神経・筋疾患
重症筋無力症
疾患概要
神経筋接合部において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患。神経から筋肉への指令が伝わらなくなるせいで、疲れやすくなり、また力が入らなくなる。顔面筋力低下、構音障害、嚥下・咀嚼障害、頸部・四肢筋力低下、呼吸障害などが生じる。発症のピークは男性では50~60歳台、女性では30~50歳台。なぜ自己抗体が受容体を破壊するかなど詳しいメカニズムや原因はわかっていない。自己免疫疾患であるため、免疫に関与した治療方法が基本である。
関連遺伝子
CHRNA1 | 筋肉のアセチルコリン受容体のαサブユニットをコードしている。このサブユニットは重症筋無力症の自己抗体の標的となっているため重症筋無力症に大きく影響していると考えられている。 |
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CHRNB1 | アセチルコリンを結合した後、すべてのサブユニットに影響を与える広範囲な構造変化によって反応し、細胞膜を横切るイオンチャネルを開くとされている。 |
MUSK | 運動ニューロンと骨格筋の間のシナプスである神経筋接合部(NMJ)の形成と維持に中心的な役割を果たす。中枢神経系においても役割を果たしている可能性がある。 |