in silico
“in silico”という用語は、生命科学や薬学分野における研究手法を指す際に、実際の生体内(in vivo)や試験管内(in vitro)での実験に対して、コンピュータや情報技術を利用したシミュレーションやデータ解析を指す言葉として用いられます。
“in silico”の意味と範囲
- 基本概念: “in silico”は文字通り「シリコン内で」と訳されますが、実際にはコンピュータを用いたシミュレーションやデータ解析を指すことが多いです。この用語は、生命科学や薬学分野でのコンピュータベースの実験を表すために用いられます。
- 用途: 分子生物学、遺伝学、薬剤開発、生態学など多岐にわたる分野で、遺伝子発現パターンの予測、薬剤の作用メカニズムのモデリング、疾患進行のシミュレーションなどに使用されます。
“in silico”研究の利点
- 時間とコストの削減: いわゆる“ウェット”と呼ばれる実験・解析技術比べて、コンピュータシミュレーションは迅速かつ低コストで実施できます。
- 実験の難しい領域への適用: 実験が難しい領域でもin silico手法を用いることで研究が可能になります。
- 大規模データの解析: ゲノム解析や複雑な生物学的システムの研究など、大量のデータを扱う研究に適しています。
“in silico”研究の例
- バイオインフォマティクス: 遺伝子配列やタンパク質の構造データから、生物学的機能や相互作用を解析します。
- 薬剤設計: コンピュータを用いて、薬剤候補分子の効果や副作用を予測し、薬剤の開発スピードを加速します。
- システム生物学: 生命現象をシステムとして理解するために、生物学的ネットワークや代謝経路のシミュレーションを行います。