骨・関節系疾患 骨・関節系疾患

後縦靱帯骨化症

疾患概要

脊椎を支える靭帯のひとつである「後縦靭帯」が骨へと変化し、近くに位置する脊髄が圧迫され、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす疾患。中年期以降の男性に多い。年齢、外力、遺伝、糖尿病、肥満、性ホルモンの異常、カルシウム・ビタミンDの代謝異常など複数の要因が絡み合って発症すると考えられているが、原因は完全には明らかにされていない。痛みやしびれを抑える薬、装具などによって症状をコントロールすることがある。手足の動きに支障が出た場合は手術を行う場合もある。

関連遺伝子

RSPO2 この遺伝子にコードされるRSPO2タンパクは靭帯細胞の分化を制御するゲートキーパーで、RSPO2の発現量の低下は、靭帯になるべき間葉系幹細胞を軟骨に分化させ、内軟骨性骨化を引き起こし、後縦靱帯骨化症を発症すると考えられている。
CDC5L 転写活性化因子として作用すると考える。この遺伝子をノックダウンすると初期軟骨分化が抑制され、骨芽細胞分化は亢進したことから、後縦靱帯骨化症の骨化過程においてその最初の靭帯軟骨変性、または間質細胞や血管細胞の軟骨細胞分化に重要な役割を果たすと考えられている。
EMC2 膜へのさまざまなタンパク質の挿入を調節することにより、それは多くの細胞プロセスに間接的に関与していると考えられている。また、後縦靱帯骨化症の感受性遺伝子と考えらえている。