神経・筋疾患 神経・筋疾患

パーキンソン病

疾患概要

振戦(ふるえ)、固縮、無動、姿勢反射障害などの運動障害や、嗅覚低下、便秘、頻尿/排尿困難、立ちくらみ、起立性低血圧、睡眠障害、記憶障害、うつ、幻覚・妄想などの非運動障害を伴う神経変性疾患。50歳代での発症が多く、その多くは非遺伝性。発病のきっかけはまだはっきりとわかってはいない。α-synucleinの異常蓄積が一因ではないかと考えられているが、現状根本的な治癒ができるような方法はなく、症状の緩和を行うのみとなっている。

関連遺伝子

α-synuclein 主に成熟神経細胞のシナプス前終末に局在する14-19 kDaのリン酸化タンパク質。シナプス機能の調節、神経可塑性に関与するとされている。異常凝集すると細胞毒性を示し神経細胞死を惹起する。
PRKN(Parkin) PINK1(セリン/スレオニンキナーゼ)と協働してマイトファジーに関与する36kDaのユビキチン転移酵素(ユビキチンリガーゼ)であり、損傷したミトコンドリアを排除するなど、ミトコンドリアの品質管理に関与するとされる。PRKNの変異が起因となって若年発症のパーキンソン病を発症することがある。
LRRK2(leucine rich-repeat kinase 2) 2527アミノ酸で構成されるプロテインキナーゼ。セリン/スレオニンキナーゼ活性と自己リン酸化活性を持ち、これまでに報告された家族性パーキンソン病原因遺伝子のうち、最も高頻度となっている。