培養細胞について

培養細胞のゲノム編集について、純化ステップの細胞を選び出す作業は具体的にどのように行うのでしょうか。
純化ステップの細胞を選び出す作業は、接着細胞と浮遊細胞で異なります。
接着細胞の場合、純化ステップは基本的にクローニングシリンダーによるシングルコロニーのピックアップを行います。
弊社独自技術のVIKING法では、遺伝子のノックアウト・ノックインには、主に抗生剤耐性遺伝子の挿入を伴うため、コロニーのピックアップが可能です。
また、耐性遺伝子の代わりに、蛍光タンパク質を用いることもでき、その場合にはFACS(セルソーター)による細胞の分取も可能となります。
浮遊細胞の場合、限界希釈法かシングルセル分注機(MICROJET Single Cell Printer)を使用してピックアップします。
上記の選別したコロニーからゲノムDNAを抽出し、PCRにより標的配列を増幅し、シーケンス解析することにより、ゲノム編集による変異を確認します。
培養細胞でオフターゲット効果の起きる可能性はありますか。
オフターゲットスコアを考慮して切断ベクターを設計していますが、可能性は否定できません。
オフターゲット効果の有無を判断するにはWhole Genome Sequence法により、個体の全塩基配列を調べる、または、オフターゲットとなりうる候補部位について配列を確認することが必要です。オプションとしてNGS解析のプランがございますので、ご利用ください。
VIKING法でのゲノム編集で実績のある細胞種を教えて下さい。
HaCaT, HEK293F, C4-2, UMR-106, MC3T3-E1, HepG2, IMS32 ,Jurkat, U-937, MOLT-4, HL-60
この他の細胞でも対応可能です。お気軽にご相談ください。
VIKING法のメリットを教えて下さい。
VIKING法のメリットは狙った部位にベクター配列をそのまま培養細胞内に導入できる点です。つまり、対象の培養細胞のゲノムを傷つけることなく、任意の配列を細胞に導入できます。例えば、様々な細胞で転写活性を有し、安定した導入遺伝子の発現が得られるAAVS1などのセーフハーバー領域にベクターをノックインすることで任意のタンパク質を恒常的に発現するstable cell lineが容易に作製できます。その他、誘導発現ベクターの挿入や、点変異タンパク発現ベクターの導入などベクターの設計次第で多様な応用ができる技術です。
また、ノックアウトについても対象遺伝子へのベクターの挿入と2本鎖切断修復時にできるINDELを利用しています。

参考文献

  1. Hashimoto, M. and Takemoto, T*. Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing. Sci. Rep. 5, 11315; doi: 10.1038/srep11315 (2015).
  2. Hashimoto M, Yamashita Y, Takemoto T*.Electroporation of Cas9 protein/sgRNA into early pronuclear zygotes generates non-mosaic mutants in the mouse. Dev. Biol. 418: 1-9 (2016).
  3. Tanihara F, Takemoto T*, Kitagawa E, Rao S, Do L, Onishi A, Yamashita Y, Kosugi C, Suzuki H, Sembon S, Suzuki S, Nakai M, Hashimoto M, Yasue A, Matsuhisa M, Noji N, Fujimura T, Fuchimoto Di, Otoi T*. Somatic cell reprogramming-free generation of genetically modified pigs. Science Advances. 2 (9) e1600803 (2016).
  4. Sawatsubashi S*, Joko Y, Fukumoto S, Matsumoto T, Sugano SS*. Development of versatile non-homologous end joining-based knock-in module for genome editing. Sci Rep. 2018 Jan 12;8(1):593.