循環器系疾患 循環器系疾患

特発性拡張型心筋症

疾患概要

心臓 (特に左心室) の筋肉の収縮する能力が低下し、左心室が拡張してしまう疾患。主に易疲労感や動悸、呼吸困難、浮腫や不整脈などの症状が現れる。患者数は10万人あたり14人の割合といわれているが、実際の患者数はさらに多いと予想されている。原因はわかっていないが、何らかの遺伝的因子が関係するとされている。定期的な診察が不可欠で薬物療法を用いることもある。

関連遺伝子

TCAP この遺伝子が制御するテレトニンは筋肉の組み立てを調節し、筋接合部のZ帯でタイチン(TTN)分子が逆平行に集合するのを仲介する。この遺伝子の異常が特発性拡張型心筋症に関与していると考えらえている。
CARP (MINDY3) Lys-48結合したユビキチンをタンパク質から取り除くことができる加水分解酵素をコードしている。心不全時などの伸展された心筋細胞において細胞質から核内に移行する転写関連因子であり、心不全状態における心筋細胞の代償機能に重要な役割を果たしていると考えられている。
LMNA この遺伝子変異を有する患者由来のiPS心筋細胞では患者心筋組織内の心筋細胞と同様にDNA損傷が高度に蓄積していることが発見されているため特発性拡張型心筋症と関連が深いと考えらえている。