td>
<td>7</td>
<td>LASER ART</td>
<td>全個体ウイルスリバウンド</td>
</tr>
</table>
</div>
</div>
<p>最後に、HIV-1に感染したCD34+HSC再構成動物を新たに用意し、LASER ARTとCRISPR-Cas9がウイルスリバウンドを排除する能力を確認したところ、10匹中4匹は複製能力のあるウイルスが認識されなかった。</p>
<p>以上の結果を併せて、LASER ARTとCRISPR-Cas9による治療を連続して受けた動物の3分の1以上がHIV感染していないことがわかった。感染しなかった理由としてはLASER ARTの効率的な細胞内への送達、ウイルス増殖部位での導入効率および切除療法といった複数要因の組み合わせが影響していることが伺える[10]。</p>
<p>今回紹介した2つの研究例から、CRISPR-Cas9システムはHIV感染への機能的な治療を実現するための有利な手段だと言える。今後は、これらの研究によって明らかになりつつあるHIV除去作用機序の解明を進めることでHIV感染根治への道が開けるのではないかと考える。</p>
<p>（文責：陣内響子）</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2021/2103/20210316_kensa.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] エイズ予防情報ネット API-Net 日本の状況：エイズ動向委員会　四半期報告 2021年[令和3年] 保健所等におけるＨＩＶ抗体検査件数<br />
</a></p>
<p><a href="https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/seikansensho/knowledge/hiv_aids/index.html" rel="noopener noreferrer ">[2] 東京都福祉保健局 東京都性感染症ナビ HIV/エイズ</a></p>
<p><a href="https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2019/nenpo/r01gaiyo.pdf" rel="noopener noreferrer ">[3] 厚生労働省エイズ動向委員会 令和元（2019）年エイズ発生動向 – 概要 – </a></p>
<p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000726505.pdf" rel="noopener noreferrer ">[4] 新型コロナ感染拡大状況下におけるエイズ・性感染症の検査機会提供のあり方<br />
</a></p>
<p>[5] 免疫生物学第9版 南江堂 2019年 監訳者:笹月 健彦</p>
<p><a href="http://hivjp.org/guidebook/hiv_24.pdf" rel="noopener noreferrer ">[6] HIV感染症「治療の手引き」 第24版 日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会</a>  </p>
<p><a href="https://www.aids-chushi.or.jp/ippan/chiryo/" rel="noopener noreferrer ">[7] HIV感染症の治療 中四国エイズセンター</a></p>
<p><a href="http://jsv.umin.jp/journal/v63-2pdf/virus63-2_199-208.pdf" rel="noopener noreferrer ">[8] 4. 抗 HIV 治療薬 鯉渕 智彦</a> </p>
<p>[9] Ophinni, Y., Inoue, M., Kotaki, T. et al. CRISPR/Cas9 system targeting regulatory genes of HIV-1 inhibits viral replication in infected T-cell cultures. Sci Rep 8, 7784 (2018).</p>
<p>[10] Dash, P.K., Kaminski, R., Bella, R. et al. Sequential LASER ART and CRISPR Treatments Eliminate HIV-1 in a Subset of Infected Humanized Mice. Nat Commun 10, 2753 (2019). </p>
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			</item>
		<item>
		<title>ヒト受精胚ゲノム編集の現状</title>
		<link>https://www.setsurotech.com/media/crispr-210531/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理用セツロ]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 31 May 2021 08:59:03 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>ゲノム編集ベビーのニュース 2018年に中国でヒト受精胚のゲノム編集を行い、双子の赤ちゃんが誕生したことは記憶に新しいのではないか？報道を耳にし、科学技術の凄まじい進歩に驚きつつも漠然とした恐怖を感じた方も多いと思う。こ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h2>ゲノム編集ベビーのニュース</h2>
