その他

使っているCas9には核移行シグナルはありますか?
Cas9に核移行シグナルは付いています。

納品物の検証方法を教えてください。
F0マウスから抽出したゲノムに対してPCRを行い、増幅フラグメントのシーケンスをします。目的の塩基置換が導入されたことを確認します。F0マウスはヘテロになる確率が高いですが、場合によってはモザイク個体となる場合があります(ゲノム編集マウス作製では起こることがあります)。
対象遺伝子が致死遺伝子の場合、ホモKOは離乳前に死んでしまうので、ヘテロ体が取れないと難しいのでないでしょうか?
ゲノム編集では優先的に遺伝子破壊(KO)が起こります。そのうち、ある程度の頻度でノックイン(KI)となります。従いまして、致死遺伝子の場合、目的マウスが取れにくいのは事実です。仮に、一方のalleleがKO、もう一方のalleleがKIの場合、マウスは生存するなら、取れる可能性が高いです。生存しない場合、人工授精法(IVF)を用いることでKI個体を取ることになります(要見積)。
受精卵エレクトロポレーション法はモザイク率が低いという事ですが、モザイクかどうかはどのように判断していますか?
個体からゲノムを調整して、PCRにて標的配列を増幅。増幅したフラグメントのゲノム編集パターンが何種類かで判断しております。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27474397
新規のゲノム編集実験や、当社で実績の少ない特殊なマウス胚を用いた受精卵作製を依頼するために、事前の予備実験はできないでしょうか。
弊社では、ゲノム編集受精卵作製予備実験サービスをご提供させて頂いております。この実験では、シーケンスでガイドRNAの切断効率の測定や、受精卵が胚盤胞に発生する効率や速度をin vitroで評価し、レポートを作成しています。標準納期は約2~3週間です。詳細はお問い合わせください。
保有遺伝子改変マウスのジェノタイピング解析を依頼することは可能でしょうか。
はい。承ります。マウスの尾部サンプルを冷凍でお送り頂き、解析結果をお返しいたします。詳細はお気軽にご相談下さい。
エレクトロポレーションとは
エレクトロポレーションは物質を細胞内に導入する方法として古くから利用されています。原理は「電気の力で瞬時に細胞に小さな穴を開ける」や「エンドサイトーシスを惹起する」など言われており、いくつかの説があります。エレクトロポレーションはゲノム編集以外でも利用されており、身近なところでは美容のツールとして利用されてもいます。
ゲノム編集の危険性について
1. 研究現場の危険性
予想しないゲノム配列を書き換えてしまう可能性(オフターゲティング効果)があります。しかし、マウス受精卵ではその確率が高くないことが知られています。また、全ゲノム配列をシーケンサーで読むこともできるので、気になるようであれば、全ゲノムシーケンスを調べることも可能です。
2. 治療に用いるリスク
上記 1.でオフターゲティング効果の可能性を示しましたが、オフターゲティング効果によりがん関連遺伝子に変異が入ったりすると、癌化のリスクがあります。全ゲノムシーケンスなど、安全を確認するプロトコールの整備など、今後の検証が必要です。
lncRNAのKOは可能ですか?
作製可能です。lncRNAはlong non-coding RNAの略で、タンパク質をコードしない長鎖のRNAです。翻訳はされませんが、ゲノムからの転写によって作られます。ゲノム編集では、lncRNAのゲノム配列を欠損させます。KOにより胎生致死でなければKOマウスのご提供が可能です。
培養細胞でオフターゲット効果の起きる可能性はありますか。
オフターゲットスコアを考慮して切断ベクターを設計していますが、可能性は否定できません。
オフターゲット効果の有無を判断するにはWhole Genome Sequence法により、個体の全塩基配列を調べる、または、オフターゲットとなりうる候補部位について配列を確認することが必要です。オプションとしてNGS解析のプランがございますので、ご利用ください。
VIKING法でのゲノム編集で実績のある細胞種を教えて下さい。
HaCaT, HEK293F, C4-2, UMR-106, MC3T3-E1, HepG2, IMS32
この他の細胞でも対応可能です。お気軽にご相談ください。
VIKING法のメリットを教えて下さい。
VIKING法のメリットは狙った部位にベクター配列をそのまま培養細胞内に導入できる点です。つまり、対象の培養細胞のゲノムを傷つけることなく、任意の配列を細胞に導入できます。例えば、様々な細胞で転写活性を有し、安定した導入遺伝子の発現が得られるAAVS1などのセーフハーバー領域にベクターをノックインすることで任意のタンパク質を恒常的に発現するstable cell lineが容易に作製できます。その他、誘導発現ベクターの挿入や、点変異タンパク発現ベクターの導入などベクターの設計次第で多様な応用ができる技術です。
また、ノックアウトについても対象遺伝子へのベクターの挿入と2本鎖切断修復時にできるINDELを利用しています。
凍結精子の作製方法
弊社では「熊本大学 CARD」に則っております。以下をご参照ください。
精子の凍結方法

参考文献

  1. Hashimoto, M. and Takemoto, T*. Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing. Sci. Rep. 5, 11315; doi: 10.1038/srep11315 (2015).
  2. Hashimoto M, Yamashita Y, Takemoto T*.Electroporation of Cas9 protein/sgRNA into early pronuclear zygotes generates non-mosaic mutants in the mouse. Dev. Biol. 418: 1-9 (2016).
  3. Tanihara F, Takemoto T*, Kitagawa E, Rao S, Do L, Onishi A, Yamashita Y, Kosugi C, Suzuki H, Sembon S, Suzuki S, Nakai M, Hashimoto M, Yasue A, Matsuhisa M, Noji N, Fujimura T, Fuchimoto Di, Otoi T*. Somatic cell reprogramming-free generation of genetically modified pigs. Science Advances. 2 (9) e1600803 (2016).
  4. Sawatsubashi S*, Joko Y, Fukumoto S, Matsumoto T, Sugano SS*. Development of versatile non-homologous end joining-based knock-in module for genome editing. Sci Rep. 2018 Jan 12;8(1):593.