神経・筋疾患 神経・筋疾患

進行性核上性麻痺

疾患概要

大脳基底核、脳幹、小脳といった部位に障害が生じることから、さまざまな神経症状を現すようになる疾患。転びやすくなったり、下方を見ることがしにくい、しゃべりにくい、飲み込みにくいといった症状がみられる。40代以降で発症することが多い。脳の中に存在する大脳基底核から脳幹にかけての神経細胞が障害を受けることから発症する。これらの部位の神経細胞が減少し、異常なリン酸化タウタンパクが蓄積する。この様な形態異常が生じる原因は不明。根本的な治療方法は存在せずパーキンソン病に対して使用される薬やうつ病に使用される薬を使うこともある。

関連遺伝子

BSN この遺伝子から翻訳されるBSNタンパクは神経終末アクティブゾーンに存在する巨大タンパクである。疾患患者の約10%に遺伝子変異が見られる。この遺伝子の変異により不溶性のタウタンパクが蓄積することが報告されている。
MAPT 微小管の集合と安定を促進し、神経細胞の極性の確立と維持に関与している。この遺伝子の変異による進行性核上性麻痺では神経細胞およびグリア細胞内にタウタンパクが蓄積する。
PGRN 成長因子の一種であり細胞増殖、腫瘍形成、創傷治癒、発達、炎症など多くのプロセスに関与している。この遺伝子の変異による進行性核上性麻痺ではタウ陰性ユビキチン陽性の神経細胞内封入体が出現する。