
下垂体前葉機能低下症
疾患概要
脳に存在する下垂体から産生される6つのホルモン(副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、成長ホルモン、黄体化ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチン)のすべて、もしくは一部が充分に分泌されなくなる疾患。分泌が低下する6つのホルモンに関連した症状が生じる。炎症、腫瘍、頭部外傷が原因として知られている。何らかの免疫異常が関係している可能性もあると考えられている。基本的な治療では不足しているホルモンを補充する。
関連遺伝子
PROP1 | 下垂体性腺刺激ホルモン産生に関与している。患者においてこの遺伝子のAG3反復配列が2反復となる欠失が高頻度に認められている。 |
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HESX1 | 下垂体前葉の発達、視神経の発生を制御する転写抑制因子。PROP1による遺伝子発現の増強を抑制するとされている。この遺伝子のノックアウトマウスではPROP1発現の量やタイミングの異常が報告されている。 |
LHX4 | 下垂体発生初期に発現する転写因子。呼吸制御メカニズムの発達、および肺の正常な成長と成熟に重要な役割を果たすとも考えられている。 |