<p>2018年に中国でヒト受精胚のゲノム編集を行い、双子の赤ちゃんが誕生したことは記憶に新しいのではないか？報道を耳にし、科学技術の凄まじい進歩に驚きつつも漠然とした恐怖を感じた方も多いと思う。このように受精卵の段階で遺伝子を操作し誕生した子どもを”ゲノム編集ベビー”と言うこともあるそうだ。この研究に対し世界各国の団体からは批判に値する声明が相次いで出された。既に定められているヒト受精胚のゲノム編集のルールを大きく逸脱しただけでなく、倫理的に大きな問題があるからである。では既に定められたルールとはどのようなものなのであろうか。</p>
<p>本記事ではヒト受精胚のゲノム編集に関する研究や臨床利用の現状について述べる。はじめに日本の現状について言及し、その後世界の現状について言及する。</p>
<h2>日本のヒト受精胚ゲノム編集の現状</h2>
<p>そもそも、ヒト受精胚でのゲノム編集を用いた基礎的研究や臨床利用は行って良いのであろうか？</p>
<p>結論から述べると条件付きで基礎的研究は認められており、臨床利用は認められていない。（2021年5月27日時点での情報）</p>
<p>※本記事では「「基本的考え方」見直し等に係る報告書（第一次）～生殖補助医療研究を目的とするゲノム編集技術等の利用について～」[1] に従い基礎的研究と臨床利用を次のように定義する。基礎的研究は、ヒトや動物にゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚を移植しない（個体産生につながらない）研究。臨床利用は、ヒトや動物にゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚を移植する（個体産生につながる可能性が有る）利用とする。</p>
<p>大前提として日本ではヒト受精胚の取り扱い基本原則が下記のように定められている。以下「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」（平成16年7月23日総合科学技術会議）より抜粋。[2]</p>
<blockquote><p>
第２．ヒト受精胚<br />
２．ヒト受精胚の位置付け<br />
（３）ヒト受精胚の取扱いの基本原則<br />
ア 「人の尊厳」を踏まえたヒト受精胚尊重の原則<br />
既に述べたとおり、「人」へと成長し得る「人の生命の萌芽」であるヒト受精胚は、「人の尊厳」という社会の基本的価値を維持するために、特に尊重しなければならない。したがって、ヒト胚研究小委員会の報告に示されたとおり、「研究材料として使用するために新たに受精によりヒト胚を作成しないこと」を原則とするとともに、その目的如何にかかわらず、ヒト受精胚を損なう取扱いが認められないことを原則とする。<br />
イ ヒト受精胚尊重の原則の例外<br />
しかし、人の健康と福祉に関する幸福追求の要請も、基本的人権に基づくものである。このため、人の健康と福祉に関する幸福追求の要請に応えるためのヒト受精胚の取扱いについては、一定の条件を満たす場合には、たとえ、ヒト受精胚を損なう取扱いであるとしても、例外的に認めざるを得ないと考えられる。<br />
ウ ヒト受精胚尊重の原則の例外が許容される条件<br />
イに述べた例外が認められるには、そのようなヒト受精胚の取扱いによらなければ得られない生命科学や医学の恩恵及びこれへの期待が十分な科学的合理性に基づいたものであること、人に直接関わる場合には、人への安全性に十分な配慮がなされること、及びそのような恩恵及びこれへの期待が社会的に妥当なものであること、という３つの条件を全て満たす必要があると考えられる。また、これらの条件を満たすヒト受精胚の取扱いであっても、人間の道具化・手段化の懸念をもたらさないよう、適切な歯止めを設けることが必要である。
</p></blockquote>
<p>平成31年4月1日に制定された「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」[3]によると、胚の発生・発育・着床に関するもの、ヒト受精胚の保存技術の向上に関するもの、その他生殖補助医療の向上に資する研究であればヒト受精胚に遺伝情報改変技術等（CRISPR/Cas9などに代表されるゲノム編集技術）を用いる基礎的研究が認められている。ただし次に述べる条件を守る必要がある。研究に使用する受精胚は体外受精などの生殖補助医療に用いる目的で作成されたヒト受精胚の内、使用される予定がなくなったものである必要がある。さらに受精後14日以内（凍結保存期間を除く。）のものと規定されている。またこの研究に用いたヒト受精胚は、人または動物の胎内への移植は禁止されている。現行の指針だと、ヒト受精胚をゲノム編集して子宮に戻すことは禁止されているため、いわゆる”ゲノム編集ベビー”も作成してはならないということになる。</p>
<h2>日本のヒト受精胚ゲノム編集の今後</h2>
<p>次に現在指針として追加が議論されている内容について言及する。なお、下記に示す内容は令和元年6月に行われた総合科学技術・イノベーション会議でまとめられた「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告（第二次）[4]に基づくものである。（2021年5月27日時点での情報）</p>
