神経・筋疾患
多系統萎縮症
疾患概要
大脳、小脳、脳幹、脊髄といった脳のさまざまな部位が障害を受けることで発症する疾患。αシヌクレインと呼ばれる異常構造物が脳内に蓄積し、同部位の障害を受けることから病気が発症すると考えられている。症状としては排尿障害、起立性低血圧、発汗低下、体温調節障害、振戦、動作緩慢、固縮、発声異常、姿勢反射障害小脳性運動失調による構語障害や歩行不安定などがある。根本的な治療方法はなく、支持療法が存在している。
関連遺伝子
COQ2 | コエンザイムQ10の合成酵素遺伝子。COQ2が酵素となって産生するコエンザイムQ10は、細胞のミトコンドリア内でエネルギー産生に関わり、抗酸化作用がある。患者の脳組織においてコエンザイムQ10の含有量が低下しているといわれている。また患者の中にはこの遺伝子のホモ接合体の変異や複合ヘテロ接合体の変異が報告されている。 |
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SHC2 | ヒト第19番染色体短腕 19p13.3 サブテロメア領域に存在する。この遺伝子の欠失が多系統萎縮症の重要な因子と言われている。患者の3割にこの遺伝子のゲノムコピー数多型が報告されている。 |