免疫系疾患 免疫系疾患

全身性エリテマトーデス

疾患概要

自分の免疫システムが誤って自分の正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫性疾患の1つであり、女性に多い疾患である。蝶形紅斑に代表される皮膚症状、関節痛や関節炎、ループス腎炎と呼ばれる腎臓の病気が症状として現れる。治療は副腎皮質ステロイドによる薬物治療が中心である。副腎皮質ステロイドの効果を高めることや減量を目的に免疫調整薬、免疫抑制薬、分子標的薬を併せて用いることがある。原因はいまだ明らかではないが、遺伝的要因に環境要因が加わり、複合的な要因で発症する自己免疫疾患と考えられている。

関連遺伝子

ATXN2 RNAプロセシングに関与するAtaxin-2をコードしている。Ataxin-2は小胞体や形質膜に局在し、エンドサイトーシスやmTORシグナルを調整することで、リボソームでの翻訳やミトコンドリア機能を調整している。
NCF2 NADPHオキシダーゼ複合体の一部、SLE におけるミューテーションでROSの産生を低下させる。全身性エリテマトーデスのリスク増加と強く関連している。
MDA5 ウイルスの核酸を細胞質で感知する自然免疫系の受容体で、ウイルスの感染を感知し、I型インターフェロンや炎症性サイトカインの誘導を含む抗ウイルス反応のカスケードの活性化に大きな役割を果たしている。