<p>この報告書によると、ヒト胚の人または動物への胎内移植、疾患関連目的以外の研究（エンハンスメント等）を容認しないことを前提とした上で次に示す基礎的研究を容認するか否かについて検討されている。</p>
<p>1つ目は余剰胚にゲノム編集技術等を用いる遺伝性・先天性疾患のための研究である。今まではヒト受精胚を使う基礎的研究は生殖補助医療が目的である場合のみ許可されていたが、遺伝性・先天性疾患が目的の研究でも使用出来るようにするという試みである。</p>
<p>2つ目は新規胚を使用しゲノム編集を行う基礎的研究である。上記に述べたように現在は生殖補助医療で”余った”ヒト受精胚に対してのみゲノム編集を行う研究が許可されていたが、新たに胚を作成しゲノム編集を用いた研究に使用することが検討されている。</p>
<p>研究目的でのヒト受精胚の作成については、上記に記した「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」に基づき生殖補助医療研究を目的とするもののみ容認されている。その作成したヒト受精胚に対してゲノム編集を施し研究をすることは慎重に検討される必要があるとして余剰胚にのみ使用が限定されていた。しかし、生殖補助医療の後に生じた余剰胚は、受精から一定の時間が経過しているため、受精初期の状態を把握することは困難であることが課題として挙げられていた。また、ヒト受精胚の初期での変化は観察だけでは機能、形質、その後の変化への影響等を把握することは困難なことも多く、ゲノム編集技術等を用いることによって解明されることも多いと想定されている。そのため、今回新規胚に対するゲノム編集技術を用いた研究の容認に関して検討されているのである。この場合研究目的は、生殖補助医療研究、難病等遺伝性疾患研究及びその他の疾患研究（がん等）に絞られる方向性で議論が進んでいる。</p>
<p>現時点での「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」には法的な拘束力はなく、破った際のペナルティも大きなものではない。そのため、この報告書では人または動物の胎内移植に関して、法的規制を含めた制度的枠組みの検討を関係省庁に求める事が記されている。</p>
<h2>ヒト受精胚ゲノム編集の世界の動向</h2>
<p>次にヒト受精胚ゲノム編集の基礎的研究の世界の動向を紹介する。日本以外の国では早くからヒト受精胚にゲノム編集を施した基礎的研究が行われている。</p>
<p>2015年には中国の中山大学でヒト受精胚へのゲノム編集効率の確認や遺伝性難病予防を目的に研究が行われている[5]。2017年にはアメリカのオレゴン健康科学大学で肥大型心筋症患者の精子と正常な卵子から新たに受精胚が作成された[6]。また、受精胚を作成する際にゲノム編集を行うことによる修復効率化の検証も行われた。同じ年にはイギリスのフランシス・クリック研究所で受精胚や胚性幹細胞で特異的に発現している遺伝（OCT4)を欠損させて、受精胚の発生における役割を解析する研究が行われた[7]。こちらは生殖補助医療を目的としていた。[8]</p>
<p>世界各国のヒト受精胚のゲノム編集による臨床利用に関しても簡単に述べる。次の内容はゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の 臨床利用の現状について(令和元年８月21日)[9]と厚生科学審議会科学技術部会 ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床 利用のあり方に関する専門委員会 議論の整理 (令和２年１月７日)[10]に基づくものである。（2021年5月27日時点での情報）アメリカ、ドイツ、イギリスでは容認出来ないとの見解が出されている。ただし、アメリカでは重篤な疾患の場合、イギリスやドイツでは特定の疾患の場合、様々な条件をクリアしたうえで例外的に許可されている。フランスや中国に至っては禁止されている。</p>
<h2>今後の課題と展望</h2>
<p>本記事冒頭で紹介した中国のゲノム編集ベビーはヒト受精胚ゲノム編集を臨床利用した例である。当初の目的ではHIV（ヒト免疫不全ウイルス）の耐性を持たせた子供を誕生させることだったと言われている。双子の両親の一人がHIV感染者、もう片方が未感染であり子供に感染させないためにゲノム編集を選択したそうだ。しかし、HIVの親から子への感染を防ぐ方法は既に複数存在し、わざわざゲノム編集を選択する必要が無かった可能性がある。臨床利用は中国国内でも認められていないのはもちろん、アメリカなどの特定の疾患でのみ臨床利用を認める場合にも該当しない可能性が高いだろう。</p>
<p>科学技術は日に日に進歩している。それに対し、一般市民の理解や法律などの整備が追いついていないのが日本の現状である。また、生命に対する倫理観についても幅広くディスカッションする必要があるように感じる。</p>
<p>上記でも述べたが現時点で日本においてはヒト受精胚ゲノム編集に関する法律はなく、存在するのは指針である。法律ではないため、仮に破ったとしても厳しい罰則などはない。多くの人が手軽にゲノム編集を行えるようになった今、法律を制定する必要もあるのではないかと考える。ゲノム編集は人々にとってより良い選択が出来るために使用されるものであって欲しいと願う。</p>
