その他

使っているCas9には核移行シグナルはありますか?
Cas9に核移行シグナルは付いています。

納品物の検証方法を教えてください。
F0マウスから抽出したゲノムに対してPCRを行い、増幅フラグメントのシーケンスをします。目的の変異が起きていることを確認します。Cas9等のゲノム編集因子導入による変異導入技術の性質上、F0マウスは同一個体に複数の変異パターンを持つことが多く、場合によってはモザイク個体となることもあります。
致死遺伝子における点変異マウスは作製できますか?
致死遺伝子の点変異マウス作製は、生存への影響のない(少ない)遺伝子の点変異マウス作製よりも難しくなると考えられます 。
通常、点変異マウス作製時には目的点変異のほかに、塩基欠損も同時におきる可能性が高いです。そのため、以下の2点が作出難易度を上げていると考えられます。
1. 作製した胚の多くが、標的致死遺伝子の塩基欠損胚となります。
そのため、 仮親マウスへ移植し、しっかり着床したとしても、目的点変異導入個体(正常発生個体)が少ないと仮親マウスが流産してしまう可能性が高まります 。
2. 作出される目的点変異マウスは塩基欠損とのヘテロ(あるいはモザイク個体となることが多いです。
このマウスは 標的 遺伝子の機能によっては致死になりうる、または個体発生に強く影響する可能性があります。
現在、弊社では可能な限り致死個体が作出されないような手法を構築中です。致死遺伝子の点変異マウス作製を希望されているのでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
受精卵エレクトロポレーション法はモザイク率が低いという事ですが、モザイクかどうかはどのように判断していますか?
個体からゲノムを調整して、PCRにて標的配列を増幅。増幅したフラグメントのゲノム編集パターンが野生型を含め3つ以上となった場合、モザイクであると考えています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27474397
新規のゲノム編集実験や、当社で実績の少ない特殊なマウス胚を用いた受精卵作製を依頼するために、事前の予備実験はできないでしょうか。
弊社では、ゲノム編集受精卵作製予備実験サービスをご提供させて頂いております。この実験では、シーケンスでガイドRNAの切断効率の測定や、受精卵が胚盤胞に発生する効率や速度をin vitroで評価し、レポートを作成しています。標準納期は約2~3週間です。詳細はお問い合わせください。
保有遺伝子改変マウスのジェノタイピング解析を依頼することは可能でしょうか。
はい。承ります。マウスの尾部サンプルを冷凍でお送り頂き、解析結果をお返しいたします。詳細はお気軽にご相談下さい。
エレクトロポレーションとは
エレクトロポレーションは物質を細胞内に導入する方法として古くから利用されています。原理は「電気の力で瞬時に細胞に小さな穴を開ける」や「エンドサイトーシスを惹起する」など言われており、いくつかの説があります。エレクトロポレーションはゲノム編集以外でも利用されており、身近なところでは美容のツールとして利用されてもいます。
ゲノム編集の危険性について
1. 研究現場の危険性
予想しないゲノム配列を書き換えてしまう可能性(オフターゲット効果)があります。しかし、マウス受精卵ではその確率が高くないことが知られています。また、全ゲノム配列をシーケンサーで読むこともできるので、気になるようであれば、全ゲノムシーケンスを調べることも可能です。
2. 治療に用いるリスク
上記 1.でオフターゲット効果の可能性を示しましたが、オフターゲット効果によりがん関連遺伝子に変異が入ったりすると、癌化のリスクがあります。全ゲノムシーケンスなど、安全を確認するプロトコールの整備など、今後の検証が必要です。
lncRNAのKOは可能ですか?
作製可能です。lncRNAはlong non-coding RNAの略で、タンパク質をコードしない長鎖のRNAです。翻訳はされませんが、ゲノムからの転写によって作られます。Cas9等によるゲノム編集では、lncRNAの鋳型となるDNA配列そのものに変異を引き起こすことになるので、弊社における通常のゲノム編集マウス作製法をそのまま用いることができます。
凍結精子の作製方法
弊社では「熊本大学 CARD」に則っております。以下をご参照ください。
精子の凍結方法

参考文献

  1. Hashimoto, M. and Takemoto, T*. Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing. Sci. Rep. 5, 11315; doi: 10.1038/srep11315 (2015).
  2. Hashimoto M, Yamashita Y, Takemoto T*.Electroporation of Cas9 protein/sgRNA into early pronuclear zygotes generates non-mosaic mutants in the mouse. Dev. Biol. 418: 1-9 (2016).
  3. Tanihara F, Takemoto T*, Kitagawa E, Rao S, Do L, Onishi A, Yamashita Y, Kosugi C, Suzuki H, Sembon S, Suzuki S, Nakai M, Hashimoto M, Yasue A, Matsuhisa M, Noji N, Fujimura T, Fuchimoto Di, Otoi T*. Somatic cell reprogramming-free generation of genetically modified pigs. Science Advances. 2 (9) e1600803 (2016).
  4. Sawatsubashi S*, Joko Y, Fukumoto S, Matsumoto T, Sugano SS*. Development of versatile non-homologous end joining-based knock-in module for genome editing. Sci Rep. 2018 Jan 12;8(1):593.