<p>※この記事は2021年5月27日に作成されたものです。ゲノム編集などの科学技術に関する法律や指針は常にアップデートされていくため内容に一部違いが出る可能性がございます。<br />
※セツロテックでは、2021年5月27日時点でヒト胚の利用事例はございません。</p>
<p>（文責：Y.T）</p>
<h2>参考文献</h2>
<p><a href="https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/hitohaihoukoku1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">[1] 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告（第一次）<br />
～生殖補助医療研究を目的とするゲノム編集技術等の利用について～(平成３０年３月２９日総合科学技術・イノベーション会議)<br />
</a></p>
<p><a href="https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu39/siryo5-1-1.pdf" rel="noopener noreferrer ">[2] ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方（平成１６年７月２３日 総合科学技術会議）</a></p>
<p><a href="https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/04/1414991.htm" rel="noopener noreferrer ">[3] 「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」の制定について(平成31年4月1日文部科学省)</a></p>
<p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000531041.pdf" rel="noopener noreferrer ">[4] 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告（第二次）～ヒト受精胚へのゲノム編集技術等の利用等について～(令和元年６月１９日 総合科学技術・イノベーション会議)<br />
</a></p>
<p><a href="https://link.springer.com/article/10.1007/s13238-015-0153-5" rel="noopener noreferrer ">[5] Liang, P., Xu, Y., Zhang, X. et al. CRISPR/Cas9-mediated gene editing in human tripronuclear zygotes. Protein Cell 6, 363–372 (2015).</a> </p>
<p><a href="https://www.nature.com/articles/nature23305" rel="noopener noreferrer ">[6] Ma, H., Marti-Gutierrez, N., Park, SW. et al. Correction of a pathogenic gene mutation in human embryos. Nature 548, 413–419 (2017).</a>  </p>
<p><a href="https://www.nature.com/articles/nature24033" rel="noopener noreferrer ">[7] Fogarty, N., McCarthy, A., Snijders, K. et al. Genome editing reveals a role for OCT4 in human embryogenesis. Nature 550, 67–73 (2017).</a></p>
<p><a href="https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu123/siryo3-1_1.pdf" rel="noopener noreferrer ">[8] 第123回 生命倫理専門調査会 新規作成胚とゲノム編集研究資料 (令和2年7月31日)</a> </p>
<p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000538827.pdf" rel="noopener noreferrer ">[9] ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の 臨床利用の現状について(令和元年８月21日)</a>  </p>
<p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000582921.pdf" rel="noopener noreferrer ">[10] 厚生科学審議会科学技術部会 ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床 利用のあり方に関する専門委員会 議論の整理 (令和２年１月７日)</a></p>
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